シーズん1に比較的多い演出で、検事ファン・シモクが推理を働かせる場面で、いきなりまるでいま目の前で起きているような描き方をします。
他の韓国ドラマでも多用しているテクニックで、日本のドラマでももちろんあるのですが、『秘密の森』の場合、推理や過去シーンと通常のシーンの切り替えがシームレスに遠慮なく唐突に行われます。
例えば、ファン・シモクが犯人に成りきって犯罪を犯している場面をファン・シモク自身がその場で見ているシーンなどです。
大抵は、文脈やちょっとしたイフェクトで彼の想像の場面だなとわかるのですが、ぼうっとしていると、それが実際に起きた場面だと思い込み、推理されたシモクの頭の中に描かれた(仮の)容疑者を真犯人と勘違いしてしまうことがあります。
私の場合、ファン・シモクが同僚の先輩検事ソ・ドンジェを疑っていた時、彼が娼婦クォン・ミナを拉致監禁しているのではないか?と推理した場面をシーン切り替えによる実際の場面だと勘違いしてしまいました。(シーズン1第六話)
ソ・ドンジェ検事は、『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男に相当する役回りで、やたらとアンビシャスなために主役たちを裏切ったり、逆に協力したりとコウモリのようなキャラクターで、彼のスタンドプレーで無実の人間が有罪になったあげく自殺したりと主役たちの捜査を妨害攪乱します。
ソ・ドンジェ(イ・ジュニョク)は、男の私が見てもほれぼれするような色男です。
ドラマの中でも自分で「顔がよくて検事になれたと言われています」と言っているくらいなので、小狡い性格からしても女性関係もさぞやだらしないかと思いきや、その点に関してはジェントルマンなのが憎めないところです。
オマケの特徴として挿入曲について一言。
この作品では、韓国ドラマでよくあるようなエンディングやドラマの途中で盛り上げのために流れる歌謡曲(OST)がシーズン2のラスト以外流れません。
他のドラマの作り手たちは、挿入歌でグっと盛り上げようと考えているのでしょうが、歌謡曲が流れてくると私の場合は逆に気が散って醒めてしまいます。
このドラマでは、歌謡曲ではなく重厚なインストの曲が流れるので緊迫感のある演出になっています。
深刻な時、捜査の重要な場面では静かでミニマルな、時にパーカッションだけのようなBGMも映像を引き締めています。
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