以下、YouTubeに公開されている動画と、あたしの拙い翻訳です。
●ジュディ・ウッドルフ(PBSメインキャスター)
今、これをご覧になってる人の中には家族や友達と過ごす夏休みの計画を立ててる方々もいると思います。
でも、もうひとつのアイデア、もしかするともっといい休暇の過ごし方があるかもしれません。
一人旅の話です。
今夜は、ニューヨークタイムズの旅行記事担当、ステファニー・ローゼンブルームが目的地に着くことより大切なことについて「私の素朴な意見」を話します。
●ステファニー・ローゼンブルーム
私の仕事は旅行記者です。
私の職業を知ると誰もが、自分が旅したい場所について話を始めます。
「そうね、ポルトガルかローマに行きたいわ。でも一緒に行ってくれる人がいないの」
私のこたえ? 「だから? 一人で行けばいいじゃない」
昔、編集長が私を一人で一年間、パリの探訪に行けと命じたの。
たった一人。家から遠く離れて、とてもゆっくりできたわ。
同行者とおしゃべりする必要もないし、付き合う必要もない。だから一人でどっぷりと毎日素晴らしいことに気がつくことができた。ルクセンブルク・ガーデンの緑色の椅子に木漏れ日が差し込むところ、カフェの軒先の日よけに落ちる雨の音とか。
私はいろいろ素敵なものに集中できた。だって誰にも邪魔されないから。
誰も私を急かさないからバルザックの家の近くにあった静かな道でのんびりできた。
一人で出かけなさい。そうすればあなただけが興味を持っていることに接する自由があるんだから。自分のペースで自分のセンスを磨くことができる。好きな美術やデザインの店を探したり、見知らぬ場所を発見したり新しい趣味や冒険のヒントを見つけることができるかもしれないし。ひょっとしたら残りの人生の過ごし方が決まるかもしれない。
一人。これまでの殻から出られる。昔、東京の茶室でお茶を体験した日みたいに自分を見直せる。
秋の午後、フィレンツェの丘に登って生きてることを実感できる。
これからどう生きていくかを考えることができる。他の人が周りにいたらできない体験。
でも、あなたはこう思ってるかもしれない。
「そうね。いいかもしれない・・・でも寂しいでしょ?」
そう、私たちは寂しさからは逃れられない。いつだって寂しさは訪れてくる。
たとえ親しい人たちに囲まれたパーティーにいる時だって寂しくなることはあるから。
それに、もし人と会うのが好きなら、なおさら休暇は一人でとった方がいい。あなたが一人でいるときの方が、見知らぬ人々は話しかけやすいから。それに今は、現地の人たちや旅人たちと親しくなれるチャンスがたくさんある。
料理教室、見学ツアー、ウェブのサービス。
もうひとつ言いたいことがあるの。
もしあなたが女性だったら一人で旅ができるってことはすごいことだってこと。
私たちの先輩の女性たちが長い時間をかけて勝ち取った権利だから。
私の故郷、ニューヨークでは長年、女性には旅行もそうだし一人で散歩したり食事をする権利がなかったんだから。
私が一人で行動するとき、これまで数えきれないほどの女性たちが努力してくれたおかげでできるようになったんだって思う。
だから、誰か友達がアレンジしてくれたり予定を組んでくれるのを待つのではなく自分の人生を楽しんで。
いますぐ航空チケットを買って。ホテルを予約して。
一人で旅に出よう。
●ジュディー・ウッドラフ
ステファン・ローゼンブルーム、素敵なアドバイスありがとう。
家ですごく休暇でも同じことがいえるわね。
(続く)