2025年6月25日水曜日

Two Handerの醍醐味

『秘密の森』では、ファン・シモクとペ・ドゥナが部屋の中で二人になって推理トークを交わす場面~Two Hander(トゥー・ハンダー)*1 ~がたくさんあります。

いずれかが仮説を提示し、相手が仮説をくつがえしたり、あるいは補強したり、次のアクションを決めたり、そして容疑者の候補を絞ったりします。

絵面的には極めて地味なのに、二人の真剣なやりとりと、くるくる変わるペ・ドゥナの表情でいずれもきわめてドラマティックなシーンで観ている私たちをワクワクさせてくれます。

例えば、物語の序盤、第四話ではハン・ヨジンがファン・シモクの事務所を訪ねてきたのに留守だったために待ちくたびれて寝ているシーンがあります。

人の事務所でリラックスしきっているハン・ヨジンを見て感情を表せないファン・シモクが少し呆れた表情を見せます。きっと心の奥では、可愛いと思ったことでしょう。
特に寝起きの無防備な仕草は愛らしさが爆発しています。
(そしてすでに彼女がファン・シモクを信頼していることもわかります)

推理の一環でファン・シモクがハン・ヨジンの恋愛について尋ねるところがあります。
次第によってはセクハラととられてもおかしくない場面ですが、彼の純粋な表情から逆にハン・ヨジンからの問いかけでファン・シモクに恋愛経験がないことがわかり、セクハラ的にはおあいこになりました。恋愛経験がないシモクをからかったりせずにスっと受け入れるヨジンもステキです。

二人の対話シーンで言いますと、屋台や飲食店での二人飲みの場面はみんな大好きだと思います。
話が進むにつれて、当初は酒を飲まなかったファン・シモクが付き合うようになったり、自分からヨジンを食事に誘ったりと二人の信頼が増していく様子を二人の食事場面でよく描かれています。


*1:  演劇の世界でよく使われる用語で、二人の俳優だけで物語が展開される作品や場面を指します。こうしたシーンは演技力が問われるため、俳優にとっては腕の見せどころでもあります。

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