会場に駆けつけたびしょ濡れのメンバーにさっとタオルを気遣う男子のカッコよさ。
白状すると、最初この場面で雨に濡れた彼女たちって透けてるかも、と邪な心が芽生えました。
それに引きかえ、なんとピュアな男子生徒たち。
演奏が始まりマイクスタンドを握りしめたソンの力強い横顔を目にしたとたん涙があふれてきました。
そして「リンダリンダ」を歌い終わって振り向いた時の嬉しそうな顔。
ソンの故郷の家族や友人たちは、彼女が経験したこの「輝く時間」を知らない。
思い出話では伝えられないこの時間は、一人で異国にいた留学生だったソンだけの記憶で、ペ・ドゥナが演じる透明な孤独が染み入ります。
おそらく留学経験者は、どこかでソンと同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか?
留学生に最初に親切に接してくるのは「国際交流」や「外国人」に興味を持っている人たちですが、半年も経つとそれまで距離があったり不愛想だなと思っていたクラスメートの方にウマが合う連中がいることを知ります。
恵たちも軽音に夢中で留学生に構う時間がないだけでソンを敬遠していたわけではありません。
たまたま勧誘されたソンは、当初「さん」付けで呼ばれていましたが、たった数日で学生生活の「現場」に入って、呼び捨てになり「国際交流」から「国際」の文字が取れます。
普通の友達として受け入れてくれた喜びが「リンダリンダ」の二番で細い右腕を振り上げる様子や、「終わらない歌」の得意そうな笑顔にあふれています。
「クレープあまいですよ~」
暗くなった校内の屋台を紹介するシーンからメンバー紹介(特に自分を紹介する時の照れくさそうな表情)、部室に戻ってきた後の「僕の右手」の練習風景のペ・ドゥナの無邪気に踊る仕草はとろけるように可愛い。
後の大女優を一ヶ月も前橋のホテルで合宿させたなんて、なんて贅沢な作品なのでしょう。

0 件のコメント:
コメントを投稿