「音の連なり―――弦の調べがさ、心をふるわせるのは、美しいことだと思わないか。どこで生まれたとか、どんな生き物だとか、そんなことがすべて音の中に消え去り、聞いているものが皆、同じ音に心をふるわせる。―――あの瞬間、おれは光をみるんだ」
これは、小説『獣の奏者』の登場する吟遊詩人が戦の予感がする時代にいて恋人に音楽のすばらしさを伝える場面です。
この歳まで生きてきて、どうやら言葉を話していても人は理解しあえない、また科学や技術、暮らしぶりがどんなに豊かになっても人は、大昔からまったく「進歩」していないように思えてきました。(追記:今から10年前にもう予兆を感じていたのですね。2024/05/23)
そんなダメダメな人類ですが、この吟遊詩人ロランが語るように音楽を通せば共通の喜びを味わえることができる感じがしています。
ハーモニカを始めて足掛け三年。まだ初心者の分際ですが、生まれてはじめて楽器を操って音を奏でる楽しみを味わうことができて日々「救われて」います。
周囲の人間や超現実的な家人にはこれまで一言も漏らしたことがありませんが、この5年間、仕事面は、動機付けゼロでした(笑)。手は抜いてませんけどね。
傍目には、好きな分野で、それなりのポジションで満足の行く仕事をしていたのだろうと思われていたと思いますが、楽しくやってるフリをしていただけですので、ま、仮面職場ってんですか。(贅沢を言ってるのは百も承知ですが)
特に、この三年間は、酷いものです。そんな中、ハーモニカに出会えてほんとに良かったと思います。特にワーマージャーマーを演奏するとスカっとして気分一新、ま、なんとかなるさ、という気持ちになれます。
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