遠くの相手にすぐに伝わることだろうか?ハッキングだろうか?
そのどちらの特徴をあますことなく伝えた普及の名著が『カッコウはコンピュータに卵を産む(上・下)』(1991)です。
私も、自分の教え子たちに真っ先に薦めるのが「カッコウ……」でした。
超一級のハッカーである著者が、世界中のネット管理者と連携して、犯罪者を追い詰める。文中登場するUNIXの世界も魅力的でした。インターネットとは、UNIXの世界なのだとこの本で知りました。だから、MS-DOSが、いくら外側に皮をかぶっても所詮はMS。
それはさておき、あのインターネット礼賛者のストールが、『インターネットはからっぽの洞窟』(1997)なんて本を著すとは夢にも思いませんでした。
そして、彼が同著をひっさげて久しぶりにマスコミに登場したときには、ストールも焼きが回ったのかも、と疑ったものです。
そして、10年が経ちました。
至った結論は、ストールの言った通りでした。インターネットがもたらす恩恵は、インフラ以上でも以下でもない。教育上は、何もメリットがない。ネットに時間を費やすくらいなら、直接、相手に向かい合ったほうがいい。
そう言うお前こそ、ネットを使って日記(ブログ)を利用しているではないか?
といわれそうですが、こうして自分の考えを記しているのは、手帳と同じ気分です。
手帳は、他人に見せるものではない。と反論もあるかもしれませんが。
人に見せることが前提の手帳や日記(の方が、人に読まれることを想定していそうですが)の役割は、人との交流ではなくて「同質者の開拓」だと思っています。
小さな小さなフィルターバブルですな。
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