前回、「トランスベスタイト」(transvestite)という言葉をはじめて学んだということを書きましたけど、「学びて時に之を習う」ってことで映画や本で、われわれは日々、いろいろなことを学べますな。
「イン・ハー・シューズ(In Her Shoes)」(2005年公開)では、ディスレクシア(Dyslexia)という単語を知りました。
「インハー…」は、見ている人も多いでしょうから簡単に書きますと、ディスレクシアとは「識字障害」のことだそうで、そのディスレクシア(が、原因というわけではないが)で、だらだらとした破滅型の生活をしていた主人公(キャメロン・ディアス)が、疎遠になっていた祖母(シャーリー・マクレーン)の元を訪れて自己実現をする。
といった内容で、祖母が働いている施設にいる元大学の先生が、自分は目が悪いので「詩」を代わりに読んでくれとディアスに頼むんですな―――そこから、道が開ける。
映画のクライマックスは、ディアスが姉の結婚式で、詩を朗読をするところ。
詩の作者は、e.e.cummings。詩のタイトルは、”i carry your heart with me”。
この人の詩は、改行やインデントの切れ目が独特で、実に読みにくい―――詩集を見るとレイアウトが非常にグラフィカル。
その読みにくい詩を、読むのが苦手という設定のディアスに読ませるというところが味噌。そこが女優。うまいんだ、これが、実に。
で、このシーンをちょっと見たくなって検索すると、あるわあるわ―――そりゃね、これらはみんな”いけない”動画くんたちですが、あそこってどんなだったっけ?とか、あの詩って誰の?とか、朗読の仕方は?なんてときには、実にネットはありがたい。
このシーンをよく見ると、彼女が朗読している向こう側にゆるいフォーカスで彼女の父親が写っている。朗読をはじめたときの彼の驚きの表情がまた良い―――なんて書くとまたみんな動画サイトを利用しちゃうんですよね。
cummingsは、1962年没。+50年してみると、彼の詩は、まだパブリック・ドメインにはなっておらず、このブログに引用するわけにはいかない―――なんて書くと、またまたみんな検索で利用しちゃうんですよね。
2009年12月27日日曜日
エド・ウッド行(ぎょう)~グレンとグレンダ~
”くだらね~”というのは関根勤の最大の褒め言葉だそうです。
くだらないといえば、 「死霊の盆踊り」。これに勝るものは存在しませんな。(ただし「(邦画)デビルマン」をのぞく)
エド・ウッドの映画は、「鑑賞」というよりは、「苦行」、「修練」に近いですな。全作品を見続けることで、悟りがえられるといったような。
ま、白状しますと、「…盆踊り」は、「各踊り」の度に、早送りするというマニアから言わせると邪道に陥ってしまいましたが。
ジョニー・デップ主演の「エド・ウッド」をあらかじめ見ておくとシーン毎に楽しめ(?)ますが、あたしは、「グレンとグレンダ」でいろいろ勉強させていただきました。
トランスベスタイト(transvestite)という単語もはじめて知ったし、途中で挿入される意味不明(深)なSM風のシーンとBGMとして流れる、マザーグースの歌「Puppy Dog Tail」の引用に、それはそれは感銘を受けました。
なぜ女装をするのか?少しわかったような気がしました。
以下、ご存知ない方々に、「Puppy Dog Tails」を引用しておきます。「グレンとグレンダ」と合わせて生命の不思議を味わってください―――エドに言わせると、なにが、シュガー&スパイスだってところでしょう。
----------
Puppy Dog Tails
What are little boys made of?
"Snips and snails, and puppy dog tails
That's what little boys are made of!
What are little girls made of?
"Sugar and spice and all things nice
That's what little girls are made of!"
----------
くだらないといえば、 「死霊の盆踊り」。これに勝るものは存在しませんな。(ただし「(邦画)デビルマン」をのぞく)
エド・ウッドの映画は、「鑑賞」というよりは、「苦行」、「修練」に近いですな。全作品を見続けることで、悟りがえられるといったような。
ま、白状しますと、「…盆踊り」は、「各踊り」の度に、早送りするというマニアから言わせると邪道に陥ってしまいましたが。
ジョニー・デップ主演の「エド・ウッド」をあらかじめ見ておくとシーン毎に楽しめ(?)ますが、あたしは、「グレンとグレンダ」でいろいろ勉強させていただきました。
トランスベスタイト(transvestite)という単語もはじめて知ったし、途中で挿入される意味不明(深)なSM風のシーンとBGMとして流れる、マザーグースの歌「Puppy Dog Tail」の引用に、それはそれは感銘を受けました。
なぜ女装をするのか?少しわかったような気がしました。
以下、ご存知ない方々に、「Puppy Dog Tails」を引用しておきます。「グレンとグレンダ」と合わせて生命の不思議を味わってください―――エドに言わせると、なにが、シュガー&スパイスだってところでしょう。
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Puppy Dog Tails
What are little boys made of?
"Snips and snails, and puppy dog tails
That's what little boys are made of!
What are little girls made of?
"Sugar and spice and all things nice
That's what little girls are made of!"
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2008年12月25日木曜日
シュレッド・ネック
ある日。いつでもどこでもギターが弾けないだろうか?と思いまして。(ちなみに、あたしは弾けません)
うーん。でも、リコーダー(縦笛)と違って、ギターはでかいよなぁ。(リコーダーも吹けない(笑))
で、知人たちに聞いてみたところ、そりゃお前「ぞーさんだよぞーさん。小さいぞ」なんて薦められるのですが、エレキギターは一度も触ったことがないし。
(オートバイに30年乗っていたけど、一度もオフロードを操縦したことがないので、似た性向か?)
もっと小さいのはないのか?と検索してみると、あるわあるわ。
マーチンが変な格好のアコースティックギター「バックパッカー」を出しているし、ネックだけでできている製品「ミニスター」もあるし。
うーん。でも、リコーダー(縦笛)と違って、ギターはでかいよなぁ。(リコーダーも吹けない(笑))
で、知人たちに聞いてみたところ、そりゃお前「ぞーさんだよぞーさん。小さいぞ」なんて薦められるのですが、エレキギターは一度も触ったことがないし。
(オートバイに30年乗っていたけど、一度もオフロードを操縦したことがないので、似た性向か?)
もっと小さいのはないのか?と検索してみると、あるわあるわ。
マーチンが変な格好のアコースティックギター「バックパッカー」を出しているし、ネックだけでできている製品「ミニスター」もあるし。
うーん。ネックだけのは凄いデザインだな。まるでナナフシ(虫)じゃないか。
でも、長いよな。だってネックだもん。
[検索]「ギター ネックだけ」
とやったら、あった!
「ギターのネックを”ちょん切った”」製品。
―――人が想像するものは、必ず実現される。と孔子が云っていますが(ウソ)、たまげた。
この製品、「シュレッド・ネック(Shred Neck)」は、こんな形になっています。(下図)
でも、長いよな。だってネックだもん。
じゃぁ、今度はこれで調べたらどうだ?ってんで
[検索]「ギター ネックだけ」
とやったら、あった!
「ギターのネックを”ちょん切った”」製品。
―――人が想像するものは、必ず実現される。と孔子が云っていますが(ウソ)、たまげた。
この製品、「シュレッド・ネック(Shred Neck)」は、こんな形になっています。(下図)
説明を見ると、音は出なくて、要するに運指(でいいのかな?)や、つまびき運動の練習用に開発されたものだそうです。
インターネットが無かったら、こんな馬鹿げた商品を生涯知ることなかったなぁと、いまさらながら感謝。
インターネットが無かったら、こんな馬鹿げた商品を生涯知ることなかったなぁと、いまさらながら感謝。
えぇ、もちろん買いましたとも。
(疑問)”シュレッド”って単語ですが、あたしは、「徹夜」をするっていう意味だと思っていました。(ただしスペルは不明)
スケートボードなんかで使ってますね。「すべり屋」みたいな意味で。こちらの業界(ギター)でのシュレッドってなんなんだろう?

スケートボードなんかで使ってますね。「すべり屋」みたいな意味で。こちらの業界(ギター)でのシュレッドってなんなんだろう?
2007年11月3日土曜日
預言者
96年頃。
「カトリックの間で大ブーム(?)になっている本があるぞ!」と人に言われて手にしたのが、表題のカリール・ジブラン著『預言者 The Prophet』。
アマゾンが日本で商売をはじめて以来、時折検索してもかかってこなかったので普通の本屋では扱わないマニア本なのだろうと思っていましたが、今日引いたら「ポケット版」ということで昨年出版されたものが手に入るようになったようです。
全編ロマンチックな詩篇になっていて、流れ者の宗教者と町の人々との出会いと別れというお話になっています。
※後日談:ナサニエル・ホーソンの緋文字によく似ています。
それはさておきあたしが持っているのは、90年4月23日の版。
装丁、大きさとも可愛くて本というよりも宝物といった風情です。
足利学校でみやげ本として売られている「論語」と同じ大きさなのもグッド。
カトリックといえば、あたしが「至高体験」を経験した教会での話。
そこでファティマの奇跡(1917年に起きた)を記念してモニュメントを立てられました。
ファティマの予言を体験した当時三人の子供のうち、最後の人「シスター・ルチア」が2005年に亡くなったので建立したそうです。
さて、ファティマ予言といえば、五島勉の怪しげな本 が有名ですが、五島本が出たときには、「三番目の秘密」は非公開だった上、すでに明らかになっていた先の二つの秘密がことごとく歴史を言い当てていた(みたいにこじつけてあった)ので、オカルトマニアは第三の秘密の内容をめぐって怪しげな憶測をめぐらせていたものです。
時はたち、1981年。
狙撃事件を契機に教皇ヨハネ・パウロ・二世が、内容を公開したのを受け教皇庁から出版されたのが、『ファティマ第三の秘密-教皇庁発表によるファティマ「第三の秘密」に関する最終公文書』です。かっこいい!
出版社は、カトリック中央協議会。
先の教会の購買部?にお願いすれば手に入るのだろうけれど、本気で信心する気だと思われるのも困るのでアマゾンで探してみました。
ところが、扱っていません。(現在は手に入るようです)
Googleってみるとクロネコヤマトが通販を扱っていました。でも、非SSLではないか!今どき。(長閑な時代でした。注:2026/1/6)これでは恐ろしくて買えない。
ヤマトの通販へのリンクが設けられているページをよく見ると、とある教会のホームページでした。
場所は潮見とあり、直接そこに行けば買えることが判明しました。
好奇心が勝ち、あたしは単身、カトリック中央協議会まででかけました。
巨大なホールの向こうに中庭のような空間があり、尼さんがしずしずと歩いています。
それにしても、なんで潮見なのだろう?
本は、薄いパンフレット状のもので、さくさくっと読めます。
わかったようなわからないような。これも「預言者」に似て内容もさることながら、所有していることに意味があるグッズ系の書籍です。
そういえば、昔、The Catholic University of Americaという大学の寮に数ヶ月暮らしていたことがあります。
アメリカには珍しいカトリックの大学でワシントンD.C.という場所柄、同地カトリックの総本山だと聞きました。
寮を使わせてもらっていただけで大学そのものとは関係はありませんでしたが週末に本堂で催される教会音楽の演奏会は忘れられません。
(初出:2006年01月28日)
「カトリックの間で大ブーム(?)になっている本があるぞ!」と人に言われて手にしたのが、表題のカリール・ジブラン著『預言者 The Prophet』。
アマゾンが日本で商売をはじめて以来、時折検索してもかかってこなかったので普通の本屋では扱わないマニア本なのだろうと思っていましたが、今日引いたら「ポケット版」ということで昨年出版されたものが手に入るようになったようです。
全編ロマンチックな詩篇になっていて、流れ者の宗教者と町の人々との出会いと別れというお話になっています。
※後日談:ナサニエル・ホーソンの緋文字によく似ています。
それはさておきあたしが持っているのは、90年4月23日の版。
装丁、大きさとも可愛くて本というよりも宝物といった風情です。
足利学校でみやげ本として売られている「論語」と同じ大きさなのもグッド。
カトリックといえば、あたしが「至高体験」を経験した教会での話。
そこでファティマの奇跡(1917年に起きた)を記念してモニュメントを立てられました。
ファティマの予言を体験した当時三人の子供のうち、最後の人「シスター・ルチア」が2005年に亡くなったので建立したそうです。
さて、ファティマ予言といえば、五島勉の怪しげな本 が有名ですが、五島本が出たときには、「三番目の秘密」は非公開だった上、すでに明らかになっていた先の二つの秘密がことごとく歴史を言い当てていた(みたいにこじつけてあった)ので、オカルトマニアは第三の秘密の内容をめぐって怪しげな憶測をめぐらせていたものです。
時はたち、1981年。
狙撃事件を契機に教皇ヨハネ・パウロ・二世が、内容を公開したのを受け教皇庁から出版されたのが、『ファティマ第三の秘密-教皇庁発表によるファティマ「第三の秘密」に関する最終公文書』です。かっこいい!
出版社は、カトリック中央協議会。
先の教会の購買部?にお願いすれば手に入るのだろうけれど、本気で信心する気だと思われるのも困るのでアマゾンで探してみました。
ところが、扱っていません。(現在は手に入るようです)
Googleってみるとクロネコヤマトが通販を扱っていました。でも、非SSLではないか!今どき。(長閑な時代でした。注:2026/1/6)これでは恐ろしくて買えない。
ヤマトの通販へのリンクが設けられているページをよく見ると、とある教会のホームページでした。
場所は潮見とあり、直接そこに行けば買えることが判明しました。
好奇心が勝ち、あたしは単身、カトリック中央協議会まででかけました。
巨大なホールの向こうに中庭のような空間があり、尼さんがしずしずと歩いています。
それにしても、なんで潮見なのだろう?
本は、薄いパンフレット状のもので、さくさくっと読めます。
わかったようなわからないような。これも「預言者」に似て内容もさることながら、所有していることに意味があるグッズ系の書籍です。
そういえば、昔、The Catholic University of Americaという大学の寮に数ヶ月暮らしていたことがあります。
アメリカには珍しいカトリックの大学でワシントンD.C.という場所柄、同地カトリックの総本山だと聞きました。
寮を使わせてもらっていただけで大学そのものとは関係はありませんでしたが週末に本堂で催される教会音楽の演奏会は忘れられません。
(初出:2006年01月28日)
2007年11月1日木曜日
災害カンパ
トトロ事件より前のことです。
Mというアルバイトがいました。隣の職場だし彼が具体的にどのような仕事をしているのかは知りませんでしたが、毎日顔を合わせるので挨拶と軽口程度はかわす仲でした。
ある日のこと、こんな噂を耳にしました。
「なんか。M君、住んでいたアパートが浸水したとこかで住むところなくなっちゃったらしいですよ」
浸水とは、おだやかではありません。
いったいどのような地域に暮らしていたのでしょうか。
やがて彼は職場に寝泊りするようになりました。
さすがに管理部もまずいと思ったのでしょう住居が定まるまでいったん田舎に帰るように指導したようです。
Mが帰省してすぐ後。
「みなさぁん」職場に響き渡る明るい声。中堅社員のTさんが、大き目の封筒をもって歩き回っています。
みれば封筒に紙がはってあって傍目にはゴルフコンペの投票袋(昔の話です。ダメですよ、やっちゃ(笑))のように見えます。
何事かとたずねますってぇと、「Mが気の毒なので、住宅手当がわりのカンパを募ってるんだ」とのこと。ひと口いくらとは書いていないが、管理職クラスは結構大きな額を入れていたようです。
お前もどうだ?と言われましたが、なぜかちょっとひっかかるものを感じたので「あ。あぁ。あたしは後ほどぉ」とか言ってその場をスルーすることにしました。
職場の事故で犠牲者が出ると会社が公式に育英資金のようなものを募ることがあります。
そんな時には面識のない人であっても、みなが少しずつカンパをする慣習となっているので、その時も別に金を出すのが惜しかったわけではありません。
Tさんてば、やけに朗らかだし、唐突だなぁと思ったのです。
数ヵ月後。
「ちょっと。つかさん。(あたしのことです)」と隣の職場の人間。
「なんですか?」
「つかさん、まさかMの浸水カンパしました?」
「カンパって。えーと。あのぉTさんが集めていた?」
「そうそう。そのT(呼び捨て)」
「ちょっとね。なんか気がのらなくて出さなかったんですよ」
「そりゃ。よかった」
「え?どうして?」
「あの金ね。かなりの額になったらしいけど、Mには一文もわたってないよ」
ゲ!……や、やはり。
Tさんの借金癖、踏み倒し歴は、社内の一部では伝説になっています。
あたしがカンパに応じなかったのは友人のKが新入社員時代に100万円踏み倒されているのを知っていたからなのです。(返済をいまだ言い出せないKは、本当に気が弱い。実は、このK。あなたが日本人なら、必ず知っている人物です(笑))
落ち着き先がきまったMが職場に復帰し、だれかが例のカンパのことをMに聞いたらしいのです。
さだめし「あの金、役にたったかい?」てな具合だったのでしょう。
するとMが「え?なんのことっすか?」と来たのでしょう。
それから、さては!!となったわけですが、そこはそれ社内でも評判のTさんである。責められることもなく、いまだにのうのうと暮らしています。
そんなTさん。やはり、ある平日、子供を職場につれてきました。
会社で大評判の人物でも子供がくれば、そこは子供で父親です。
そしてそんな人ほど、平日、職場に子供つれてきたりするわけだ。これが。
(初出:2005年11月04日)
Mというアルバイトがいました。隣の職場だし彼が具体的にどのような仕事をしているのかは知りませんでしたが、毎日顔を合わせるので挨拶と軽口程度はかわす仲でした。
ある日のこと、こんな噂を耳にしました。
「なんか。M君、住んでいたアパートが浸水したとこかで住むところなくなっちゃったらしいですよ」
浸水とは、おだやかではありません。
いったいどのような地域に暮らしていたのでしょうか。
やがて彼は職場に寝泊りするようになりました。
さすがに管理部もまずいと思ったのでしょう住居が定まるまでいったん田舎に帰るように指導したようです。
Mが帰省してすぐ後。
「みなさぁん」職場に響き渡る明るい声。中堅社員のTさんが、大き目の封筒をもって歩き回っています。
みれば封筒に紙がはってあって傍目にはゴルフコンペの投票袋(昔の話です。ダメですよ、やっちゃ(笑))のように見えます。
何事かとたずねますってぇと、「Mが気の毒なので、住宅手当がわりのカンパを募ってるんだ」とのこと。ひと口いくらとは書いていないが、管理職クラスは結構大きな額を入れていたようです。
お前もどうだ?と言われましたが、なぜかちょっとひっかかるものを感じたので「あ。あぁ。あたしは後ほどぉ」とか言ってその場をスルーすることにしました。
職場の事故で犠牲者が出ると会社が公式に育英資金のようなものを募ることがあります。
そんな時には面識のない人であっても、みなが少しずつカンパをする慣習となっているので、その時も別に金を出すのが惜しかったわけではありません。
Tさんてば、やけに朗らかだし、唐突だなぁと思ったのです。
数ヵ月後。
「ちょっと。つかさん。(あたしのことです)」と隣の職場の人間。
「なんですか?」
「つかさん、まさかMの浸水カンパしました?」
「カンパって。えーと。あのぉTさんが集めていた?」
「そうそう。そのT(呼び捨て)」
「ちょっとね。なんか気がのらなくて出さなかったんですよ」
「そりゃ。よかった」
「え?どうして?」
「あの金ね。かなりの額になったらしいけど、Mには一文もわたってないよ」
ゲ!……や、やはり。
Tさんの借金癖、踏み倒し歴は、社内の一部では伝説になっています。
あたしがカンパに応じなかったのは友人のKが新入社員時代に100万円踏み倒されているのを知っていたからなのです。(返済をいまだ言い出せないKは、本当に気が弱い。実は、このK。あなたが日本人なら、必ず知っている人物です(笑))
落ち着き先がきまったMが職場に復帰し、だれかが例のカンパのことをMに聞いたらしいのです。
さだめし「あの金、役にたったかい?」てな具合だったのでしょう。
するとMが「え?なんのことっすか?」と来たのでしょう。
それから、さては!!となったわけですが、そこはそれ社内でも評判のTさんである。責められることもなく、いまだにのうのうと暮らしています。
そんなTさん。やはり、ある平日、子供を職場につれてきました。
会社で大評判の人物でも子供がくれば、そこは子供で父親です。
そしてそんな人ほど、平日、職場に子供つれてきたりするわけだ。これが。
(初出:2005年11月04日)
2007年10月31日水曜日
トトロのうた ~着メロ非情~
数年前のこと。
隣の席の同僚が置きっぱなしにしていた携帯から軽やかな着メロが流れ出しました。
”おじさん”にしては似つかわしくない音楽なので、「Hさん。やけにかわいい曲ですねぇ」
と話しかけると、うれしそうににっこり。
「”となりのトトロ”の歌なんですよ。いやぁ。うちの子供が大好きでね」
あたしだって、”となりのトトロ”がアニメであるかぐらいは知っていましたが映像は見たことがありませんでした。
だからもちろんテーマソングも知りません。
だってトトロ(だと思えるパッケージについている)のキャラクターが可愛くないんだもの。特に目が笑ってないし(笑)
ある日、家族が会社の近所に来たのでしょう、職場に彼のせがれが登場しました。
たぶん、3,4才。まさにトトロに夢中になる世代。
さて。
実は、彼はちょっとばかり経費を使うので名をはせていました。悪評ですな。
いかにも高そうな寿司屋やレストランから支払い催促の電話が来ることも多く、不在がちな本人のかわりに上司や同僚たちがフォローしていました。
そんな職場で大評判の人物でも子供がくれば、そこは子供であり、父親です。
子供は何も知りません。
そしてそんな人ほど、平日、職場に子供つれてきたりするんだな、これが。
ある日、用事があってあたしは家族と代官山にでかけました。
ジャンクフードの昼飯を済ませてから豪華そうなペットショップの前を通りかかりました。
するとガラス越しにイヌのシャンプー待ちをしている男性と目があったのです。
それが彼でしたた。ガラス越しだったので会話はしませんでしたが、家に帰って名簿を見てみると確かに彼の自宅は代官山でした。
日を追うごとに高級料理店からの催促電話が増えてきました。
そして、ついにその日がきたのです。彼がお縄を頂戴したのです。
詳細は伏せますが半端な事件ではありませんでした。(週刊誌に掲載されたくらいです)
そして時は経ち、あたしも年貢の納め時、ついにトトロのアニメを見るはめになりました。
そしてテーマを聞く度に、「金と暴力」のイメージが想起されてしまうのです。プア、トトロ。
(初出:2005年11月03日)
隣の席の同僚が置きっぱなしにしていた携帯から軽やかな着メロが流れ出しました。
”おじさん”にしては似つかわしくない音楽なので、「Hさん。やけにかわいい曲ですねぇ」
と話しかけると、うれしそうににっこり。
「”となりのトトロ”の歌なんですよ。いやぁ。うちの子供が大好きでね」
あたしだって、”となりのトトロ”がアニメであるかぐらいは知っていましたが映像は見たことがありませんでした。
だからもちろんテーマソングも知りません。
だってトトロ(だと思えるパッケージについている)のキャラクターが可愛くないんだもの。特に目が笑ってないし(笑)
ある日、家族が会社の近所に来たのでしょう、職場に彼のせがれが登場しました。
たぶん、3,4才。まさにトトロに夢中になる世代。
さて。
実は、彼はちょっとばかり経費を使うので名をはせていました。悪評ですな。
いかにも高そうな寿司屋やレストランから支払い催促の電話が来ることも多く、不在がちな本人のかわりに上司や同僚たちがフォローしていました。
そんな職場で大評判の人物でも子供がくれば、そこは子供であり、父親です。
子供は何も知りません。
そしてそんな人ほど、平日、職場に子供つれてきたりするんだな、これが。
ある日、用事があってあたしは家族と代官山にでかけました。
ジャンクフードの昼飯を済ませてから豪華そうなペットショップの前を通りかかりました。
するとガラス越しにイヌのシャンプー待ちをしている男性と目があったのです。
それが彼でしたた。ガラス越しだったので会話はしませんでしたが、家に帰って名簿を見てみると確かに彼の自宅は代官山でした。
日を追うごとに高級料理店からの催促電話が増えてきました。
そして、ついにその日がきたのです。彼がお縄を頂戴したのです。
詳細は伏せますが半端な事件ではありませんでした。(週刊誌に掲載されたくらいです)
そして時は経ち、あたしも年貢の納め時、ついにトトロのアニメを見るはめになりました。
そしてテーマを聞く度に、「金と暴力」のイメージが想起されてしまうのです。プア、トトロ。
(初出:2005年11月03日)
2007年10月28日日曜日
豊島園の駄ラーメン屋
目白の駅前に、行列のできるラーメン屋があります。
子供の時分、よく行ったものです。その店で、おやつにラーメンを食べながら友達が言い出しました。
「豊島園」にもっと旨いラーメンの店があるんだ。行かないか?
小学生が二人でラーメン屋にいるのも、可笑しいですが、こいつらがグルメ会話をしているのも莫迦でしょ?
彼に連れられていきましたよ、はるばる。
倉庫を改造したような作りの店で、カウンターだけ。しかも、客は、子供ばかり。
カウンター越しに、オヤジがいて、背には、下駄箱のような棚があります。
(浅草ペリカンのパン棚を思い出してください。といってわかる筈もなし)
ようするに白木っぽい棚にギッシリと。ギッシリと袋から取り出した「明星ラーメン」がつまっております。
店でインスタントラーメンを「料理」して出してるだけなんですよ。
でも、忘れられないんだなぁ、これが。
なんて噺をタクシーの中でしていたら、運転手さんが、その店、「えびや」ってんでしょ?私も行ったことありますよ。
と、きました。
運転手さんも聞いていて我慢できなくなったのでしょう。
あたしとしても別に彼に聞かせようとして話していたわけでもないけど。
これも縁だと思って記しておきます。
子供の時分、よく行ったものです。その店で、おやつにラーメンを食べながら友達が言い出しました。
「豊島園」にもっと旨いラーメンの店があるんだ。行かないか?
小学生が二人でラーメン屋にいるのも、可笑しいですが、こいつらがグルメ会話をしているのも莫迦でしょ?
彼に連れられていきましたよ、はるばる。
倉庫を改造したような作りの店で、カウンターだけ。しかも、客は、子供ばかり。
カウンター越しに、オヤジがいて、背には、下駄箱のような棚があります。
(浅草ペリカンのパン棚を思い出してください。といってわかる筈もなし)
ようするに白木っぽい棚にギッシリと。ギッシリと袋から取り出した「明星ラーメン」がつまっております。
店でインスタントラーメンを「料理」して出してるだけなんですよ。
でも、忘れられないんだなぁ、これが。
なんて噺をタクシーの中でしていたら、運転手さんが、その店、「えびや」ってんでしょ?私も行ったことありますよ。
と、きました。
運転手さんも聞いていて我慢できなくなったのでしょう。
あたしとしても別に彼に聞かせようとして話していたわけでもないけど。
これも縁だと思って記しておきます。
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