海外出張の際、通常のオタクですと、外国まであらゆるガジェット類を持っていってブログやらtwitterやら発信しつづけるところですが、最近はそれだけのガッツがないような気がします。
以前はあったのです。昔、マルチメディア(死語)のCD-ROMタイトルを制作していた頃、フランスの作品をローカライズする企画をやってました。
その一環で一度だけフランスに行きました。95年です。
原制作者にお礼のあいさつと、現地で行われているコンベンションで売れそうなタイトルがあれば契約まで持っていくといったような目的でした。
同行してくれた上司が、元フランス支社の人間ということもありまして通常の出張とはまったく違った濃さというか本当にディープなフランスを教えてもらいました。
それはさておき―――当時は、「ダイアルアップ」接続時代でした。
フランスまで持っていったマシンは、確かMacintosh PowerBook 170。
どうしても「繋ぎたい!プラグインしたい。ワイヤーしたい!
(当時、カプラーを持っていたのですが、この時はあいにく持参せず)
というので、打ち合わせ相手の会社へお邪魔したとき。先方のエンジニアに頼み込んで、フランスの電話ジャック接続用のプラグを譲ってもらいました。(ずうずうしいことに何種類かあるので全種類もらいました)
次に、ホテルに戻ってから従業員のお兄さんに相談して、一緒に電話工事をしたのです!
それにしても親切でした。フランスが好きになっちゃいました。
本当は、そこまでして繋げる用事なんてないんですよ。本当は。帰国後でいいの。
(追記:今でいう歩きながらスマホみなけりゃいけない用事なんてないのと同じですな。2024/05/24)
先週、ひょんなことから携帯からWiFiガジェットやらiPadやらKindleやらすべてのネット用がジェットを家に忘れてきた日があります。
実質上、生活に支障はまったくありませんでした。全部持ってないのでいっそ心は秋晴れのように爽やかでした。
しかも、休憩時間に小説を読みました。「正しい」感じがしたものです。
余談ですが、フランス訪問の際、上司と一緒に同行した仲間がもう一人いました。こいつはイギリス人でして。
上司と別行程が道中ありまして彼と二人で南仏に向かったのです。
車中、彼がぽつりと「わし。フランス人になりたいんや」
その数年後、彼がトランスヴェスタイトであることをカミングアウトしたことを知りました。いろいろな人生です。