この作品は、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち
』がモチーフになっています。
この絵本について以前、大好きな部分を引用して書いたことがあります。
再度、日本語版を記します。
----------引用----------
それから
ながいあいだ
ちいさいおうちは、
おかのうえから
まわりのけしきを ながめて、しあわせに
くらしてきました。
あさになると、お日さまが のぼります。
ゆうたがには、お日さまがしずみます。きょうがすぎると、またつぎの日が きました。
けれど、きのうと きょうとは いつでも
すこしずつ ちがいました……
ただ ちいさいおうちだけは いつも おなじでした。
--------------------
(ちいさいおうち バージニア・リー・バートン文・絵 石井桃子訳 岩波書店刊)
映画・小説「小さいおうち」でも、この、
『けれど、きのうと きょうとは いつでも すこしずつ ちがいました……』
という「無常観」が描かれています。
永遠に変わらない(でほしい)と思っていたものが少しずつ少しずつ変わっていく。
その渦中にいる当事者たちにはなかなかその変化は実感できない。
だから絵や写真の中に切り取って時間を止めておきたくなるのでしょうね。
2014年5月26日月曜日
小さいおうち(日本映画と日本の小説) (二)
原作
では、タキの主人、時子は現在の夫とは再婚で、子供の恭一は前夫との間の子。
映画では家族関係がシンプルになっていてどちらも初婚、子供も実子です。
次に、タキが同性として主人の時子に恋をしていたのでは?という含みが描かれています。
これは時子の学生時代の友人睦子が時子の昔話を伝える場面でそれとなくにおわせています。
タキの時子への同性プラトニックラブについては原作の方が色濃く描かれていますが、あえてどちら(ヘテロ or ホモ)ともとれるような表現になっています。
映画でもでてくるタキが時子の足をマッサージする場面など絶妙です。
原作では再婚相手の夫と時子との間に夫婦関係がなかったとタキは推測しています。
タキは、その理由に平井からは他の人間から感じる「男」をまったく感じなかったからといいます。
このタキの直観力はいかにもヘテロセクシュアルです。
さて映画にだけあって原作にはない最大の謎が、「現在」のタキの住まいに飾られていたイタクラショージの手になる「小さいおうち」の絵です。
その価値をしらない遺族はタキの死後、ポイッと捨ててしまいます。
この絵の扱いについては本当にさらっと流しているので映画をご覧になった方でも気が付かない人もいるのではと思います。
タキはいったいあの絵を板倉からいつもらったのでしょうか?
終戦後、二人は会っていたのではないか?と思わせる演出です。この伏線が張られているので終盤、タキが号泣する場面がより効いていますね。
つづく
映画では家族関係がシンプルになっていてどちらも初婚、子供も実子です。
次に、タキが同性として主人の時子に恋をしていたのでは?という含みが描かれています。
これは時子の学生時代の友人睦子が時子の昔話を伝える場面でそれとなくにおわせています。
タキの時子への同性プラトニックラブについては原作の方が色濃く描かれていますが、あえてどちら(ヘテロ or ホモ)ともとれるような表現になっています。
映画でもでてくるタキが時子の足をマッサージする場面など絶妙です。
原作では再婚相手の夫と時子との間に夫婦関係がなかったとタキは推測しています。
タキは、その理由に平井からは他の人間から感じる「男」をまったく感じなかったからといいます。
このタキの直観力はいかにもヘテロセクシュアルです。
さて映画にだけあって原作にはない最大の謎が、「現在」のタキの住まいに飾られていたイタクラショージの手になる「小さいおうち」の絵です。
その価値をしらない遺族はタキの死後、ポイッと捨ててしまいます。
タキはいったいあの絵を板倉からいつもらったのでしょうか?
終戦後、二人は会っていたのではないか?と思わせる演出です。この伏線が張られているので終盤、タキが号泣する場面がより効いていますね。
つづく
2014年5月23日金曜日
小さいおうち(日本映画と日本の小説) (一)
昨年、深センに行ったばかりなのに、またまた先日、ひょんなことから東南アジアへ出かけることになりました。
大層不本意な仕事状況での渡航でしたのでまったく気乗りしませんでしたが機内で山田洋次監督の『小さいおうち 』を観られたのが不幸中の幸いでした。
山田作品のファンとしましては『学校Ⅳ』と並ぶ傑作です。
とても気に入ったのであとさき逆ですが原作の小説も読みました。
この二つは設定は似ていますが主人公の女中タキの振る舞いが微妙に異なっていまして別の作品といってもいいかもしれません。
でも山田シナリオのアレンジが優れているので原作者もオーケーしてくれたのでは?と思います。
この映画についてはプロの批評家から素人の方々までいろいろ書かれているので情報過多かもしれませんが、いくつかコメントを記しておきたいと思います。
以下、ネタばれですのでまだの方は読まないでください。
平井家の女中タキが主人である時子が出征する恋人、板倉正治に会いに行くのを押しとどめます。
奥様が出かけていくのではなくてこちらに出向いてもらうようにお願いする手紙をしたためてくれれば自分が板倉に届けてくると提案します。
映画と原作で共通におかれた「観客・読者」の想像にゆだねられたのが、この手紙の扱いです。
原作のタキ本人の「自叙伝」では翌日、その手紙を見た板倉が平井家を訪ねてきたと書かれているにもかかわらず、タキの死後、未開封の手紙が発見されます。
気持ち半分ですがいずれ本として出版するかもしれない文章(自叙伝)なのでタキは「嘘」を書いたとするのがあたしの解釈です。
映画では、シンプルに手紙を届けたとタキは主人に嘘を伝えていたので板倉は現れなかったという展開になっています。
余談ですが、二人の密会の情景の一部はタキが伴をしていない時もあるので自叙伝の映像表現上なかなか難しいものがありますね。
長くなったのでわけます。
大層不本意な仕事状況での渡航でしたのでまったく気乗りしませんでしたが機内で山田洋次監督の『小さいおうち 』を観られたのが不幸中の幸いでした。
山田作品のファンとしましては『学校Ⅳ』と並ぶ傑作です。
とても気に入ったのであとさき逆ですが原作の小説も読みました。
この二つは設定は似ていますが主人公の女中タキの振る舞いが微妙に異なっていまして別の作品といってもいいかもしれません。
でも山田シナリオのアレンジが優れているので原作者もオーケーしてくれたのでは?と思います。
この映画についてはプロの批評家から素人の方々までいろいろ書かれているので情報過多かもしれませんが、いくつかコメントを記しておきたいと思います。
以下、ネタばれですのでまだの方は読まないでください。
平井家の女中タキが主人である時子が出征する恋人、板倉正治に会いに行くのを押しとどめます。
奥様が出かけていくのではなくてこちらに出向いてもらうようにお願いする手紙をしたためてくれれば自分が板倉に届けてくると提案します。
映画と原作で共通におかれた「観客・読者」の想像にゆだねられたのが、この手紙の扱いです。
原作のタキ本人の「自叙伝」では翌日、その手紙を見た板倉が平井家を訪ねてきたと書かれているにもかかわらず、タキの死後、未開封の手紙が発見されます。
気持ち半分ですがいずれ本として出版するかもしれない文章(自叙伝)なのでタキは「嘘」を書いたとするのがあたしの解釈です。
映画では、シンプルに手紙を届けたとタキは主人に嘘を伝えていたので板倉は現れなかったという展開になっています。
余談ですが、二人の密会の情景の一部はタキが伴をしていない時もあるので自叙伝の映像表現上なかなか難しいものがありますね。
長くなったのでわけます。
2014年5月12日月曜日
なぜ、Kindle 日替りセールは、「啓発本」ばかりなのか?
Kindleの日替りセールは定価より格段に安くなっているので興味があるものには手が出てしまいます。
しかし、タイトルに書きましたようになぜ、日替りセールは「啓発本」ばかりなのでしょうか?
回答案1) みんな啓発本しか読まなくなったから
回答案2) 啓発本は読了後邪魔なになるのでKindle本に向いているから
Amazonで「なぜ」(笑)ではじまる本を検索してみたところ8577件がひっかかりました。
新書版サイズの「なぜ・・・」というタイトルをみかけるとまたかと思う今日この頃ですが1950年代からこのテのタイトルの本は出ているので惹句の定番なのかもしれません。
でも近年富に多くくなってると思いませんか?
で、ダメな本が多いですよね。「なぜ」かを教えてくれるのかと思って買ったら肝心の答えがないとか。たぶん、著者もイヤだったけど編集者に言われて仕方なく「なぜ・・・」をつけたのではないでしょうか。
そうかぁ。「なぜか教えて」と読者に尋ねているのか?(笑)
しかし、タイトルに書きましたようになぜ、日替りセールは「啓発本」ばかりなのでしょうか?
回答案1) みんな啓発本しか読まなくなったから
回答案2) 啓発本は読了後邪魔なになるのでKindle本に向いているから
Amazonで「なぜ」(笑)ではじまる本を検索してみたところ8577件がひっかかりました。
新書版サイズの「なぜ・・・」というタイトルをみかけるとまたかと思う今日この頃ですが1950年代からこのテのタイトルの本は出ているので惹句の定番なのかもしれません。
でも近年富に多くくなってると思いませんか?
で、ダメな本が多いですよね。「なぜ」かを教えてくれるのかと思って買ったら肝心の答えがないとか。たぶん、著者もイヤだったけど編集者に言われて仕方なく「なぜ・・・」をつけたのではないでしょうか。
そうかぁ。「なぜか教えて」と読者に尋ねているのか?(笑)
2014年3月17日月曜日
自炊の果て
自分の身辺整理の一環としての本の自炊について記していますが、当初設定した対象の本が一通り終了しました。
トータル冊数は数えていませんが、なんだか終わったら肩の荷が下りたせいかバーンアウトしてしまいました。
という段階に至りまして、前にこれとこれの本は裁断しないと決めたもののデジタイズ完了した本や資料を整理整頓する作業に移ってみたら、なんだかそれらを紙の本のまま置いておくとかえって大切にしたばかりに失われてしまうのではないだろうか?と逆に思い始めました。
ということで結局、古い本は愛着のあるなしにかかわらずデジタイズすることに決めました。
追加ですね。これまたかなりありますが気を取り直して続行です。
筒井康隆のハードカバーも。『地球空洞説』をはじめとする今は無き「大陸書房」のオカルト本の数々も、貴重な太極拳の書籍もA4版でスキャンできるものはこうなったらとことんやります。
すでにデジタイズ完了した古い本をPC上で開いてみると、それらはもう紙ではありませんが懐かしい書面が次々とよみがえって自分の小さなノートパソコンの画面に現れるんです。
紙のままだったら二度と目にすることもなかったかもしれません。
つらつら考えますに「自炊」というオタクっぽい呼び方をしているのでなんとなく後ろめたい気がしますが、要するにこれは「メディア変換」なのだと気が付きました。
映像の世界でいいますとフィルムがありインチテープがありベーカムがあり、XDCAMありと次々に生まれては消えていくメディアに対してアーカイブ映像として残すために次世代のメディアに順繰りに移し替えていきます。それは膨大な量でそのための研究や費用は莫迦にならないものですが未来に映像資産を残すために辛抱強く続けていかなければいけない重要な作業です。
家庭でもベータからVHS、DVD、ブルーレイといった感じで映像資産を継承していることとおもいます。音楽も同じですよね。レコード盤からリールテープ、カセットテープへ。MDからCDへ。CDからDVD、HDへ。
書籍を愛する人たちも映像を愛する人たち同様、メディア変換をしたっていいじゃないですか。
トータル冊数は数えていませんが、なんだか終わったら肩の荷が下りたせいかバーンアウトしてしまいました。
という段階に至りまして、前にこれとこれの本は裁断しないと決めたもののデジタイズ完了した本や資料を整理整頓する作業に移ってみたら、なんだかそれらを紙の本のまま置いておくとかえって大切にしたばかりに失われてしまうのではないだろうか?と逆に思い始めました。
ということで結局、古い本は愛着のあるなしにかかわらずデジタイズすることに決めました。
追加ですね。これまたかなりありますが気を取り直して続行です。
筒井康隆のハードカバーも。『地球空洞説』をはじめとする今は無き「大陸書房」のオカルト本の数々も、貴重な太極拳の書籍もA4版でスキャンできるものはこうなったらとことんやります。
すでにデジタイズ完了した古い本をPC上で開いてみると、それらはもう紙ではありませんが懐かしい書面が次々とよみがえって自分の小さなノートパソコンの画面に現れるんです。
紙のままだったら二度と目にすることもなかったかもしれません。
つらつら考えますに「自炊」というオタクっぽい呼び方をしているのでなんとなく後ろめたい気がしますが、要するにこれは「メディア変換」なのだと気が付きました。
映像の世界でいいますとフィルムがありインチテープがありベーカムがあり、XDCAMありと次々に生まれては消えていくメディアに対してアーカイブ映像として残すために次世代のメディアに順繰りに移し替えていきます。それは膨大な量でそのための研究や費用は莫迦にならないものですが未来に映像資産を残すために辛抱強く続けていかなければいけない重要な作業です。
家庭でもベータからVHS、DVD、ブルーレイといった感じで映像資産を継承していることとおもいます。音楽も同じですよね。レコード盤からリールテープ、カセットテープへ。MDからCDへ。CDからDVD、HDへ。
書籍を愛する人たちも映像を愛する人たち同様、メディア変換をしたっていいじゃないですか。
2014年3月14日金曜日
ブルースライブ・チャレンジ以前ナイツ
ローリングストーンズのコンサートも終わったので、ミュンヘンに行きました。(どんな生活なんだ?)
ブルースをやっているというライブハウスを探して恐る恐る。
一週間の滞在で電車には大分慣れてはいるものの行ったことがない区域だったので少し不安でした。
店は「Hide Out」という名前でたまたま木曜が定例の「ジャムセッション」の日だったというのと連日の「日本人会」(笑)に疲れたのでその夜だけ放免してもらいました。
住所を頼りに暗くなった見知らぬ街に向かいStreet Viewで確認してあった店の前につくと店の前で喫煙休憩中の小粋な男性と目があいました。
挨拶して、ここはブルースの店ですよね?と聞いたらいきなり日本語で「日本の方ですか?」と返されてビックリ。
ちょうど隣がWasabiという日本料理の店でお客で駐在員だとおっしゃっていました。
現地に長いと立ち居振る舞いがあちらの感じになるので日本人に見えなくなるんですよね。
さてブルースとロックの店というのがホームページに書いてある店の触れ込みで、木曜には毎週「ブルース」のジャムセッションデーとあります。これは勇気を出して行くしかない!
開店(8時)と同時を目指したので案の定店には客あたし一人。
割と大きな店で奥にステージ。カウンターには可愛い黒人のママ。ブルースだぞ!(リンク先は、ドイツのどこかのサイトで見つけました)
チャージは3ドル(€)の前払い。飲み物は後です。ビールが4ドル弱だったので7ドル。
この3ドルはミュージシャンに入るそうです。
しめて7ドルだから現地の感覚だと700円。東京に比べるとぐっと安いですね。(この日の換算ですとなんと円が弱くて1000円以上ですが、だとしても安い)
今、店を開けたばかりなの。演奏は9時からだけどいいかしら?と言われましたが待つことにしました。
よくわからないドイツ語のホームページにある今日のスケジュールには「バンド」が「アコースティック・ギター」の誰それって書いてありました。
うーん。アコギかぁ。珍しいなぁ。いまいちだよなぁ。でも仕方ないや~。
なかなか人が来ないのでママも「変ね~。誰も現れないなんて……」
なんて言っていたら9時前にようやく一人のお兄さんがギターを背負って登場。他の客も若者中心にバラバラと。
やおらマイクをセットしたら歌いだした。
なるほど。ホストバンド(一人だけど(笑))がまずお手本で歌うのかな?と思っていたらなんだか違う。フォークソングなんですよ(笑)
三曲やったけどみな同じような調子(ブルースも同じ調子だけど(笑))。彼は三曲やったら降りて、少し前にきていた若者(女二人、男一人)と知り合いらしく声をかけて彼らが舞台に。
なんと男がアコギギターで女が各々、バイオリンとチェロ!
女の子たちがめちゃくちゃ美しかったのでそれはそれでいいのですが・・・。
でも歌がソロギターの若者とまったく同じような感じのムーディーな曲ばかり。ギターの弾き語りです。
どうみてもブルースじゃない。しかもジャムセッションでもない。グループないしは一人で完結したバンドが交代で出演する感じ。進行役もいない。
そういえばステージにはドラムセットも無いよなぁ。
客もそこそこ入ってきて。僕の隣には黒人の中年二人と白人のおじさんの三人。少し酔ってる感じ。
そのおじさんたちはチャージの値段を知らなかったので彼らも初めての客だった模様。
他は、常連っぽい若者中心。
やがてフォークで盛り上がる中、エレキを持った優しそうな若者が登場。みんなドイツ語なので何を話しているかは雰囲気でしかわからないのですが。どうやら彼も「ジャムセッション」だと思ってきたらしいんですよ。
すでに歌い終わった三重奏たちやソロのフォークシンガーから「演んなよ」攻撃。
彼はめちゃくちゃ腰がひけちゃって「だって。ぼく歌わないし」(ヴォーカルや他の楽器といっしょに合奏したかった)
するとそれをみていた隣のおやじたちからはもうパワハラまがいの「ここにきて演んなかったら男じゃね~ぞ!!やれやれ!!やれったらやれよ(笑)。ほらほら」←多分
「な?そうだろ?」とあたしにも目で同意をうながす。
耳をすますと彼がやりたかったのはジミヘンらしい。
観念した彼は三重奏のお兄さんにしぶしぶ応援をたのんでようやくギターを持って舞台にあがってジミヘンやったんですが・・・・助っ人のギターはすごく上手なのですがでも相手はアコギのフォークソングだから。ぜんぜんジミヘンって感じにならないし調子もでない。
いやぁ。これは参ったと彼の演奏が終わったところで23時近くに。這う這うの体で引き上げました。
それにしてもハーモニカでよかった。あそこでギターを持ってたらどんな目にあってるかわかったもんじゃない。ただの音楽好きの東洋人だと思われただけで済みました。
外国のライブハウスで実演までは行けなかったのは残念ですがいい思い出になりました。
※ベルリンの話はこちら
ブルースをやっているというライブハウスを探して恐る恐る。
一週間の滞在で電車には大分慣れてはいるものの行ったことがない区域だったので少し不安でした。
店は「Hide Out」という名前でたまたま木曜が定例の「ジャムセッション」の日だったというのと連日の「日本人会」(笑)に疲れたのでその夜だけ放免してもらいました。
住所を頼りに暗くなった見知らぬ街に向かいStreet Viewで確認してあった店の前につくと店の前で喫煙休憩中の小粋な男性と目があいました。
挨拶して、ここはブルースの店ですよね?と聞いたらいきなり日本語で「日本の方ですか?」と返されてビックリ。
ちょうど隣がWasabiという日本料理の店でお客で駐在員だとおっしゃっていました。
現地に長いと立ち居振る舞いがあちらの感じになるので日本人に見えなくなるんですよね。
開店(8時)と同時を目指したので案の定店には客あたし一人。
割と大きな店で奥にステージ。カウンターには可愛い黒人のママ。ブルースだぞ!(リンク先は、ドイツのどこかのサイトで見つけました)
チャージは3ドル(€)の前払い。飲み物は後です。ビールが4ドル弱だったので7ドル。
この3ドルはミュージシャンに入るそうです。
しめて7ドルだから現地の感覚だと700円。東京に比べるとぐっと安いですね。(この日の換算ですとなんと円が弱くて1000円以上ですが、だとしても安い)
今、店を開けたばかりなの。演奏は9時からだけどいいかしら?と言われましたが待つことにしました。
よくわからないドイツ語のホームページにある今日のスケジュールには「バンド」が「アコースティック・ギター」の誰それって書いてありました。
うーん。アコギかぁ。珍しいなぁ。いまいちだよなぁ。でも仕方ないや~。
なかなか人が来ないのでママも「変ね~。誰も現れないなんて……」なんて言っていたら9時前にようやく一人のお兄さんがギターを背負って登場。他の客も若者中心にバラバラと。
やおらマイクをセットしたら歌いだした。
なるほど。ホストバンド(一人だけど(笑))がまずお手本で歌うのかな?と思っていたらなんだか違う。フォークソングなんですよ(笑)
三曲やったけどみな同じような調子(ブルースも同じ調子だけど(笑))。彼は三曲やったら降りて、少し前にきていた若者(女二人、男一人)と知り合いらしく声をかけて彼らが舞台に。
なんと男がアコギギターで女が各々、バイオリンとチェロ!
女の子たちがめちゃくちゃ美しかったのでそれはそれでいいのですが・・・。
でも歌がソロギターの若者とまったく同じような感じのムーディーな曲ばかり。ギターの弾き語りです。
どうみてもブルースじゃない。しかもジャムセッションでもない。グループないしは一人で完結したバンドが交代で出演する感じ。進行役もいない。
そういえばステージにはドラムセットも無いよなぁ。
客もそこそこ入ってきて。僕の隣には黒人の中年二人と白人のおじさんの三人。少し酔ってる感じ。
そのおじさんたちはチャージの値段を知らなかったので彼らも初めての客だった模様。
他は、常連っぽい若者中心。
やがてフォークで盛り上がる中、エレキを持った優しそうな若者が登場。みんなドイツ語なので何を話しているかは雰囲気でしかわからないのですが。どうやら彼も「ジャムセッション」だと思ってきたらしいんですよ。
すでに歌い終わった三重奏たちやソロのフォークシンガーから「演んなよ」攻撃。
彼はめちゃくちゃ腰がひけちゃって「だって。ぼく歌わないし」(ヴォーカルや他の楽器といっしょに合奏したかった)
するとそれをみていた隣のおやじたちからはもうパワハラまがいの「ここにきて演んなかったら男じゃね~ぞ!!やれやれ!!やれったらやれよ(笑)。ほらほら」←多分
「な?そうだろ?」とあたしにも目で同意をうながす。
耳をすますと彼がやりたかったのはジミヘンらしい。
観念した彼は三重奏のお兄さんにしぶしぶ応援をたのんでようやくギターを持って舞台にあがってジミヘンやったんですが・・・・助っ人のギターはすごく上手なのですがでも相手はアコギのフォークソングだから。ぜんぜんジミヘンって感じにならないし調子もでない。
いやぁ。これは参ったと彼の演奏が終わったところで23時近くに。這う這うの体で引き上げました。
それにしてもハーモニカでよかった。あそこでギターを持ってたらどんな目にあってるかわかったもんじゃない。ただの音楽好きの東洋人だと思われただけで済みました。
外国のライブハウスで実演までは行けなかったのは残念ですがいい思い出になりました。
※ベルリンの話はこちら
2014年2月28日金曜日
Rolling Stones 14 ON FIRE
性懲りもなく一人で東京ドームに行ってきました。
来日の度にでかけているのでお酉様のように習慣化している感じでしょうか。
カバー曲の"Like a Rolling Stone"や"Spider and Fly"をレパートリーに入れているくらいですから、まぁまぁの間柄です。ヒットした曲も一応一通り知っているくらい。
ミックがハープを吹くし、一応"ブルースバンド"だし。やはし、結構好きです。
チャーリー・ワッツ渋いし。
※2022/8/26追記:チャーリーR.I.P.
てなところでのこのことコンサートに行きましたが、
今回は、これまでと状況が違うことがあります。
それは、自分が音楽を聴いて楽しむだけでなく人前でも演じるようになっていること。
合わせてライブハウスに出入りするようになっていることです。
そのせいでしょうか。巨大アリーナのコンサートに満足できない身体になってしまったようです。
ストーンズには責任ありません。
小さな空間でミュージシャンを一人じめできる距離感で客のノリも含めて空間全体が音楽になっている風景。プレーヤーのアイコンタクト。客いじり。インプロヴィゼーション。
そんな世界を知ってしまうと、もう身体が戻れないようです。
ドームやアリーナだって客はノってるんですよ。でもなんか違うんですよ。
熱狂すりゃあいいってもんじゃあないだろうと思うんですよね。
ずっと立ちっぱなしってのもね。座って身体ゆすったってノッてる時はノッてるんだし、掛け声だってのべつ幕なしにかけると示しがつかないし(笑)。
えんえんと手拍子やり続けなくてもいいんじゃあないかと。
わがまま言ってもいいですよね~。
来日の度にでかけているのでお酉様のように習慣化している感じでしょうか。
カバー曲の"Like a Rolling Stone"や"Spider and Fly"をレパートリーに入れているくらいですから、まぁまぁの間柄です。ヒットした曲も一応一通り知っているくらい。
ミックがハープを吹くし、一応"ブルースバンド"だし。やはし、結構好きです。
チャーリー・ワッツ渋いし。
※2022/8/26追記:チャーリーR.I.P.
てなところでのこのことコンサートに行きましたが、
今回は、これまでと状況が違うことがあります。
それは、自分が音楽を聴いて楽しむだけでなく人前でも演じるようになっていること。
合わせてライブハウスに出入りするようになっていることです。
そのせいでしょうか。巨大アリーナのコンサートに満足できない身体になってしまったようです。
ストーンズには責任ありません。
小さな空間でミュージシャンを一人じめできる距離感で客のノリも含めて空間全体が音楽になっている風景。プレーヤーのアイコンタクト。客いじり。インプロヴィゼーション。
そんな世界を知ってしまうと、もう身体が戻れないようです。
ドームやアリーナだって客はノってるんですよ。でもなんか違うんですよ。
熱狂すりゃあいいってもんじゃあないだろうと思うんですよね。
ずっと立ちっぱなしってのもね。座って身体ゆすったってノッてる時はノッてるんだし、掛け声だってのべつ幕なしにかけると示しがつかないし(笑)。
えんえんと手拍子やり続けなくてもいいんじゃあないかと。
わがまま言ってもいいですよね~。
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