2017年1月31日火曜日

Amy(41) 20 日曜教室(1/2)

カルロスが新しく「日曜クラス」を立ち上げた。
私も呼ばれ、クラスは2年間続いた。

カルロスは、絆として女性たちに安物のアクセサリーを贈った。
私には琥珀をくれた。

私は、日曜クラスを任された。
みんなカルロスの気紛れにふりまわされていた。

年寄りや、名が売れたクリエーター系の証拠ですな。
あたしも、そうした面々の案件に振り回されてケツをふかされたことがあります。

日曜クラスのメンバーと友情で結ばれた。

Richard Jenningsとはお昼を食べた。私に嫉妬しているAliceがカルロスにそのことを言いつけた。(格下の弟子と交際してはいけないというルールを破ったというのだ)

弟子たちは、カルロスと私の関係をみんなが知っていってカルロスへの渡りをつけてほしがった。
10代のメンバーのJoeyは両親との絆を切るかどうか聞いてほしいと頼んできた。

日曜クラスのメンバーでカルロスに金色のボールをプレゼントした。
カルロスは大喜びして大切にし、ベッドサイドにおいた。

日曜クラスでカルロスは、二時間講義をした。

いつもみんなに超常的な現象を見せると約束した。

屋敷で飼っている半猫・半ウサギをつれてくるとか、タイシャが第二の注意力から連れ帰った足のない100ポンドの鳩だとか。

鳩をSimonの車に詰め込んだが、日曜クラスのメンバーには刺激が強すぎるからとやめたとか言った。

本に書いていない呪術のコツを話した。

例えば、親とハグするときは正面からはエネルギーを吸い取られるのでダメだそうだ。
歩道のひびわれから生えているパイナップル草という雑草をバターと混ぜて胸にぬると気持ちが落ち着くとか。

気持ちがふさぎこんだときにはアリを食べろ!とか。

フロリンダは、ベッドの向きにもうるさかった。西には向けてはいけないとわかった。
カルロスは、北は、死の方角だと言った。

カルロスは、東洋の宗教にも興味があったので北枕についても当然知っていたでしょう。

鏡にはカバーをかけなければならないとか。

生徒はみな従ったが、私は従わなかった。フロリンダも理屈をいって鏡を使い続けた。使った。
カルロスは西洋占星術をバカにしていた。自分たちの占星術があるのだと言っていた。

カルロスはお気に入りの生徒のRichardに占星法を教えた。
Richardは、それをコンピュータソフトウェアにした。彼のウェブサイト「サステインド・アクション」で公開されている。

なるほど!!この人が開設したサイトだったのですね!!
このサイトが運営しているコミュニティの情報はとても参考になります。例のトカゲの呪術のネタの際にも参考にさせてもらいました。

Richardとはいまもいい友達だ。彼は魔女の著書にひかれてグループに入ってきた。

女性がローズマリーの風呂に入れないときは、熱いお湯でアソコを洗う、しかしビデは絶対に使うな。からだのバランスが崩れると言われた。

フロリンダは女性だけの集まりのときは、下着をつけないように言っていた。
表に出て足をひらいて風にファックさせるようにいった。

2017年1月30日月曜日

Amy(40) 19 ワークショップ通いで変身する(2/2)

その夜、カルロスは、わたしのラストネームで悩み始めた。なにかアイリッシュっぽいのがいいと言っていた。(スタートレックのキャラクターのような名前だけはいやだった)Claudeが考えて、その日からElfとなった。

セミナーで書籍を売るコーナーのマネージャーを任された。
週末、アリゾナで催されたワークショップではフロリンダのエネルギーガードを任された。
(なんだ?それ?)

その年の最後のワークショップは、カルロスがAstridの何か発言に腹をたて、つるし上げた事件で酷いことになった。

彼女は、もっとも忠実なChacmoolだったのに。
私は、その現場にいなかったが、友人のJeannieと彼女の夫がいたので後から教えてくれた。

その後、Chacmoolが再編成され、The Energy Trackersという名前に改名された。
Astridが「Ellis、わたし死にたい」といった。

メキシコ、バルセロナ、アルゼンチン、イタリア、そしてドイツでワークショップが催された。これら一連のワークショップにカスタネダは同行しなかった。

1996年、Oaklandで講演をしたのち、彼は非常に具合が悪くなってしまったのだ。
彼はもう北方には旅ができないといってCleargreenのメキシコ支部、VerdeClaroを設立した。

私の次の仕事は本を書くことだった。
彼は私が不可知論者として躾けられているにもかかわらず、自分がJewishだと思っているといっていた。

カルロスは大学院時代に読んだが失われてしまった論文について語っていた。それは、Jewishの元は、クリスチャンとまじりあったものだというものだった。選ばれた民などではないとのことだった。

彼はこれが証明できれば悲惨なAmy Wallaceを壊すことができると信じていた。

すぐれたJewish の学者、Raphael Pataiを見つけた。彼はこのテーマに通じていた。ニューヨークの電話帳に連絡先がのっていたので連絡をして相談にのってもらった。
この仕事は困難だ。記録はナチによって破壊されてしまったからだといった。
この本にとりかかった。小説も書いていた。
フロリンダにはフィクションを書くことを勧められた。

ジューイッシュとそれにまつわるアメリカの文化に関しては表面的なことしか知りませんので上記の訳についてはご容赦ください。

2017年1月29日日曜日

Amy(39) 19 ワークショップ通いで変身する(1/2)

こんなにひどいめにあっているのに、自分のお金を費やしてあらゆるセミナーやワークショップに出かけた。コロラド、ハワイにまで行った。

あの時、カルロスが見抜けないとわかっていれば、常用の薬についてはウソをつけばよかった。
後でわかったが、他の参加者たちだってみな昔は薬を使っていたのだ。

だが、当時はカルロスを100%信じないのかと言われ責められウソをつくなんて思いもしなかった。

私はついに開き直って、メンバーと口をきくのをやめたし、ドレスアップも完璧にした。
ついにフロリンダが私にも挨拶をするようになった。

カルロスから連絡があって、ついに私が嫉妬の心を克服したといってくれて舞い上がった。

1994年にロスに引っ越した。

カルロスとの仲は復活し、ふたたび愛し合うようになった。
彼は私だけが恋人だと言ってくれた。

ClaudeがDorothyの新しい呪術名を教えてくれた。
Beulah Puckett。

当時、Candiceという9歳のメキシコ人のおんなのこがメンバーにいた。
Beulahは、Candiceを自分の娘だと言っていた。

ある日、カルロスが涙を浮かべてCandiceがメキシコの祖父母のもとに戻ることになったと発表した。

ところが翌日、Candiceがみなの前にあらわれ小さな声で「自由」(要するにカルロスたちと残るということ)を選ぶことにした。みんなに心配をかけてすいませんでしたという挨拶をした。
それは、まるで大人が作った原稿を読んでいるような感じだった。

日本でも家族がカルトから家族を取り戻そうとする事件がありますよね。
このケースは、家族の力が及ばなかったということです。

ワークショップの最終日、Beverly Hills のレストランで打ち上げがあった。
Florindaはスペイン語が必要なメンバーがいるテーブルに。
カルロスのテーブル。Muniのテーブル。Claudeのテーブル。

自分の名前の席がないのでうろうろしていると、カルロスにClaudeのテーブルにあるEllisという名前のところに案内された。

テーブルのみんなが私を見ていた。
Calude、Muni、Guido、Zuna、BeulahそしてCandice。
感動した。

Claudeが選んでくれた名前だった。仲間に入ることを望んではいたが、新しい名前をつけることによって自分のアイデンティティが消滅することを恐れる気持ちが生じた。
だが、めでたい席だしということで不安な気持ちを押しやった。

食事のあと、あの冷たいTarinaからも抱きしめられた。

2017年1月28日土曜日

Amy(38) 18 真実に抗う者(2/2)

メキシコへの飛行機ではプエルトリコ人の女性、Soniaが、ボーイフレンドのRamonと並んで座っていた。あいさつをしただけなのに感じが悪く、席を移ってしまった。

まさかこの女がのちに、Cleargreenの社長になるとは想像もしなかった。

ホテルについてもGuidoをのぞいてみんな正装していて、私は、無視されていた。

セミナーでは、Muniが気味の悪い詩を読んだ。神に苦難を望む詩だ。参加者でありがたく思わなかったのは私だけのようだった。

Tiffanyは詩人になりたいと言っていて、観光バスの中では、いつもリップクリームを塗っていた。

フロリンダも含めだれもが私を避けていた。
誰も口をきこうとしなかった中、Tony Karamだけが親切だった。

カルロスは、はじめMuniがM.D.(Doctor of Medicine)だといっていたが嘘だと後からわかった。
彼女は、輪廻転生について語った。人と人はビーズのカーテンのようなものでつながっていると言っていた。
Muni自身は、The Death Defierという謎の存在とつながっているといっていた。

Amyが、後にカルロスに輪廻について尋ねた話がありますが割愛します。

移動先で、フロリンダと同じバンに乗ろうとしたら、だめだと怒鳴られた。

Tonyが声をかけてくれたので彼の車に移った。
フロリンダがTiffanyを呼んでこれみよがしに仲良くした。

Muniとカルロスの関係を疑ったとき、カルロスは、兄妹みたいなものだ、と言っていた。
この後、いくつかのエピソードを割愛します。
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Muniとカルロスの話。彼女とDeath Defierの関わりの説明。Phoenix Bookstoreで再会した話。Death Defierの名前(Xoxonapo)とXoxonapoの詩の話、など。
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三人のChacmools(Astrid、Poona、Zuna)が参加者をグループに分けてthe Death Defierの名前を囁いて催眠状態にさせた。Guidoだけが痙攣も起こした。
残りのメンバーにも後で行うと言っていたが結局しなかった。

ちなみに、このセミナーが開かれたTulaは、ピラミッドのある町です。

TulaSite117.JPG

セミナーでは、このような催眠をずっとやってきていて、グループメンバーは感動してが抱き合って泣いているが、醒めている様子の私が距離をおいているとFlorindaに罵られた。
(私のような例外は他にもいる。後に破門されるアルゼンチンの哲学者。Tiffany、Tonyなどの例外はある。Tonyは自分から辞めた)

突然、Guidoが寄ってきて抱きしめてくれた。
その時、Guidoが、メンバーと分かれるようなジェスチャーをした。

バンに戻るときZunaが優しい言葉をかけてくれ抱きしめてくれた。Zunaはこれまでも親切だった。
この二人の優しさを忘れない。

FlorindaとMuni、SimonとGuidoは先に帰った。

翌日、Chacmoolsたちが「呪術師の寛容」についてワークショップをひらいた。

あまりにも心が乱れていたのでTaishaに話を聞いてもらった。
Amyが自分がナワールの女だと思っているのがいけないのだと言われた。
Tiffanyと練習をしろ。彼女はAmyの後釜だとイヤミを言われた。

ロスに戻ったときFlorindaとMuniが皆を出迎えにきたが私だけは抱きしめいこなかった。

(Amyが、カルロスを独り占めにしている女だという)ゴシップは魔術よりも強いと思った。

2017年1月27日金曜日

Amy(37) 18 真実に抗う者(1/2)

この章は、原題が「The Truth-Defier」となっています。これは、カルロスの著書に出てくる「The Death Defier」(死に抗う者)のもじりになっています。

The Death Defierは、不死身の呪術師のような不気味な存在で、カルロスが創作したキャラクターです。

追記2017/02/02)下記コメントいただきました。上記は、あたしの私見、解釈です。書き方が独断的で申し訳ありませんでした。

あたしは、ここまで読んだり見てきた材料より、第一巻の『教え』と第二巻『リアリティ』の二冊と、もしかすると第三巻『旅』の一部が実在したドン・ファン(たち)との体験に基づいた内容が盛り込まれていて、四巻目以降の作品は、残念ですがカルロスの創作であると結論づけました。
The Death Defierが架空の存在であるというのは、そんなあたしの決めつけです。

カルロスは、自分は、参加しないが、私にメキシコのワークショップに参加するようにいった。

自分のファッションでしくじりたくないのでフロリンダに相談したらカジュアルでいいと言われた。
行ってみると、みんながフォーマルで白い眼でみられた。
スーツケースも場違いで浮いていた。

このあたり、完全なイジメですな。

ワークショップが行われたのはカルロスの本では呪術師の魔法の町として知られている(カルロスがドン・ファンとよく会った)Tulaだった。

そんな話ありましたっけ?確かにTulaに寄ったあと、ドン・ファンに会いにいった話はありますが・・・。

以前会ったことがある元モデルのTiffanyという女性がいた。軽薄そうだったが、彼女は注目の的だった。特に、カルロスのエージェントのRick Fostermanが目をつけていた。

Rickは新しい名前をもらっていた。Simon McKrindle。同様に彼の友達のHorowitzもだった。彼は、Guido Manfredだった。

これってタイシャの本に出てくる、犬の名前じゃないですか。

2017年1月26日木曜日

Amy(36) 17 私立探偵を雇う

私が自殺をしようとしたことをフロリンダにほのめかしたら、彼女は、彼らの気を引こう、あるいは自殺によって彼らを責めようとしてると言われたが、彼女は間違っている。

私の動機はただひとつ。痛みを止めたかっただけだ。

父親のIrvingが死にかけているまさにその時に、恋人に裏切られて、そもそもそのころから絶望に見舞われていたのでProzacなどの薬に頼っていたのだ。

(だから、カルロスたちとの出会いが救いでもあったのだ)

私はカルロスにとらわれていた。

友人たちは、カルロスが”典型的な女たらし”だといったが、耳を貸さなかった。
私が世界を救う人間である彼の命を(薬の常用により)危険にさらしてしまったと思い込んでいたのだ。

いい友人たちを持っていますよね。それにしてもカルトは怖いです。

気持ちがだんだん好戦的になってきて自分が夢中になっていることに対する真実を知りたくなってきた。

私は、いわゆるストーカーではないつもりだ。だが、知り合いに有能な私立探偵を雇うことを考えてしまった。だが、雇うだけの金銭的余裕がなかった。

この下り、本文の説明が少しわかりずらいですが、要するにカルロスの連絡先、居場所を知りたかったということです。

電話帳に驚いたことにあの有名なデミル(このサイトでもたびたび名前が出てきているカスタネダ批判で有名な学者)の連絡先があった。

彼に連絡がついて「カルロスが女たらしだという話を聞いたことがあるか?」と尋ねたら、聞いたことがないと答えた。彼は私の連絡に最初は警戒していたが、質問がカルロスおたくたちとは変わっていたのですぐに打ち解けた。

次に、Simon and Schuster(カスタネダの本の出版社)の(私の父親のIrvingとカルロスの担当だった)Michael Kordaに連絡をした。

(カルロスとこの会社との経緯に関するエピソードがありますが割愛します)(Amy149)

後に、彼が、ある企画をめぐってS & Sを去ったと聞いた。
S & S を去った本当の理由を後年たずねたが彼は答えてくれなかった。

Kordaにデミルと同じ質問の手紙を出したが、答えは「ぼくはカルロスについては一切話さない」という返事だった。

行き止まりになった。

思い余って私立探偵のAlexに相談したら本人が直接担当してくれた上に、料金もディスカウントしてくれた。

彼の写真がないのが致命的だった。
レストランへの聞き込みでは成果があがらなかった。
最後の手段で、タイシャの本名で電話登録を調べて出てきた電話番号がどんぴしゃだった。

カルロスが受けた。

どうしてこの電話を知ったのかはしつこく聞かれず、カルロスは「予兆」とみなしてくれた。のちに、この件でLA(カスタネダ邸)側では恐ろしい内部調査(誰かが漏らしたと思われていた)が行われたことを知った。

短い時間のデートをLAまで飛んで飛行場のホテルでセックスをして、とんぼがえりした。
その後、カルロスから電話があり許しと贖いのチャンスのため招待してくれるということになった。

2017年1月25日水曜日

Amy(35) 16 悲劇

その後、フロリンダがとりなす形で連絡をしてきてカルロスがAmyに電話をいれはじめた。

カルロスはAmyにロスまで飛んできて空港のホテルで愛し合おうといった。

いきなり、それだけが目的ですか・・・

当時、Amyは、精神安定剤や抗鬱剤、睡眠薬などの薬を常用していた。

セックスの後、カルロスは、Amyが飲んでいる薬について尋ね、Prozac(頭痛薬)を飲んでいることを知ったとたん、気が狂ったように怒り狂ってバークレーに送り返された。

こうした健康状態が遠因で、Amyが後に58歳の若さでこの世を去ってしまったのだと思います。

フロリンダに相談の連絡をすると逆に罵られた。

ナワールに毒性のある身体でセックスしたせいで、最後のナワールを殺してしまうかもしれないというのだ。

タイシャもMuniに連絡しても二人ともすげなかった。

Amyはショックのあまり、自殺寸前まで追い込まれた。
(バークレーの親友、Richardが気分転換に連れて行ってくれた場所に崖があり飛び降りそうになった)

数年後、自殺まで思いつめたことをムニMuniに打ち明けたら、「彼はわたしたちの誰もが彼を殺そうとしているといって責めるの。誰にだってそうなの。大したことじゃないわ」と言った。

カルロスたちは電話番号を頻繁に変えるので連絡がつかなくなってしまった。

持ち上げては、貶めて、次第次第に精神的に縛りつけていく、これがカルトの洗脳テクニックなのでしょう。

2017年1月24日火曜日

Amy(34) 15 猫と別れウェイトレスになる。そして「無限」(異次元)をしくじる(2/2)

カルロスにはこうした辛い修業が気に入っていると嘘をついたがペットも思い出の品もなくなった家のクローゼットにこもって「反復」をしているのは本当にさみしかった。

写真を見ながら出会った人々との「反復」をすべて終わって「エネルギー」がきれいになったと思ったのでカルロスに連絡をしたらフロリンダに写真を送るように言われた。

実は、写真の中にはとても恥ずかしい自分のヌード写真がたくさんあった。
ゲイの女友達が撮影してくれたものだった。

カルロスの何百万人もの読者が信じたように、反復の結果、自由への扉が開かれると信じていたのだ。

カルロスを信じた証として今回は写真を入れた封筒にはテープを貼らなかった。

三日後、怒り狂ったカルロスが電話をよこした。

売女め!淫乱女!おまえはナワールにヌード写真を送ったのか!汚い、いやらしい男にお前をみせる写真か!これから全部送り返す!!

フロリンダに、連絡したら彼女も怒り狂っていた。カルロスは中を見ないといったのにというとナワールは見えるのだといわれ電話を切られた。

カルロスは前に「きみはぼくの娘の裸を見るべきだ!彼女は素晴らしい。彼女の性器は人間のものではないんだ」と言ったことがある。

(数年後、彼女がグループの前で裸で踊ったのをみたが、彼女の性器はいたって普通のものだった)

自分の動機は純粋だったしナワールを完全に信頼していたのに。おまけに味方だと思っていたフロリンダにまで嘘つきよばわりされた。

そして、この日、はじめて私の心の中に疑念が生じたのだ。

数日後、箱が送り返されてきた。だが、戻ってきたのはほんのわずかの写真と思い出の品だった。残りはどこにいったのだろう?

カルロスからの連絡は途絶えた。フロリンダもたまにしか連絡させてくれなかった。

1994年にロスの大地震があった。
心配になってカルロスに電話をいれたがひとことも話さずに切られた。
呪術師が持ち合わせているはずの寛容さのかけらもなかった。

こんな連中と手を切ればいいのがわかっているのに、寂しさに負けてしまった。

2017年1月22日日曜日

Amy(33) 15 猫と別れウェイトレスになる。そして「無限」(異次元)をしくじる(1/2)

13章の続きです。呪術師の家の場所を詮索したためカルロスの怒りを買ったAmyは、傷心のままバークレーに戻ります。

あたしの抄訳の作法が、このあたりから一層簡略化されていまして、原著は一人称ですが、ところどころAmyの人称が三人称になってしまうところがあったりして少し読みにくいかもしれませんがお許しください。

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バークレーに戻って飼い猫二匹と別れるため里親を探した。
カルロスは、自分の関係する人々、家族との関係を断つことを強いていた。ペットも例外ではなかった。

フロリンダやタイシャに相談をした。タイシャは冷たかった。
一か月後、ようやくカルロスが口をきいてくれた。

またカルロスは、私に日銭を稼ぐ仕事についたことがないと責め、マクドナルドの店員を務めろと言った。朝食付きの民宿で朝食のコック、ウェイトレスと皿洗いの仕事についた。そこまでやってもカルロスに口汚くののしられた。

タイシャもドン・ファンの指導で毎日、机やテレビを磨かされ続け、最後にはそれら命のない物体が生きていてエネルギーを感じられるようになったといった。

このドン・ファンは何者でしょう?
Amyはこの時点でかなりマインド・コントロール状態に陥っていますね。

この仕事を6か月続けながら、テンセグリティのセミナーに普通に参加費を支払って参加していた。そこでは、Chacmools、別名”衛兵(guradians)”のAstrid、Poona、Zunaが魔術の体操を教えていた。

ロスで三週間のセミナーがあるのを知ったのでMuni(女ナワール=キャロル)に予兆があったと嘘をついて民宿の仕事をやめてLAにアパートを借りた。

それでもカルロスは会ってくれず魔女たちとだけ映画を見に行ったりすることが続いた。
ある日、Muniとフロリンダと映画へいくために歩いているとMuniがエイミーの背骨と肩のマッサージを始めた。集合点の移動をしようとしているのかと思った。

まだ、こんなことを言っています。

翌日、このことを質問しようとフロリンダに連絡をしたら、質問するなと言われたが、それは変だと思った。
なぜなら、本ではカルロスはいつもドン・ファンに質問ばかりしているではないか?

子供のころのおもちゃや動物の人形、本、思い出の品を捨てるようにいわれ箱につめた。フロリンダとAstridが受け取りにあらわれた。Astridは体が大きく強いのでフロリンダのボディガードと言われていた。

彼らからは反復(recapitulation)の一環として写真も集めるように言われた。
フロリンダが言った「ナワールは、こうした物を”無限”に送るわ。あなたが空(から)になったら彼の魔法のバスタブの中に入れられているこれらの品々がいつの間にか消えているの」

バスタブってのが面白いですな。マンションを事務所にしている個人会社のバスタブが書類で一杯になっているイメージが頭に浮かびます。

カルロスから「よくやった!」と電話があった。「魔女たちはまた君を好きになるよ!でも、箱をテープでとじたね?フロリンダに言ったんだ”彼女(Amy)は、僕が箱の中をみるんじゃないかと思ってるんだ”ってね

心配しなくていい。僕は中は見ないからテープを貼る必要はないよ

2017年1月21日土曜日

Amy(32) 14 刈り入れ時(2/2)

カルロスの仲間の中では、私にとっては、フロリンダがカルロスと並んで重要な役割を果たしていた。
彼女はいつも「私はあなたの本当の母。それも良い母よ」と言っていた。

ここで彼女と彼女の母親(実母の方です)また、ここから箇条書きにさせていただきます。

・Amyの母親は、人を嫌うために生まれてきたような性格だった。
・彼女は、継続的に人を愛することができなかった。
・気味が悪かったのは、母親がAmyのボーイフレンドを誘惑しようとすることだった。
・Amyの夫になる男性のことも誘惑しようとし、彼は恐れおののき、どうすればいいんだとAmyに相談した。

・Amyが子供のころ、彼女を太っていて臭いと言って責めた。
・私が泣いたり痛がっても無視された。
・Amyは、そんな母をいつも恐れていた。
・11歳になるとわたしのわきの下の毛を痛くなるほど剃ってそこにきついにおいのデオドラントを塗り付けた。
・父が助けてくれることもあったが、放置されることも多く頼りにならなかった。
・30歳をすぎたら不思議なことに母はAmyを綺麗だと思っていたと言い出して少しホッとした。
・家族で一緒に本を書く企画に母を仲間にいれて失敗した話の紹介。

エイミーは、とことん人がいいんですな。

父親のIrvingが亡くなり、葬儀が終わったとき、母親から突然、30年間、浮気をしていたと告白された話が紹介されています。

なんと、相手は自分の精神科の主治医のDr. Smithだったそうです。驚いたことに二人の関係は、まさに娘のエイミーを妊娠したその週から始まったというからびっくりです。
Amyも大人ですから、ずばり気になることを尋ねると、彼女の父親は、まちがいなくIrvingだと言われたとあります。

浮気の話は兄には言うなといわれたが、思い余って伝えたところ兄はすでに母から聞かされていました。ま、秘密の話なんてみんなそんなもんですね。

辛くなりカルロス、フロリンダ、Muniに連絡したが相談にのるどころかひどいことを言われてしまった。彼らには呪術師のやさしさのかけらもなかった。

だが、こんなにひどい目にあっても呪術師たちの世界に対する期待を捨てられなかった。すでに従来の友人との関係もほとんどなくなってしまっていたのだ。

2017年1月20日金曜日

Amy(31) 14 刈り入れ時(1/2)

この章は、ここまで読んできた方々は、Amyがなぜこんなに不愉快な目にあっているのに、彼らと付き合いを続けるのか疑問に思うだろうという問いかけから始まり。彼女の生い立ち、家族関係についての説明があります。

あたしたち(って勝手に決めていますが)が興味があるのは、ドン・ファンやカスタネダの真実ですので、ここはAmyには申し訳ないですがさくっと進めさせていただきます。
カルト研究に興味ある方は、原著をご覧ください。

まずは箇条書きですが・・・、
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・彼女は、気功を習ったりして精神的な活動に非常に興味をもっていた。(要するにニュー・エイジおたくだった)
・カルロスはそんな世代にとっての憧れの存在だった。
・父のIrvingが1990年に死んで、カルロスは父の代わりのような存在だった。
・家族は非常に才能に恵まれた一族だったが、まったく機能していなかった。
・父は出版関係者をはじめ多方面と浮気の関係があった。母はそれが原因で精神的に病んでいた。
・兄は8歳年上、自分の世界を築いていき、オリンピック歴史家になった。
・彼女は兄をしたっていたが自分が20代に結婚してから後の8年間で疎遠になった。
・若いころはニューイングランドの寄宿学校に暮らし、大人になってからはバークリーに移り、兄のそばで暮らすようになった。
・マスコミに対しては仲のいい一家を演じなければならなかった。
・カルロスの世界、何も求めない世界にひかれていった。
・カルロスの世界は、厳しく律せられていて、それに従わないものは罰せられる恐怖にさいなまれていた。女性の中にはストレスで生理が何年も止まってしまったものもいた。
・セックスや薬や酒は禁じられていたが、みな、こっそりやっていた。全員が”サバイバルモード”で暮らしていた。完璧な戦士であることを求められていた。
・苦痛にみちた動物がそれに慣れてしまう様子を研究した心理学者の話を引用している。
・いじめを受けている人間が、いじめをしている人間に心理的に依存して離れられなくなるさまの研究の紹介がある。(カルト集団の心理学研究)
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グループの活動は、私も後にそうなるのだが、わずかの人間だけが当事者(privy)だった。キャロル、フロリンダ、タイシャ(Muni,Florinda,Taisha)は、すすり泣き、激怒、絶望的になぐさめを求めており、鎮静剤や酒を必要としていた。われわれはみな完璧な戦士になり、ナワールと一緒に彼の”最終的な旅”に出るために自然な感情を放棄するように指示されていたのだ。(Amy121)

私は、グループを決して離れなかったが、完全に仲間になったわけでもなかった。私の中の何かがいつも最後まで反発していて、他の弟子たちのように家来のようにはならなかった。なぜならいつも私はカルロスをからかったり挑んだりして彼らのように神のように扱わなかったからだ。
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カスタネダの弟子には、ちょうど噺家の弟子のように内弟子(同じ場所で寝起きをする)と通い弟子がいましてAmyは最後まで通い弟子でした。このことも救いだったのではないかと思っています。

同時期の通い弟子では、以前の投稿に登場した「メリッサ・ウォード」をあたしたちは知っていますが、メリッサの弟子生活は、このAmyに比べるとぐっと呑気なように思います。弟子のカルロスとの距離や入れ込み方の濃淡が関係あるのかもしれません。

2017年1月19日木曜日

Amy(30) 13 「呪術師の秘密の家」マジック・ツアー(2/2)

屋敷の中はさっぱりとしていた。

白い石こうの壁。木製フローリング、必要最低限の家具。
カルロスが各部屋を見せてくれた。どれもミニマリストの部屋のようだった。

カルロスの長くて大きな寝室もちらっと見せてもらった。クイーンサイズのベッド、横にはテーブル、紙の束が乗っているシンプルな長机。"Canciones"(スペインの民謡)の本、スペイン語英語辞典。

カルロスの視力は衰えていた。

フロリンダが白内障(cataract)か緑内障(glaucoma)かその両方だだと教えてくれていた。
書類の文字サイズが大きいのに気がついた。タイプライターもコンピュータもなかった。カルロスが自分でとりつけた天窓から光が入り込んでいた。彼がとりつけられた長い棒で天窓を操作するのを後で見せてもらった。

部屋の隅にはアンティークの杖がたくさんおいてあった。
それはドン・ファンが使っていたものだとカルロスが教えてくれた。

部屋の中で唯一のちらかっていたのはベッドサイドのテーブルだった。
大きなナイフ、オパールのくさり、月光石、店のマッチに交じっておいてある琥珀。
25セント硬貨。大きな目覚まし時計。

変なオブジェクトが机の上にあった。それは二股に分かれているゴム製のディルド(張型)だった。二本にまたがってカルロスの眼鏡がおいてあった。
ぼくの眼鏡置きだよ」少し心配そうにいって部屋から出るように言った。

ドアが閉まっている部屋を通り過ぎた。
あの部屋はラ・ゴルダの部屋だった。彼女はエゴマニア(病的な自己中心)になって死んだんだ。彼女が死んだ日からあの扉は開けていない

家から暗くなった庭を通って外へ出るときにカルロスが家の鍵を探した。

そのとき、あとで誰かに尋ねられたときのために、ふいに通りの方角を確認しようとしたのが間違いだった。カルロスが固まった。

知っていた。きみがやるんじゃないかと思っていたんだ!きみは私立探偵か?!見たな!きみは失敗した。それだけだ。すべてを台無しにしたんだ
わ、わたしは―

(そのあと、エイミーの心情の部分がありますが割愛)

カルロスは黙っていた。私は泣いた。すぐにバークレーに戻れと言われた。

きみはだめだ!」かれは肩をすくめた「ま、ぼくもだけど

別れ際にキスをしようと思ったがそっぽを向かれた。

実に、めんどうくさい連中です。

2017年1月18日水曜日

Amy(29) 13 「呪術師の秘密の家」マジック・ツアー(1/2)

フロリンダがバークリーの家に電話をかけてきて、ナワールと恋におちるのはばかげていると叱られた。

しかし、カルロスもわたしもお互い普通の人間として愛し合っていると認め合っていた。
一方、カルロスとの関係が近くなった分、彼は、私に対して傷つけるようなことを言うようになった――服がおしゃれじゃない。猫を飼ってはいけない。まだ”人間”のままだ、とか。

あたしだったらそこまで指示されたら即、別れますね。

カルロスは父の代わりであり、恋人であり、グルでもあって目がまわるようだった。
カルロスは、二人の婚約について発表しようと言った。
言われた通り、母以外の人たちには、そのことを告げた。

でも普段はあんなに秘密主義なのになぜなのかと聞いた。

「ニューエイジオタクたちがどのように思うか知りたかったんだ」
「どうだったの?」
「羨望。怒りで震えるようだった」彼は身震いした。

カルロスは私がシャーマンの家を訪れる準備ができたと判断した。

彼はその家を「魔女の家」あるいは「タイシャの家」と呼んでいた。
内部はカルロスが「生れてはじめて内的沈黙」を体験したUCLAの歩道を再現していたり、たくさんの手を加えてあった。

「内的沈黙」についてはカスタネダの著書を読んでいる方ならお馴染みですね。でも、著書にはどこにもUCLAの歩道でその境地に達したというエピソードは書かれていなかったと思います。

追記2017/02/02)下記コメントにて、『無限の本質』にエピソードがあるというご指摘をいただきました。ありがとうございました。(pending)


夕暮れの”逢魔が時”に家に到着した。BrentwoodからWestwoodの住宅地に入り、スペイン風のコンプレックスの前で車を停めた。周りを12フィートの植木で囲んでいた。
(庭木や彫刻など調度品のの詳しい説明がありますが省略します)

この屋敷の場所については、こちらをご覧ください

パティオ(中庭)に向かって手をひらひらさせた。

ここにビッグ・フロリンダ(ドン・ファンの仲間)がここにいたんだ。ドン・ファンが僕たちの目の前で燃えて去っていくとき、彼女は僕たちをガイドするために残ったんだ。彼女は白いサンドレスとつばひろの帽子をかぶってレースのヴェールをかけていた。

ビッグ・フロリンダは、ぼくたちを大馬鹿で病的に自己中心的な連中だといって、僕たちを待てなかった。彼女が去るとき小フロリンダの手をつかんで連れて行こうとしたんだ。ぼくは彼女のもう一方の手をつかんで離さなかった。ビッグ・フロリンダは燃え出した。
小フロリンダは一緒に行きたかったものだから僕に激怒した。
チャンスを失ったのだから、ぼくが「無限」に行くときには必ず連れていけというんだ

2017年1月17日火曜日

Amy(28) 12 カスタネダとメキシコへ

”ハネムーン”に誘われたAmyはメキシコに旅立ちます。

私は、初めてのメキシコ訪問、それも最後の偉大な呪術師とメキシコに行けるので興奮した。

サンフランシスコからメキシコシティへ飛行機で行った。現地でAntonio Karam.愛称トニーと落ち合った。
Tonyトニーは、メキシコシティのCasa Tibetという仏教団体を主宰している。
トニーはカルロスを”nagualito(ナワール)”と呼んでいた。Mariveeという中年女性も加わった。カルロスのメキシコの出版社の人を紹介された。自分の甥だと言っていた。
カルロスの講演会にも同席した。特別扱いで申し訳なく思った。

このトニー(Antonio Karam)に関しては、その後の消息がわかっていますし、その気になれば本人とコンタクトをすることもできます。
詳しくは「付録」のところで紹介します。

講演会では”反復(recapitulation)”をするための瞑想を教えていた。
the Maria Christinaに泊まった。自分の部屋に入ったとき、あたしはこの部屋に前にきたことがあると思った。デジャヴだった。

the Maria Christina



翌朝、Tonyがカルロスになにか写真を手渡した。カルロスは私には見せたがらなかった。聞いてみるとそれは"flyers"(voladores)と呼ばれるエネルギーを吸い取る存在の写真でフロリンダが最初にみなければいけないと言われて傷ついた。
circa1940

夕食のとき、カルロスが古い時計を取り出した。circa1940という時計でドン・ファンが使っていたものだと言った。

アマゾン(米)でレプリカが販売されているようです。
今は在庫がないようですが、一応リンクと原文の説明書きを引用しておきます。
1940年のものですから確かにドン・ファンが使っていたとしてもおかしくはありません。
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This handsome, rectangular tank style timepiece made quite a name for itself in the 1940s and became very popular with the Hollywood studio scene. You can close your eyes and just imagine Bogart or Grant wearing this timeless piece. Some other features include a beautiful cream colored dial with individually stamped and applied Arabic numerals and graduated minute markers. This is complimented by a recessed second hand sub-dial with matching graduated markers, Deco influenced "cat's claw" lugs and a stainless steel back. Features a 23K gold plated case and components, Precision quartz movement (Miyota), includes a 3 year battery, a recessed second hand sub-dial and an 18mm genuine leather band. This watch is water resistant and has a 3 year limited warranty.
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Maya Chac Mool by Luis Alberto Melograna.jpg
Chacmool

カルロスが、国立民族博物館を案内してくれた。Ramonという知り合いが合流した。

いくつかの彫刻は魔女やthe Chacmoolsが生まれ変わったものだという。これは”cyclicity”というカルロスが考えた理論で後で説明をすると言われた。

カルロスに見てもらいたいものがあると言われた古代のデスマスクが父のアーヴィングに生き写しで泣き出してしまった。

外では高い棒を使った曲芸のような名物イベントがはじまった。これは"voladores"または"flyers"と呼ばれているがカルロスがトニーからもらった写真とは違うものだと言った。

逆に、このネーミングを使ったのでしょう。

Dancing on a pole Mexico.jpg
voladores

ちょっとしたミスが死を招く危険な曲芸とダンスがはじまり、カルロスの目が涙であふれてきた。エイミーがはじめてみるカルロスの泣き顔だった。

二人は愛を誓いあうがカルロスがその重要性について念を押した。ナワールの妻となることはもう元の生活に戻ることはできない。エイミーはもう人間ではないのだと言われた。
ホテルの部屋に電話がかかってきた。インディアンたちとあるところへ急に行かなくてはならなくなった。自分一人でなければならない。見送るから一人で帰ってほしいと言われた。

この電話を受けたあとのカルロスは頭を両手にうずめていた。スリッパとバスローブを着て白髪の姿が年老いて見えた。

2017年1月16日月曜日

Amy(27) 11 セックス・マジックが招く危険(2/2)

車に乗ったカルロスは、「50セントコインがあった」というと、いきなり飛び出しナイフを見せた。

驚いた私が事の次第を訪ねようとすると、Ned Brown(カルロスのエージェント)がこのあたりに越してきたときの話をして私をはぐらかそうとしたが、

さっきの男の君を見る目だ!」と言った。

それから、カルロスは恐ろしい話をはじめた。

ドン・ファンに出会う前、ある政府の機関(!)に雇われていたとき人を死刑にしたこと話や日本の将軍(!)に弟子入りして人の殺し方、殺人をする瞬間の”穴”を待つことをならった話だった。

ぼくはこの男(将軍)死を看取ったんだ。彼は、戦士のように非の打ちどころのない死に方をしたんだ。でも彼にはカルマ(業)があったので呪術師の世界には入ることができなかった
(私はこれまでカルロスがカルマについて言及したことを聞いたことがなかった)

のちに、ぼくはドン・ファンにあった。そして最悪の秘密を持っていることを話したんだ。誰にも話したことはない。ドン・ファンに弟子入りしてからこれを話すまで何年も覚悟ができなかった
”話してみろ、ばかもの”ドン・ファンが言った。”それのどこがそんなに悪いんだ?だからいつもお前は重いわけか?なんでお前を少しがんばらせるために毎回わしががんばらなくちゃならんのか?それが”酷い”ことか?”
”ぼくは人を殺したんだよ、ドン・ファン。たくさんの人たちだ”
”それだけか?人々を殺した?ばかだな、お前は。お前はサルを殺したんだ。それがそんなに恥じ入ることか?ちょっとだけサルを殺しただけだ。世の中にはもっと気にしなくちゃならんことがやまほどあるぞ。おまえはそんなのにこの程度の”大変な秘密”に悩んでいるのか?ばかばかしい!”

はじめ、ドン・ファンのこの冷酷さに戦慄した。この非人道さ! そして不思議なことにぼくが抱えていた心の負担がいきなり軽くなったんだ。ドン・ファンは、ぼく自身の重要性を見直すように仕向けていたんだ。ぼくは自分を重要視しすぎていた、僕の罪悪感はすべてうのぼれからきていたんだ!ほんとうはぼくがしたことなんて”なんでもない”ことだったんだ。サル、ぼくたちみんながそうさ、ぼくたちの美しさだって、”ジャンプ”して魔術的存在になることに比べたら意味がないことさ

(この話を聞いたエイミーが泣いてロマンティックな部分がありますがが割愛します)

キスをして家で別れたが、私はこれが悪い予兆だとわかっていた。

(簡略)

その後、カルロスはエイミーと母親のシルヴィアの関係が長い間悪かったことを知っていて、二人の関係を修復するアドバイスをし、それに従った結果、兄も含め家族関係を良好にすることができたというカルロスのいい面を紹介するエピソードが紹介されています。

カルロスは、私と正式に結婚したいがエネルギー的にはもう結婚しているので一緒にメキシコにハネムーンに行こうといだした。

2017年1月15日日曜日

Amy(26) 11 セックス・マジックが招く危険(1/2)

『The Book of Lists』(Wallace一家の著作)の最終的な手直しをするため、ロサンゼルスにすぐ戻った。


カルロスは、彼と三晩毎日続けてセックスをすることで魔女に変身することができ二人のきずなを強くできるといった。3は魔法の数字なのだそうだ。

二人は、その機会が訪れるのを待った。

カルロスに連絡を入れたら、自由を得るために二人はエイミーが子供のころ過ごした部屋でそれを行わなければならないといった。

母親の留守を狙ってスケジュールしなければならない。

今日なら母が留守だというと、今は十分な時間がないので別の機会がいいと言った。
私はその時点ではカルロスがウェストウッドのどこかに住んでいるということしかしらなかった。

母に見つかるのは怖かったが、魔法の魅力には勝てなかった。
Lambie

お人よしです。

フロリンダがAndy(Horowitz)がまだ弟子になって間もないころの話をしてくれたのを思い出した。
フロリンダは、Andyの実家に行き彼の子供のころの部屋にいったと言っていた。(Lambieでベッドが埋まっていたそうだ)

これはセックスの儀式だったのか?・・・たぶんそうだ。魔女たちはカルロスの指示で男女のメンバーの一部にセックスの儀式を行っていたのだろう。

(簡略)

ようやくチャンス(母親が3日不在)が来てポーチでカルロスを待っているとでかけた母親がいきなり戻ってきた。なにか帰らなくてはという予感がしたからだという。

カルロスがこれから昼食を一緒に食べに迎えにくるといってうそをついた。

カルロス、わたしのミスね
そんなことはないさ、ばかなことは言うなよ。彼女(母)はただ君をまだ行かせなかっただけさ。それだけだ

(簡略)

後で忍び込もうといったら、カルロスは呪術師は強引にことはすすめないものだといって延期することになった。

レストランに向かう途中、カルロスは「きみはもう僕の妻だ」と言った。

ロマンティックな食事がすんだ。入口にやせ細った男がいて小銭をほしがっていた。

驚いたことにカルロスが男をジェスチャーで侮辱した。カルロスは都市生活の作法を知らないのだろうか?とびっくりした。案の定、男は怒って二人を追いかけてきた。

カルロスは、エイミーを助手席に押し込むと男と言い争いを始めた。
大胆にもポケットから札や小銭を取り出しよりわけた小銭だけを渡すと男は満足して帰っていった。

2017年1月14日土曜日

Amy(25) 10 カスタネダ、デートをする(3/3)

※性描写があります。

カスタネダのセックス論が続きます。

もし、片方の親がものすごいオーガズムを感じていれば、”二分の1退屈なセックス”の可能性があるので、まだましだ。真の”非ボアドファック(退屈ではないセックス)”はもっとエネルギーがありエネルギーを失うことなくセックスすることができるんだ。

残りの(退屈な)人間は独身生活を営まなければならない。そして魔法の運動の練習と”反復(recapitulation)”をしなければならない。この瞑想のやりかたを後で教えてあげるよ。僕は本当の”ボアドファック”なんだ。僕はこそこそと大急ぎのセックスの結果生まれたんだ。だから僕はいつでも緊張しているし、ずっと独身を通さなければならないんだ

私は反論した。私は遅くに生まれた子供だったし、その頃、両親とも不倫をしていた。私は望まれて生まれた第二子だったけれど、母はひどい神経症を患っていた。カルロスの理論はナンセンスだった。

そうか。でも君には何かある――それが何かはわからない。エイミー、きみはわかっていない。きみはぼくたちにとってはエッフェル塔よりも大きいんだ。君は、ぼくたちがずっと待っていた”the Electric Warrior”、”無限”へ導いてくれる存在なんだ

ご承知のように、カルロスは1993年にMelissa Wardを口説く際にもまったく同じセリフを言っています。ここAmyにモーテルでこの言葉をいったその2年後のことです。
下衆にもほどがあるね~。

わたしはカルロスを疑わしげに見た。
気味わるい―露骨なニューエイジ系の追従だ。

翌日、バークレーに戻った。(この後、簡略)

カルロスは頻繁に電話をかけてきた。
わたしの健康やダイエットにかんしてアドバイスをした。毎日ステーキを食べるように、果物をたくさんとらないように、耳の感染症に抗生剤を飲むように、歯の治療をやらないように。
カルロスのアドバイスに従った結果悪化してしまった。

なんで従うのでしょうか?お人よし?
でも、日本でも、カルトによる治療で病人が亡くなったり、もう死んでいる人間をまだ生きていると言ったりする事件がありますよね。

でも、カルロスの話が面白いので魔女たちにいやな目にあわされた気持ちもうすらいできた。
彼は、一日に何度も電話してきた。
Perilsofpauline.jpg
The Perils of Pauline

これも、Melissa Wardと同じです。カルロスの性向であるし、戦術でもあるのでしょう。

彼は話が上手なだけでなく話を聞くのもうまかった。
つい人々は彼に自分の秘密を話してしまうようだ。(Amy89)

カルロスは、ドン・ファンに”呪術の修行”の一環で泥酔して同じ話を繰り返ししゃべる浮浪者の話をとめどなく聞くという訓練を課せられた話をしてくれた。
同じ話を聞いている間、ずっと興味がある態度をとり続けられるようになったといった。私にもその技術を教えてくれるといった。

カルロスは私のニックネーム(呪術名)を考えていた。まずはPauline。(”The Perils of Pauline”にちなんで)もうひとつはPearl。”Pearl Whilte”から。

パール・ホワイト
Pearl Whilte
The Perils of Paulineを主演
カスタネダが弟子たちに呪術師の名前をつけるのは重要な瞬間だということは知っていたが、スタートレック系の気味悪い名前―ZunaとかBeulah、Nuli(原文どおりの記載ですが、本当はNury(Claudeのこと)だったのでは?)とかつけられるのはたまらないと思っていた。

ある日、私がAmyという自分の名前が好きなんだといったらカルロスは不機嫌になった。家族がつけた名前は奴隷のようなものだというのだ。でも私はその後何年もエイミーでありつづけた。

(簡略)親戚に不幸がありロスに行くことになったが、(ロスにいる)カルロスに許可も得なかったし伝えなかった。それを知ったカルロスが驚愕した。

私がカルロスのバランスを崩した数少ない例だ。
カスタネダが教える”近づき難いこと”を実践しただけだ。

この結果、カルロスのあたしにたいする情熱が増幅され、偶然にもある扉を開いてしまった。

この後の展開も知らずに。

2017年1月13日金曜日

Amy(24) 10 カスタネダ、デートをする(2/3)

※性描写があります。

ついにAmyは、カスタネダと結ばれました。避妊をしなかったので不安になるAmyですが。

彼はベッドから降りると腰に手をあててわたしのほうを向いた。

僕が妊娠させるだって?ありえない!ナワールの精液は人間とは違う。君のジュースとは組み合わせられないんだ。君は人間だから!

彼はかがみこむとわたしの足の間を覗き込んだ。

よし、やったぞ。きみのあそこに赤いエネルギースポットを植え込んだ。見えるよ!ナワールの精液を外に出さないように。これが君の人間っぽさを燃やしてくれる。もし一滴でも外にでたら、それは悪い予兆だ

彼はまたのぞきこんだ。

何も外に出てない!すばらしい!すばらしい!」彼はトイレにいくとクリネックスをきれいに四角にたたんで持ってきた。

これをきみのここにあてて、何も外に漏れないようにするんだ
カルロス、また同じように(避妊しないで)するのはいや
大丈夫。まったく心配ないよ。僕たちは一回だけ「無限」のためにしたんだ。でもナワールのそばにいると人間っぽさを失って疲労するんだ。でもナワールはドラッグみたいなので、ナワールと会った後は休まなければいけないが、また欲しくなるんだ。信じられないかもしれないけど!

そういえば」彼が唸った「やつらを摘みとらなくちゃ

彼は私の元夫や過去につきあったすべての男、特に一番最近付き合った相手の存在が子宮に害をなすといっているのだ。彼は嫌悪感もあらわに首を振ったが、今夜は言い争うつもりはなかった。

これまで子供は作ってないよね?もしそうだとすると女性のエネルギー体に大きな穴が残ってしまうから

これはカスタネダの読者ならおなじみの話だが、ナワールである彼ならわざわざ聞かなくてもわかるだろうにと思った。

と、ここまで疑うのになぜ?

いえ、20代のとき、一回だけ妊娠したことがあるわ。でも堕ろしたの。それで穴は残るの?

カルロスの本では魔女たちが自分のエネルギーを取り戻すために自分たちの子供に奇妙なことをする話がたくさん書かれているのを思い出した。

堕胎?」彼は考え込んだ。「それほどひどいことにはならないよ。凹みが残るだけだ
モーテルの帰り、気分を普段の生活にもどす意味でカルロスを兄夫婦の家によっていかないかと誘った。

カルロスは偽のカルロスがサイン会をやってるパーティにまぎれこんだ笑い話をしてみんなを楽しませた。(簡略)

兄夫婦の家で少し過ごしたことでリラックスできたことをカルロスは大変いい予兆だといった。

きみはとてもリラックスしていた」彼が私をほめた。
緊張せず、とても美しく、ゴージャスで強力だ。きみは”退屈なセックス(bored fuck)”じゃない。きみのエネルギーはなにか特別なものがある

カルロスは、自分の著書の中で”退屈なセックス”についても詳しく書いていることを思い出した。

どの本に書かれていたのでしょう?シリーズで、まだ、おさらいの済んでいない本でしょうか?

2017年1月12日木曜日

Amy(23) 10 カスタネダ、デートをする(1/3)

※ここから先、相当露骨な性描写がありますのでご注意ください。

さて、Amyは、好奇心?に負け、カスタネダとセックスをすることにしました。

怖かったが冒険しようと勇気をふるった。カルロスの狙いにとても興味があったのだ。超常現象的な可能性についても魅かれていた。

Amyは、ここまでの話を読んでもわかるとおりオカルトファンであるとともに(だから?)性的ファンタジーも好んでいて、わりと好色な印象をうけます。

セックスのときなにが発散されるのだろう?
意識が変化して第二の注意力に入れるのだろうか?

(カルロスの迎えを待ってる間の母の家の様子は割愛しました)

母親の家にカルロスが迎えにきた。
カルロスがものすごく緊張しているのが不思議だった。

緊張してるみたい
猫みたいに緊張してるよ
何言ってるの?あなたが緊張?緊張するならわたしのほうでしょ?あなたはカルロス・カスタネダなんだから。毎日、こんなことしてるんでしょ?

彼は憤慨した様子で言った。
してない

からかわないで
ぼくは君のことを待って20年間独身でいたんだよ

わたしは彼を睨んで「まったく意味がわからないわ」とつぶやいた。

彼の首と肩がとても緊張していて、とても名うての女たらしには思えなかった。
おそらくベテランの役者(グル?)でなければ、こんな緊張した芝居はできないだろうと思った。

安いモテルについた。宿泊者名簿には偽名を使った。

Mr. and Mrs. Simon Parbetur。
Los Angeles Wilshire Motel
ここで著者(エイミー)は”呪術的処女”を失った(本の注釈)

(ホテルに入ってからの二人の会話がありますが省略します)

本には、このモテルの写真が載っていて、今も営業しています。
ホテル予約サイトには、「とてもいいホテルだったよ」とかユーザーのレビューが呑気に掲載されています。彼らもまさかここでカルロス・カスタネダが、エイミー・ウォレスと過ごしたなんて知らないでしょうね。

カルロスはとても緊張していて服をきたまましようといった。

かえって変じゃないですか?

急いでことをすませようとするあまりなんだかビジネスライクだった。
私の服のボタンをはずすのにてこずりすぎるので、私は彼をいったん止めさせて囁いた。

少しリラックスしましょう。キスをしましょう

このおかげで今日の出会いは狂気じみていたが、少し甘い雰囲気になることができたし、カルロスはぎこちなさを克服できた。

事が済んでから私は急に不安にさいなまれた。

ねぇ。妊娠したらどうするの?

私たちは避妊具を使わなかったし、それどころか私たちは事前に安全にセックスをする相談もしていなかった。なぜ私もこんな不注意だったんだろう。彼が私に催眠術でもかけたのかと責めたくなった。

Amyは、彼がパイプカットをしていることをこの時点では知らなかったのでしょうね。
Wilshireモーテルの場所も載せておきます。

2017年1月11日水曜日

ZT AMP Lunchbox (ランチボックス・アンプ)

本当に多くても年に一度ぐらい、自分のアンプを使ってハーモニカを演奏することがあります。

従来は、Pignose(ピグノーズアンプ)を使っていました。音の良し悪しなんてわからないですから小型で可愛いってな観点で選びました。

このピグノーズは、2011年11月に買いました。
でしばらくしてから、漫然といいアンプないかなぁ~とネットを逍遥してまして、Lunchboxアンプにめぐりあいました。

よくよく見ますと、これには普通の大きさのLunchboxというのと小型のLunchbox Jr.というのがあるらしい。

ピグノーズも小さいと言えば小さいけれど、このJr.という奴はもっと小さそうだし評判も上々だというので、お店に注文したのが2015年の5月末。
ところが待てどくらせど来ない。次々と引き伸ばされる納品時期。
市場には中古品もほとんど出回らない。
そうなってくるとますます欲しくなるのが人情で(笑)

ネット・オークション市場にたまに出るのですが値段が吊り上がってしまい、さすがの物欲も収まります。

そこで納品の遅れ連絡ですっかりおなじみになったお店に相談の上、一旦注文をキャンセルして普通のサイズのLunchboxを注文したのが、2015年の11月末。


それから数回、ライブで利用しましたが、これがハーモニカと愛称が良くて僕的にはいい(ブルース曲の時)枯れた感じの音が出るんですよ。
(あたしは音作りの知識がないので普通につなげて音を出すだけです)


空間的な広がりを付け足したいので以前も書いた、イフェクター「KorgのPandora mini」にデフォルトで入っている「Electric Blues (ECBLUES)」というイフェクトを間にかませる時もありますが、そのままの接続でも十分にいい音です。
マイクは、これまた前にも書いた小さくて使いやすい「Guyatone Harpist」というものを使っています。


他にもマイクはいくつか性懲りもなく買ったのですが、演奏が下手なためかハウリング対策とか面倒なのと、軽くて持ち運びが楽なのでこれ一本になっています。

どうやらもう作ってないみたいなので壊れたらどうしようなんて思っています。

追記)2017年1月
昨年末に、ジュニアも購入してしまいました。フェースブックで友人が使っているのをみて市場を検索してみたら、あれだけなかった製品がきちんと在庫として出回るようになっていたのです。
また、枯渇したら事だと思い、思い切って買うことにしました。


2017年1月10日火曜日

Amy(22) 9 本題にはいろう(2/2)

Amyは、自分が「夢見」なのか「忍び寄る者」なのか混乱しています。

だって君は(夢の中で)自分の靴も見られないだろう?」とカルロスに言われた。

たしかにその通りだと思った。

カルロスが言った。

夢の中で自分の手を見るという話を書いたけど、本当は自分のペニスを見ろってドン・ファンに言われたんだ。でも出版社がそれは書くなって言ったので手にしたんだよ」(Amy78)

これはまったくの私見ですが、夢の中で自分のペニスを見る場合、服を脱がなくてはいけないので手や靴を見るよりもはるかに難しいはずです。ですから、これはAmyを口説くために話を「下(シモ)ネタ」に持っていくための仕込みだと思いました。

カルロスとつきあいのある人々は自分が「夢見」なのか「忍び」なのか知りたがった。だが、カルロスから直接伝えられた人にはこれまで会ったことがなかった。

リトル・ガール・ブルー
カルロスは一部の人を除いて自分があった有名人をことごとく悪くいった。ジャニス・ジョプリンのこともはじめは気に入っていたがコカインを使っていたので大嫌いになったと言っていた。

ジャニスと知り合いだったなんて羨ましい限りです。
ジャニスの方こそ、第二の注意力に去ったのではないでしょうか。
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』見ましたが、寂しい笑顔が忘れられません。


食事のあと、海風にあたりながら散歩をしてから二人で座った。
彼は私の手を握って、ブラジルにある父親の宝石工場の話などをした。

本当は、ブラジルではなくてペルーです。

髪にキスをされた。

グロリア・ガーヴィンの話」と場所やシチュエーションがまったく同じパターンの口説き方なのであきれちゃいますね。

いきなり神妙になり話した。

女の足の間にある穴は魔法だ。ナワールは彼のジュースを中に残すと彼女の脳の中に伝わっていく・・・それが一番速いんだ。時間があまりないんだ。もうすぐ夜中だ。君をおいてはいけない

私は笑った「そう。で、あなたはいやらしい年寄りのグルなの?

カルロスは傷ついた顔をして、もしその気がないのならいったんバークレーに戻ってよく考えてみてほしい。もし決心をしたら連絡をくれればいいと言った。

いえ」私は答えた。一生に一度の大間違いだった。
一時間あればいい?

カルロスが固まった。
たぶんこれが初めてカルロスをびっくりさせた場面だった。

たった今じゃないよ。これは夜でなければならないんだ

この後、カルロスはいったんAmyを母親の家に送りとどけ、夜になってから改めて迎えにくることになります。

別れ際に唇にキスをされた。

カルロス65歳。エイミー38歳のことです。
みなさんもカルロスに負けないようにがんばりましょう。



2017年1月9日月曜日

Amy(21) 9 本題にはいろう(1/2)

最悪のランチの後、がっくりしてバークリーに戻った。

親友のサリーSally(DorothyとTarinaが講演会で馬鹿にされたAmyの親友)に相談したら啓示を受けたといってアドバイスをくれた。

カルロスに連絡して「さよなら」といって後は相手に任せればよくて、相手に反論せず反論したくなったら笑えばいいといわれた。

彼女のアドバイスに従ったらカルロスが軟化した。

最初カルロスは、君は「赤」だ、われわれ呪術師は「青」い。
われわれが、君を選んだのは間違いだったといった。

仮にそうだとしてもナワールともあろうものが、そんな初歩的な間違いをおかすものだろうか?と思った。

ひどいことを言われても無言でいるとカルロスが軟化してきた。
自分の本をプレゼントしたいといったらお昼を食べようといいだした。

カルロスが言った「これで本題に入れるね

10年前にフロリンダたちといったシーフードレストランに行った。

オニオンリングを頼んだらタマネギを食べてはだめだ。呪術師は触ることもしない。タマネギはむいてもむいても終わりがない人間の形を想起させるからだ、といった。

私に、きみはもうそれほど赤くないようだ。
自尊心を少し捨てたからだといわれた。

では、私は何色?と聞くと。ピンクだと答えた。

そして「きみは確かに”忍びよる者”の資質をもっている」と言われおどろいた。

というのもフロリンダにあなたは「夢見る者よ」と言われていたからだ。

それを伝えるとカルロスは「フロリンダぜんぜんダメだ。タイシャの次にだめだ」と言った。

2017年1月8日日曜日

ボイトレの迷い道

少し前に、喘息の薬を「レルベア」に変えた話を書きました。

一世代前は、「フルティーフォーム」を朝夕。さらにその前は、「セレベント」と「フルタイド」を両方、朝夕吸っていましたが、副作用による声枯れが酷く、呼吸器の先生と相談の上、朝一回だけで済む「レルベア」にしました。

また、朝食後ではなく、朝食前に吸うことで口やノドの中に薬が残りにくくしたため以前のような声枯れがなくなりました。
(もちろん吸引後のうがいは、大きなマグカップに一杯の水で念入りに行います)

2016年の前半までは、喘息の咳に見舞われる季節以外は吸引をしていませんでした。そのため副作用のない時期の歌の練習は好調でした。

ところが例年の時期(春先と秋口)以外の真夏にも喘息がおきたため、毎日薬を吸引することになり声枯れに関して根本対策が必要になったのです。

シンガーとしてね(笑)

さて、ここ1カ月くらいの話なのですが、声枯れ対応に汲々としていたため、以前のような歌い方を忘れてしまったというか、声枯れがなくなったにもかかわらず楽に歌えていた曲で声が出なくなり、声がひっくりかえったり、声が出ずにそこだけ掠れたり、その結果、喉が痛むことによる声枯れが生じてしまったりするようになってしまったのです。

せっかく薬の影響がなくなってきたというのに。結構、悩みました。

歌の師匠に相談をしたところ、以前は歌えていた箇所なのでたとえば10回歌ってみるとたまにうまくいく時(やコンディション)があるので、その状態にフィードバックするような練習をするように言われました。

不調な時期の影響で「口の中のフォーム」が変わってしまったとするとバッティングフォームを変えるようなイメージでの練習になるだろう、とも言われました。

アドバイスを意識してやってみたところ、いくつか気づきがありました。

1)口の開け方が小さくなっていた
2)大きな声を出そうとしすぎるようになっていた

特に(2)は、好調の時、高音の歌を長い間歌ってもノドの負担が軽かったので、今回の復帰の際にも、以前のようなボリュームで声を出そう出そうと力んでいたのだということがわかりました。

身体の中のことなので、リラックスしている感じがつかみにくいのです。
下品な話ですが、前立腺の検査のとき、お医者さんに力を抜けと言われますが、なかなかできません。緩めると意外とスっと。
追記)この検査のおかげで後に前立腺がんが見つかりました。力抜いてよかった?

2017年1月7日土曜日

Amy(20) 8 最悪の昼食(2/2)

Amyが体験した、グループへの加入儀礼は、今後も続く「受け入れ」と「突き放し」(要するにイジメ)の繰り返しです。この反復を重ねるたびに餌食は、このグループへの帰属意識から逃れられなくなっていくのではないでしょうか?

文中に登場する「Trumps」というレストラン。閉店してしまったのでウェブでの情報はなかなか厳しく、時期が時期だけに次期大統領候補のトランプが検索にかかってきます。

でも、ひとつだけ通販サイトに手がかりがありました

Trumpsにあった「(中古の)小皿」が12ドルで売られています。
商品が売れてしまったらこのサイトは無くなってしまいますので、原文も含め引用させていただきます。

■(閉店したロサンゼルスのレストラン)Trumpsの小皿

Tumpsは、Melrose通りにある高級レストランだった。ハリウッドのエリートたちが気に入って使っていた。エディー・マーフィー、サリー・フィールドジェリー・ブラウン、エドワード・ケネディ、エリザベス・モンゴメリミッツィ・ゲイナーなどなど。

レストランとしても知られていたが、サウス・ウェスト風の建築やミニマル・アート・ギャラリーを飾ったインテリアと外国産の多肉植物を植えたコンクリート製のダイニング・テーブルも有名だった。

Trumpsは、1992年9月4日に最後に食事とティー・タイムを提供して廃業した。

この二枚の皿は、私(出品者)が長い間Trumps関連グッズを何カ月も捜していてようやく見つけたものだ。
直径は4インチで、中央にTrumpsのロゴが入っている。
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■Trumps Small Dishes, Closed Los Angeles Restaurant

Trumps was an upscale restaurant located on Melrose Avenue. It was a favorite of many of Hollywood's elite including Eddie Murphy, Sally Field, Jerry Brown, Edward Kennedy, Elizabeth Montgomery, Mitzi Gaynor, and many more. Besides its famous diners, it was also known for its southwestern facade, minimal art gallery interior and ascetic concrete dining tables bearing tiny exotic succulents.

Trumps served its last dish and held it's last 'tea time" on September 4, 1992. It then it closed for good.

These two small dishes may be all that's left because I've been searching online for months for anything having to do with Trumps and can find absolutely no other items.

The dishes measure 4 inches across and have the Trumps logo in the center.

2017年1月6日金曜日

Amy(19) 8 最悪の昼食(1/2)

バークレーに戻るとClaudeから、私なしでは生きていけないといった内容の手紙をもらった。とても気に入られたようだ。プレゼントで私の本を送った。

またロスに行くとき、ほかの魔女たちにもプレゼントを選んだが、Claudeのものは念入りに選んだのであとから届くことになっていた。

フロリンダは(ロスで)お気に入りのレストランTrumpsを昼食会にえらんだ。

フロリンダはこんなことを言っていた「みんな、お店で私たちを見るとアルマーニを着ているって非難するの。もちろん、そんなことないわ、と言うけど――でも、本当は着てるの

店へいく車の中で音楽の話題から派生して、Claudeを試したくてセックスの話題を持ち出した。クロードに激しいセックスが好き?って聞いた。恥ずかしがって、好きといった。

それを聞いていたブルースカウトは唇をかんで固くなっていた。

昼食の間、フロリンダはセックスの話題をしていた。その話題が好きだったのだ。
そこで私がマスコミ関係者たちの友人たちと開いた裸の男たちにかしずかれる女性専用パーティーについて話しだしたところ、座がいきなり白けた。(この長いくだり省略)

すごい話しますな。男はあまりこうした話しませんが。

タイシャが盛り上げようとしてくれた。

気まずい雰囲気をフォローしようと用意していたプレゼントを渡した。ところがクロードは自分のプレゼントが後になると知ったとたん「今ほしい!!」と騒ぎだした。
たった二日まてばいいのに。

数時間後、カルロスから激高した電話があり、みんなにセックスパーティの話をしたことで私を責め立てた。こんなカルロスは初めてだったのでびっくりして泣いてしまった。

フロリンダに相談の電話をしたら、あなたは私たちと色が違って赤い。自分たちには属さないといわれて凍り付いた。

つぎにMuniに電話をした。明日早く飛行機に乗るからと冷たくあしらわれた上、不愉快だ、と言われた。

(Trumpsはしばらくして閉店した。フロリンダに私の黒魔術のせいだと言われた)

2017年1月5日木曜日

Amy(18) 7 エイリアンとの遭遇(2/2)

Amyとthe Blue Scout (Claude)の出会いの続きです。

少女は、いろいろな名前で呼ばれていたが親しい間ではClaudeと呼ばれていた。

キャロルも”力の名前”を別に持っていて冒険活劇のように私に伝えられた。
彼女(キャロル)の名前は”Muni Alexander”だった。

しょっちゅう内容が変わってたが、彼女はドン・ファンと仲間たち(あるいは主にリトル・フロリンダ)によって育てられた。はたまた孤児院で育てられていたがカルロスが取り戻したとも聞いた。

上記のリトル・フロリンダは、フロリンダ・ドナーのことです。ビッグ・フロリンダは、カスタネダの著作やタイシャ・エイブラーの著書に登場する大先輩の、おそらく架空の存在です。

キャロル/ムニは、「The Death Defier」を身体のなかに住まわせたままカルロスの看病をした。(簡略)

カルロスはこうした話を隠喩ではなく事実として話した。私もClaude(青い偵察)が超越した生き物であると信じるようになった。もともと神秘的な話が好きだったのとカルロスが繰り返しいうからだ。

お人よしですな。

カルロスはとにかくクロードと会うことがとても重要だといい募った。

Hamburger Hamlet
私たちはHamburger Hamletで会った。

超越した未知の生物とハンバーガーショップで会うのが笑えます。

メンバーは、フロリンダ、ムニ、カルロスそしてクロードだった。

その他、ここではClaudeの描写や彼女とのぎこちない会話などが書かれています。

カルロスたちは、Drothyのことを陰で馬鹿にしていた。Drothyはかわいい女の子に目がない、とか「Drothyはカスタネダの婚約者だと思ってる」とか。
(カルロスは自分のことを三人称でよく呼んでいた)

別れ際にClaudeが名刺をくれた

"Nury 'Claude" Alexander―
Finder
of Things Material
and Immaterial

後でカルロスが電話をくれた。彼は私たちの出会い大喜びしていた。
私が重要なテストに合格したというのだ。

私は当惑した。もしClaudeが本当に超越した存在であったとしても、彼女はえらく感じが悪かったからだ。

彼女はボーイフレンドいるの?」私は尋ねた。
まさか!ボーイフレンド?ノーセックス!彼女は男は大嫌いだ!

2017年1月4日水曜日

Amy(17) 7 エイリアンとの遭遇(1/2)

お詫び)2017年1月4日。すいません。昨日、肝心の『カルロスとの再会(3)』をアップせずに、本日の記事内容を昨日アップしてしまいました。

昨日のエントリーを修正(というか入れ替え)しましたのでもしよろしければご覧ください。

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次にロスに行った時、カルロスは、自分の”娘”(Claude)に私を会わせたがった。ちょうど最新の著書『夢見の技法』の原稿が準備できたところだった。

その中には彼女が異世界の生まれだという内容も書かれていた。

夢見は、93年の出版です。原稿が上がったのはその半年前くらいでしょうか。

カルロスは、Claudeを”非有機的存在”と表現し彼女は人間特有の性質が少ないので自由なのだと説明している。

夢の中で第二の注意力から取り出したものなのでたった一部しかないという原稿を渡され一晩で読んで返してほしいといわれた。

”夢見の技法”は、まったくこれまでのカルロスの本らしくなく、絶望的に編集と校正が必要に思えた。
Buckrogersserial.jpg
バック・ロジャーズ
カルロスは、スポンジみたいなトンネルを夢の中でくぐりぬけてほかの世界に行って戻ってこれなくなる危機に直面する。まるで、へたくそなSF小説のようだった。

バック・ロジャーズの冒険話のようなあっさりした中身で、初期の作品にみられるようなドン・ファンとの魅惑的な対話がなかった。

ドン・ファンは登場するにはするが、その会話はまるで疲れ切った学者のようだった。

読むのに苦労したが、ようやくキャロル・ティッグスの話にたどりついた――カルロスは、この箇所について特に読んでほしいと言っていた。

文章はあいかわらずひどかったが、内容には興味をひかれた。

カルロスは、私がキャロルと「The Death Defier」(死への反逆者)について教わった話を膨らませDeath Defierは、魔術を施す代償として得た体を使って二十七世代もの間、男や女の姿で生き続けてきたという。

カルロスは、Death Defierの申し出を施しは受けないといって断ったと言った。

カルロスは、夢の中で浮浪児のような青い目のやせた子供を見つけた。その子供は想像を絶する期間、アストラル体の牢獄に囚われていたという。

カルロスは、彼女を助けるのは危険だというドン・ファンの反対を押し切った。

「The Death Defier」はキャロル・ティッグスの身体に入り込み彼女の力と合流した。そして一緒に「子供」を救った。

現実の世界に戻ると少女はカルロスとキャロルの間にもうけられた子供だと言われた。
(カルロスはキャロルのことを”妹”と呼んでいて、もっとわけがわからないことになっていた)。

The ”Blue Scout(青い偵察)”(Claudeのこと)はキャロルの胎内から生まれたといわれていた。異常なほど長い指であるとか赤ん坊なのに大人の性質を持っていた。(この赤ん坊は今は30歳だ)

カルロスと生と死の間のカルロスを救おうとした仲間たちはこの冒険で命を落としかけた。

2017年1月3日火曜日

Amy(16) 6 カルロスとの再会(3/3)

お詫び)2017年1月4日。すいません。この記事をアップせずに、次の記事(4日公開の『エイリアンとの遭遇(1)』)を掲載していました。以下、入れ替えました。

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キャロルは、マジカルパスのことを単なるマーシャルアートではなくナワールからナワールへ受け継がれるものだといった。

カルロスはマジカルパスを”Tensegrity passes!”とも呼んでいた。
テンセグリティは、バックミンスター・フラーが作った用語でフラーが亡くなるまで揉めていて最後まで解決しなかった。

以前、このエピソードについては『メリッサ・ウォードの話』で触れました。
元ネタがここです。フラーは、建築業界では、もちろん思想家としても有名で、年配の方なら「宇宙船地球号」というフレーズでおなじみかもしれません。

数週間後、ZunaのいとこのPoonaに紹介された。

二人は実際は血はつながってなく仲が大変悪いのにルームメイトで、おたがいを”小暴君”として二人の忍耐力と寛容さを養っているそうだ。特別なマジカルパスを習ってお互いの愛をはぐくんでいるといっていたが、私の知る限り二人の関係が改善したようには思えなかった。

Rick(Fosterman)は、小さいオフィスを構えグループから選抜したメンバーを雇っていた。
会社の名前は”Toltec Artists”といった。

不思議なことに、カルロスはあたしの家にとりついた呪いについてはすっかり忘れてしまっているようだった。

口説くための方便ですからね。

次の授業で、フロリンダとキャロルから(のちに毒性があるとわかった)発汗防止の石とカルロスが特別に魔法をかけたローズマリーを受け取った。後者は、煎じて入浴のときに使う。陰部を週三回、5分間洗うそうだ。
そうすれば過去に関わった男が体の中に残した虫を取り除けるといわれた。

タイシャの本に書いてあるエピソードです。

ローズマリーの用法を調べてみると確かに女性の子宮を健康にすることがわかった。
カルロスは、この二人(フロリンダとキャロル)をひそかにthe Castanettes(カスタネット)と呼んでいた。

クラスに通いだし、弟子のコアメンバーとも知り合いになった。

ある日、カルロスに食事に誘われピザを食べていたとき(昔のように笑わせてくれた)、フロリンダとキャロルがサンフランシスコでドン・ファンを見かけた話を切り出したところ、カルロスが眉をしかめた。

僕たちはドン・ファンが自由になっていないのかもしれないと心配しているんだ。
「ドン・ファンを見たよ。いや、夢の中で見たんだ」
私が「彼に話しかけたの?」と聞いたら「話しかける?これをなんだと思ってるんだ?パッケージツアーじゃないんだ!
と鼻をならした。

カルロスがあたしに嫌味をいうのはこれがはじめてだったので驚いた。

彼は微笑むと手をとって「君はこうしたことにまだ慣れていない。僕の本を読まないほうがいい。呪術は体で感じるものだ

食事が済んで、二人で腕を組んでスタジオに戻ったとき、生徒たちの目が怖かった。
クラスが終わってからフロリンダに呼ばれ、Westwoodの家(フロリンダ、タイシャ、カルロスたち)が同居している)で一緒に住まないかと誘われた。

グルの内弟子ですな。

電話の不便さ、いま兄とやっている新しい仕事などを理由に断った。
特別な仲間に入る試験に落ちたと感じたが深く考えないことにした。

2017年1月2日月曜日

Amy(15) 6 カルロスとの再会(2/3)

フロリンダとの再会から3か月後、カルロスのクラスに招かれた。

サンタモニカのダンススタジオを借りて週に三回開かれていた。
”存在していないはずの”内輪のグループでの集まりだ。

スタジオに向かう車の中、フロリンダとキャロルが生徒の一人、Andy Horowitzが眉毛を異様に伸ばしているとか、彼の外見について女子学生のようにキャッキャッ噂していることに違和感を覚えた。

クラスにいた女性の生徒はみな冷たく、非友好的だった。
フロリンダの講演であった二人には無視された。

男の生徒は二人だけだった。
Andyとその友達のRick Fosterman。Rickは、カルロスのビジネスマネージャーをしていた。二人はゲイかもしれない。

ただ、カルロスは、クラスでカップルの参加を許可していなかったし、わたしは彼がレズについては反対していなかったがホモ嫌いだということを知っていた。

Rickは、Ned Brownの後をついで彼のエージェントになっていた。

感じのいい生徒はたった二人だけだった。
アリス(Alice)という中年のメキシコ人女性と司書のような雰囲気のZunaという少女。

カルロスの様子は昔と変わっていた。だいぶ痩せていたし髪はグレイになっていた。そして意外なことにはじめてハンサムに思えた。

クラスが始まるとカルロスがいきなりキャロルが二人の娘のClaudeのアパートの鍵をなくしてしまった。大変なことだ!取り返しがつかない!と騒いだ。(Amy60)

わたしはカルロスとキャロルの間に30歳の子供がいたことを知って驚愕した。

カルロスが鍵をなくしたキャロルを罵った。

Claudeはこのままでは未知の世界に飛ばされてしまうかもしれない。もうおしまいだ!!しかし!大丈夫だ!

僕らにはエイミー・ウォレスがいる!!彼女がきてくれたからチャンスが残っている!!
私は驚きすぎてウサギ穴におちたアリスになったような気分だった。

2017年1月1日日曜日

Amy(14) 6 カルロスとの再会(1/3)

元旦ですが、おかまいなしにまいります。

※若干、性描写があります。

フロリンダがいった。

カルロスはもう普通の方法では文字を読まないで、お腹での下に本を置いて読むの。新聞は足で読むわ。でも、ある夜、いたずらでキャロルと二人でプレイボーイをペニスの下に敷いたけど立たなかったわ。

フロリンダは、マジカルパスというドン・ファンから習った体操を教えてくれた。これで意志(intent)をコントロールするそうだ。

私たちは祈らない。それは物乞いのするやりかたよ。呪術師は命令をするの」(Amy57)

ジョセフ・マーフィーの本にも同じことが書かれています。

そんな折、フロリンダが私に、「エイミー、カルロスと寝てみたら?彼はすごいわよ。ずっと続けられるの!

驚いたし恥ずかしかった。

フロリンダ。彼は私には年取りすぎてると思うけど。父親みたいな感じなの
ま、いいわ。でも想像して私がドン・ファンにあったのは19歳の時よ。90歳の男性に。この美しい私をこんなスケベおやじに?と思ったわ。そんなことを彼にしているのを想像するのは気が違っていると思った。そしてらJuan Tumaが現れたの(このあたり訳があやふやです。ご容赦を)

フロリンダ・ドナーは、1944年の生まれです。彼女が19歳の時は、1963年です。1963年ですとドン・ファンは、72歳ですから、90歳ではありません。ま、若い女性からしてみれば72歳も90歳も同じようなものかもしれませんが、フロリンダ・ドナーの言葉はなにもかも信用できません。

「その人のことは本に書かれてないわ」
「彼はドン・ファンのグループの一人。彼はゴージャスなインディアンで。背は6フィートもあって美しかった。私は彼を誘ったの。だってそういうの必要でしょ?私は若くて健康だったし。そしたら彼はびんびんに立ったのを取り出して私のあそこにあてて言ったの。
『僕はこれを近くの海を航海するため、夢見のために使うんだ。”(セックスを)する”ためじゃない』
私は傷ついたわ。ま、でもナワールとセックスをするのを考えてごらんなさい。きっとびっくりするわよ。」

気味の悪い申し出だった。カルロスは少なくとも65歳のはずだ。もしかすると70歳近いかもしれない。これまでの恋愛も結婚も年恰好の近い人とだけだった。
カルロスだって!あの小太りのカルロスと?考えられない。

しかもフロリンダのおすすめの「いつまでも続けられるのよ」というのは最悪だった。
私は長く続けられるのは御免だ。

この誘い方は、気楽な感じを装っていたが不気味に計算されたものに思えた。フロリンダは、私が性的な冒険に興味があってすごいセックスに惹かれるだろうと思っていたのだ。
この二人の志向の違いは後々よりはっきりしてくる。(少し簡略)

カスタネダは自分の下僕の女性たちに「ポン引き」(pimp)をやらせています。後にAmyもカルロスのために女性をリクルートしますので、この時点のAmyの予感は当たっていました。

フロリンダの本にはカルロスもフロリンダ自身も禁欲していると書いてあったのに。
カルロスは、夢見のエネルギーを蓄えるのは禁欲が必要だと読者にはずっと言い続けてきているのに日常的にセックスをしていたなんて。
そしてフロリンダもセックスを勧めている・・・・変だ。