2025年6月13日金曜日

ペ・ドゥナ病に罹患

 韓国の連続ドラマ『秘密の森』を見てから俳優のペ・ドウナの大ファンになりました。

これまで特定の作家のファンや作品、ミュージシャンを気に入ることがあっても、芸能人の熱烈なファンになるという経験がありませんでした。

早い話がペ・ドゥナに恋してしまったのです。
とはいえ、彼女のファンがみな口を揃えて言うように、彼女の場合、不思議なことに”邪な”妄想(笑)が生じません。ただ純粋に好きなだけです。

演技力の凄さに。見た目の可愛いさと美しさに。

例えば、彼女の初期の出演作『プライベートレッスン 青い体験』は、青春ドラマとは言え一種のアダルト作品です。ペ・ドゥナの裸やセックスの場面を見せられますが、なぜか心に思うのはナムオク(ペ・ドゥナ)に幸せになってほしいという気持ちになってしまうのは、エロス作品にペ・ドゥナを起用した製作者の失策でしょう(笑)

彼女の可愛さを一番よく伝えてくれているのが『空気人形』の是枝裕和監督と『リンダリンダリンダ』の山下敦弘監督のお二人の対談です。

是枝「普段も可愛いですからね。みんな好きになると思うよ、本当に(笑)。現場にいたおじさんからおばさんからおじいちゃんから子どもまで、みんな嘘偽りなくペ・ドゥナのファンという感じ。僕もですけど。面白いし、本当にチャーミングなんですよ。」

山下「可愛いですよね(笑)。」

(ユリイカ2009年10月臨時増刊号 総特集=ペ・ドゥナ 『空気人形』を生きて、対談 是枝裕和 山下敦弘『ペ・ドゥナ、おそるべき女優魂』より)

このあと、山下監督が『リンダリンダリンダ』を撮り終わってから夢にペ・ドゥナたちが出てきてからというものドキドキして以前のようにペ・ドゥナに接することができなくなってしまうというエピソードが続きます。

映画監督など製作者たちにしか見られない「普段の可愛いペ・ドゥナ」を見たいと思っていたところ、YouTubeに『私の少女』のメイキング映像がありました。

差し入れを配っている様子にペ・ドゥナの人柄がうかがえます。

ペ・ドゥナにお菓子もらいたい(笑)


2024年9月6日金曜日

お神輿の不思議

多くの人が、若い頃「こっくりさん」をやられたことがあると思います。
あたしは、学生時代にサークルの合宿で初めて体験しました。

手書きの文字盤の上に10円玉を置き、数人が人差し指をその上におきます。
呼び出し方が「得意」な先輩が何人かいてリーダーをやってくれました。
中でもある先輩が上手で、短時間に呼び出すことができました。

あたしが初体験で驚いたのは、10円玉の動き方です。
それまで本などで知っていただけなので、さささっと動くのかな?と想像していたのに実際は、ググっと猛烈に強い力で動きます。
あらがおうと思っていても4人の指は10円玉の上にちょこっと乗っているだけですから、あっという間にもっていかれます。

リーダーが意図的に動かそうとしていたとしても10円玉の表面積が狭く皆と同じような指の乗せ方しかできないので、あのように強い動きはコントロールできません。
ズルっ、ググっと直線的に迷いなく動きます。

そこで本題ですが、お神輿の動きが「こっくりさん」とそっくりだなと思っています。
大人数でかついでいるので個人の思惑では動かすことができず、宮入りだからといってまっすぐお宮に向かわずに、突然あらぬ方向にググっと動く力が働いて人々が引っ張られます。
周囲の見物客も注意していないと突然の流れに巻き込まれガードレールと神輿に身体を挟まれ骨折、救急車なんてこともあります。

あれはいったいどんな現象なのでしょうか?

余談ですが、前述の呼び出し上手の先輩というのは、多くの日本人がよくご存じの有名人です。彼が呼び出していたお相手というのは、彼の背後霊?守護神?のような存在だそうで名前もまるで日本の八百万の神々の一人のような名称でした。(メモしておけばよかった)
そして質問に対する回答が、ユーモアにあふれ、なんともほのぼのしたこっくりさんでした。
彼のその後の大成功には、この存在の加勢があったのかもしれません。

2024年8月30日金曜日

古代への情熱

知人と話していて、彼女がやたらと恐竜に詳しいことを知りました。
セクシャルバイアスと言われればそれまでですが、ごく一般的な主婦がアロサウルスとティラノザウルスの生きていた時代が違うことを知っているというのが面白くて理由を尋ねたところ子供の頃に持っていた恐竜図鑑を暗記するほど繰り返し読んでいたそうです。

さらに聞けば、なにか「失われたもの」に惹かれるそうで宮城県美術館で昨年開催されていた「ポンペイ展」も見たそうです。

そこで久しぶりに思い出したのが、「古代への情熱」。シュリーマン自伝です。
とっくに”自炊”してしまった蔵書を調べてみたら、岩波書店版(村田 数之亮訳)、昭和29年発行の初版でした。

といっても私が手に入れたのは神田の古書店だったので手に入れた当初も相当日に焼けていました。私がシュリーマンについて知ったのは遅くて高校生の時でした。
SF作家の半村良が『石の血脈』で泉鏡花賞を取ったというので、さっそく読んでみたところプロットに登場して興味をもち原著を読んでみようと手に入れたものです。

今回、上記の知り合いに薦めてみようと手に入れたのは、角川ソフィア文庫版(池内 紀訳)の物で、岩波版に比べると表記も新しく途中の訳者によるコラムと解説も楽しく読めました。
実に30年ぶりに読んだことになります。

ただし、周藤芳幸氏による「文庫版」解説は、シュリーマン自伝の「真実」に関する補足という感じで夢をもちたい人々には興ざめかもしれないと思います。

解説の言っていることは知っておかねばならない事実ですし、どのようなハッピーなエピソードに対しても冷笑的な態度で臨むネット民の嗜好には合うかもしれません。
ちなみに『石の血脈』においてもシュリーマンは盗掘家として扱われていました。

2024年8月20日火曜日

コメントすいません

 コンテンツ整理にかまけていてInspirationについての記事にコメントをいくつかいただいていたのに気が付かずにすいませんでした。ちょっとだけ追記をしました。

2024年5月27日月曜日

インターネットは、どんな洞窟?

大分前、2010年のことです。職場内を歩いていたら久々に、K君に会いました。
K君は、あたしの元スタッフでネットのことについてはエキスパートといってもよい人物です。

あたし「なんか、最近、あまりつぶやいてないね?」
とすれ違いざまに声をかけたところ、その日の午後、こんなことをつぶやいてました。
(当時は、あたしもtwitterに目を通していたのです)

(K君のつぶやき) 最近つぶやいていないね、と指摘を受けた。一日に処理できる情報量にはやはり限りがあり、ツイッターやニュースなどを追っていると、インプットが過剰で、脳が疲れてしまう気がした

来たねと思いました。この人、若かったんですよ。

こんなもの(twitterやらfacebookやら、ゲームやら)やってたら、いずれBurn Outするにきまってんだから。
同じ日の夕方に、今度は、つきあいのあるS社長が職場に来ていました。

ひとしきり宇宙人の話などした後、SNS関連の話題になったのですが、奇しくも前述のKさんと同じく、

なんだか、疲れちゃって。リアルな世界との仕事が増えたし(投稿するの)ここんところやめてます。

ときた。S社長は、K君より更に若いのです。

どの店にチェックインしたとか、誰かが食べた西洋料理やワインの写真がアップされている姿を見ているとクリフォード・ストールの名著「インターネットはからっぽの洞窟」がついつい想起されちゃいます。
もしも紙の本がなくなるとすると、家の子供はこっそり大人の本を書棚から出して読めなくなっちゃうし。

こんなときに、ぼ~~~っとテレビを見るとホっとしますな。やはり。

(初出: 2010-12-08 14:36:39)

この時点から10年が経ちました。

「アラブの春」があった当時は、ちょうどSNSとマスメディアの転換点でした。

この時点まで、かろうじてネットの情報は、マスメディアが報じない真実を伝えている状況でしたが、2010年を境にSNS情報はまったくアテにならなくなっていきます。

マスメディアの情報は偏りや間違い、ニュースバリューによる選別や勝手に忖度して報じたり報じない場合はあるかもしれませんが、SNSのように意図的に虚偽や悪意ある情報が大量に流通することはありません。

SNSやAIのせいであらゆる情報が泥のように濁ってしまいました。

2024年5月15日水曜日

カルロス・カスタネダ関連の投稿

本ブログで大きな割合を占めていた「カルロス・カスタネダ」関係の記事を棚卸しをしまして別のコンテンツに引越しをしました。
タイトルは『gait of power』(「力の足どり」)としました。

今回は、知人のサーバーをお借りしてシステムをWordPressにしました。
ほぼ元の記事のままですが、誤植・リンク切れなど体裁を直してあります。
また、元原稿では揶揄した調子の文体が多すぎたなと思いましたので少しトーンを抑えて書き直しました。
元原稿にはまだまだ推敲や校正の足りない部分があるので新サイトにおいても少しずつ見直しを進めています。

国内では、2000年代に入ってから従来、ニューエイジ、精神世界などと呼ばれていたものが「スピリチュアル系」という呼び名が一般的になり動画コンテンツを中心に「スピ系」と呼ばれるなど、より多くの「一般の人々」に浸透しています。

そしてコロナ禍に入ると、「スピ系」コンテンツに傾倒していた人たちは、不安にかられて簡単な答えが得られる陰謀デマ系の世界に逃げこんでいきました。
あたしも、長年の親友がコロナ禍でネット情報漬けになり当時活発になったカルト系の政治活動に陥った結果、断腸の思いで交友を断つことにしました。

アップした多数のカスタネダ関係の記事の中でも、カスタネダを妄信して活動に加わり、カルトに救いと居場所を求めた人々の狂気・末路が紹介されているAmy Wallaceの『呪術師の弟子:カルロス・カスタネダとの人生』は、愛する人や自らがカルトに染まらないための予防に役立つと思います。
みなさんの参考になれば幸いです。

2023年2月2日木曜日

Judy Woodruff (ジュディ・ウッドラフ/ジュウディ・ウッドロゥフ)

 かつてのルームメイトのガールフレンドは、あたしたちと同じアパートの下の部屋で暮らしていました。
しかし、あたしがルームメイトの部屋に転がり込んでから1年ほどで二人は破局、彼女はアパートを引き払い、彼の傷心旅行に付き合わされたりしました。

二人がまだ愛し合っていたころ、彼女が夏休みに実家(どこだったのだろう?)に帰ることになりました。留学生のあたしは、ホグワーツの冬休みのハリーと同じで帰るところもないので彼女が飼っていたガラムという名前のキジトラ(アメリカだけにたぶんアメリカンショートヘア)の餌やりを頼まれました。

彼女の名前がJudyで、発音をカタカナで記すと「ジュディ」、ウにアクセントがありデフォルメすると「ジューディ」に聞こえます。

表題の「ジュディ・ウッドラフ」は、PBSニュースの名物キャスターです。
日本語版のウィキには、「ジュディ・ウッドラフ」とありますが、実際には上記のように「ジュウディ」で苗字も「ウッドラフ」ではなく「ウッドロウゥフ」に聞こえます。

相変わらずくどい文章ですが、そこが勝手ブログの自由なところ。
大好きだった、ジュウディが2022年末についにキャスターを卒業しました。
そのお別れの挨拶が最高に素晴らしかったのでご紹介します。

このビデオが流れるのは本番まで知らなかったときまり悪そうな表情ですが、かつての同僚、今は亡きグウェン・イフィルのこと、一緒に働いて来た仲間たち、PBSを信頼してついてきてくれた視聴者たちへの惜しみない感謝のことばがよどみなく続きます。

2020年の大統領選が終わってからの彼女のスピーチも素晴らしかったですが、今回の挨拶も素晴らしい言葉の数々にフェイク情報にズタズタにされた今の世界の分断に思いがいたり涙が出てしまいました。

番組終了後のスタッフたちの暖かい拍手。失われつつある、かつてのアメリカがここにある。