2017年3月30日木曜日

ビューティーボイストレーナー

『カラオケビューティーボイストレーナー』って商品がありまして。
このブログでは明かしていませんでしたが買ってたことを告白します。

2007年の6月です。

記録をみると、ボイトレ本などを買って練習するようになったのは2012年からですから、それよりも大分以前から自分の声について気にしていたのだな~というのがわかります。

そもそも「カラオケ」については今もさほど好きではなく、お酒を飲んでも行くこともありません。

ブルースハープをやるようになった流れで歌を唄うのが好きになってきましたが、そのハーモニカを始めたのが2009年の11月。
それよりも2年も前に「ビューティーボイストレーナー」を買っていたことになります。

たしか、この頃からマイコプラズマ~咳喘息に悩まされていて自分の声の通らなさに悩んでいまして、それで購入したのだと思います。

当時、購入した後、少しだけ使ったのですが習慣化せずに、それから10年近く放置してきたことになります。

最近、ふと思い出して再度使い始めてみたところ効果が凄くて自分でもびっくりしましてブログに書くことにしました。一段と、喉が開いて、声が太く、深くなります。

購入時は歌の趣味がなかったので、声対策としては、この道具しかなかったのですが、その後、独学~レッスンと曲がりなりにも5年の基礎練習を続けてきていたところにもってきて喉の開きがこの道具で相乗効果が表れたのではないかと推測しています。

値段はそれなりにするし、見た目も怪しげな大人のおもちゃみたいな感じだし、咥えている自分の姿は、南極1号のようですが、意外といけますよ。

2017年3月23日木曜日

Paul Butterfield - Blues Harmonica Master Class

教本は、これまでも結構買い込んでいるのですが、最近、にわかにブルース・ハープ教本の再ブームになっています。

どうせ買っても、そんなにやりこむわけでもなし、宝の持ち腐れになるのが落ちなのですが、アマゾンの「ほしいものリスト」に入れておくぐらいならバチにあたらないだろうってんで、ここ数日、洋書ものをせっせとリストに加えています。

そんな中、これまで存在に気がつかなかったのが表題のポール・バターフィールドの教本です。

いろいろ曲を練習している中、なんだかんだいってあたしはポールの演奏が好きなんだなっていうのを最近、実感しているのもあり、この本については実際に買おう!なんてムラムラとなってきました。

本国、AMAZON.COMの方に寄せられているレビューなんぞをつらつら眺めている内に、ふと画面の上部に目をやりますってえと。

あんたは2011年の10月にこの本を購入済みです」というメッセージが!!

ところが、あたしには、この本を買った記憶がまったくありません。
大臣の国会答弁のようです。

Jon Gindick's
COMの購買記録を見ると、Jon Gindickの『Rock n' Blues Harmonica』という教本と合わせて確かに買っていることになっています。

こちらの本は、確かに記憶にあります。Jon Gindickは、Adam Gussowの動画で知ったブルース・セッションの「合宿」を運営している方でどんな教本なんだろうと興味を惹かれて購入したのです。
でも、ポールの方は記憶にない。

もしかしてポールの本を注文していたのにすっかり忘れてGindickの本に意識が行ってしまい本が到着していないのに気がつかなかったとか???

・・・とか、悩んでいる内に、もやもやと脳裏に、Gindickの本と一緒にもう一冊あったかもというイメージが蘇ってきました。
・・・だからあながち大臣たちの記憶から抜け落ちているのも責められないのかもとかバカなことを考えてしまいました。

本棚をくまなく探したらありました。数ある教本の間に。しかも付属のCDの封もあけていない状態で。
だから大人買いってダメなんですよね。

ショックを受けました。・・・・って自分の記憶のなさ度に。
しかもポール・バターフィールドですぜ。相手は。

さっそく6年前に買った本のCDを聴いてみましたとも。

ポールの声でね。なんか素朴な英語で。「僕が育ったシカゴで聴いたプレーヤーたちに影響受けた。たとえば、リトル・ウォルターの流れる(fluid)ようなサウンド。サニー・ボーイ・ウィリアムスンの元気(stark)で固い(hard)演奏、ジュニア・パーカーのスムーズでリラックス、だらっとした感じ、彼は僕のお気に入りの一人です」とか言って実際にマネしてくれるんですよ。

しかもですよ。歌うんですよ。彼が。歌の指導までちょこっと教えてくれます。
歌付きのブルース・ハープ教本なんてありませんぜ。こんなステキな本をなんと6年以上も放置していたなんて。

チャーリー・マッコイの教本も本人の語りがあって嬉しい限りですが、この教本もそんな持ってて楽しい一冊です。・・・忘れてたくせに。

それで練習してうまくなるかって話も別です(笑)

2017年3月4日土曜日

『ブルース~複製時代のフォークロア~』(2)

タイトルの本について、しつこいですが、もう一稿アップしておこうと思いまして。

ブルースの歌詞が、込み入った三角関係、ないし四角関係(本人と関係がこじれてしまった恋人、その新しい相手、そして本人の新しい相手)を扱うものが多いという話があります。(P131)
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彼らの相互の関係は、複雑なだけでなく、前の恋人の介入に典型的に見られるごとく、流動的である。
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著者の文体は、大げさで学術的な言い回しをしようとするあまり不必要に難解な感じを受けます。翻訳しますと、
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彼らの関係は込み入っていて、現在の相手に裏切られた腹いせにいったん別れた恋人とよりを戻したりする。
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こうした内容はポピュラー・ソングの歌詞にはあまり見られないとして、こう分析しています。
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そうした(込み入った)関係があまり現れないのは、その恋愛のモデルが10代の恋愛にあって、しかもその恋愛の延長(ゴール)に結婚を想定したイデオロギーが内包されているからではあるまいか。
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恋愛が成就する=結婚する(ずっと一緒に幸せに暮らす)というシンプルでおめでたい発想はブルースの世界にはないということですね。続いて、こうあります。
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(ブルースの)恋唄は、性愛と金銭への言及を喪失するとともに、恋愛という複雑な(緊張関係をともなう)人間の関係をドラマ化する手立てを幾分か失ってしまったのであろう。
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これは私見ですが、恋愛のゴールを結婚ではなく「別れ」とした方がグっと深みが増しますな。恋愛の延長上に結婚をおいた場合、その先に待ち受ける日常というものが待ち構えているわけですから離別の方が「思い出」としての恋愛が記憶に残りますので恋愛の一つのゴールは離別かもしれません。

ブルースがそれのさらに上手を行っている凄みは、結婚した先の日常の中から新たな恋愛やトラブルまで含めて歌にしているところでして。今、あたしが述べたようなロマンチックな思い出に浸っているヒマなどありません。
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ブルースの恋人たちは、何よりもまず大人であり、彼らの間では結婚と恋愛を結びつけるイデオロギーもまた希薄である。(中略)ブルースの<喩の恋人>たちの唄には大胆な性愛と笑いの表現があり、<概念の恋人>たちの唄には関係に対する繊細なまなざしがあるのだが、これらのどの唄にも生活の臭いなるものがとうしようもなくたち込めている。
日常性にどっぷりつかっていながら、これを超越しようとする唄、これがブルースの恋唄である。(P132)
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