2013年4月30日火曜日

ペーパーレスと自炊(7) 自炊ポリシー

自炊を進めるにあたっていったい自分の蔵書量はどれくらいあるのだろうか?と思い目算でみたところざっと5百冊程度(大したことないですね)と見ました。

※追記:その後、甘かったことがわかりました。整理したらあるわあるわ(笑)、といっても当初見積もりの倍程度。1000冊ってところでしょうか。

ギターやハーモニカの練習に比べると「自炊」の優先順位は明らかに低いのに、これを全部やるとなるとその労力は計り知れません。

そこでハードカバーは業者に依頼。文庫だけ自分で「捌こう」と決めました。

前の投稿で、『偶然世界』の発効日について触れましたが、そんな最中、いくつか尋ねたいことがあり自炊業者に電話を入れました。

相手との会話の中、「奥付までスキャンしてもらえるのですよね?」と聞いたところ若い女性でしたが奥付という言葉を知りませんでした。
そんなことも知らない人たちに大切な本を任せてよいのだろうか?とちょっと気が萎えましたが、いずれにせよ自分だけの手には到底負えません。

本当に手に負えないものかどうか、まずは自分で文庫をやってみよう!と決心し道具を集めだしました。
あたしの古いフラットベッドスキャナーでは、孫の代になってもデジタイズが終わらないと思います。

2013年4月29日月曜日

ペーパーレスと自炊(6) 自炊の決断


自炊をめぐる世の中の議論でも出ていますが、本好きだからこそ涙を飲んで本をバラすわけです。

一方、デジタイズした書籍を公開サーバにアップする人がいた場合、作者や出版社の利益を侵すことになるわけです。人々の良識が問われるわけですが、作品によっては、むしろオンラインで公開されて再び人々に読んでもらえ第二の人生(本生)を歩むことができるものもあると思います。

最初の「被害者」
今、高見順の小説を読んだことのある人はどれだけいるでしょうか?時代がくだって安部公房でも。大江健三郎ですら。

そんな思いの中、自分が最初に切り刻んだ本はフィリップ・K・ディックの『偶然世界 』です。
早川文庫、1977年5月31日初版発行で自分のは91年に出た第八刷版です。

特に意味はありませんが、ディックの作品はほぼすべて所有していますが紙の本である限りおそらく再読することは絶対ないと思いました。そんなに面白くもないし(笑)。
でも捨ててもらいたくはなかった。


2013年4月28日日曜日

ペーパーレスと自炊(5) 電子本の長短その2

てなことで、本のちょい貸しによる話題の共有やペアレンタルコントロールなどが電子本の弱点です。
パラパラパラっとページをめくって目的の場所を探せないのもダメですね。「あれ、どこだっけ?」ってな時やページをあちこち行ったり来たりしたい時。たぶん近い将来にはマシンの処理速度も向上してインターフェースが改善されると思いますが。

また、ペアレンタルコントロールの一種?かもしれませんが、部屋の書棚に親が読んだ本を並べておいて、それを子供がある日手に取って読む、あるいはタイトルを覚えていて後に興味を持つといったことができないと(起きない)いう欠点があります。
要するに本との出会いの場が限られる。ということです。
ローマの歴史

これは蔵書を電子化する場合にも悩みでして、いつかは子供に知ってもらいたい名著、例えばC.G.ユングの『人間と象徴 』とか、モンタネリの『ローマの歴史』といった本が書棚から消えたらもしかすると子供には「再発見」するチャンスは一生ないかもしれない。なんておおげさなことを考えたりします。

人間と象徴
電子化した本をDVDに収録して、「自分遺産」の一つとして残すというのはあるかもしれません。
どうせ自分が死んだら、コレクターでもないので保管状態も良くないですし、自分が愛した本は無価値なものとして廃棄されるに決まっています。

そうならば、本に永遠?の命を与えるべく思い切ってデジタイズすべきかもしれない。
そんな迷いの中、いよいよ自炊に踏み切ることにしました。

2013年4月27日土曜日

ペーパーレスと自炊(4) 電子本の長短

そんな新書系電子本の中に「相続税」の本がありました。

初めて買った
日本語の有料kindle本
今年(2013年)の4月からの税制が変わり、あたしのように資産とは無縁の一般人にも相続税が課せられることになったという話がありまして購入したわけですが、それが結構わかりやすくてよかったのです。

で、はたと困りました。
家人に「ちょっと読んでみな」ってのができないんですね。米国のアマゾンでは期間限定の「貸し借り」ができるらしいのですが国内ではまだです。

本当に読んでもらいたいなら、もう一台買って家人に使わせるということになるのでしょうが大人である家人ならまだしも子供に読ませたい本となると話は別です。アカウントに紐づいていますので、まかり間違うと勝手に本やらなにやらを買ってしまう危険があります。
もちろん成人向けの本を購入していた場合には見せたくないということもあるでしょう。

ネットでは、「人に読ませたい時には、もう一台に読ませたい本をいったんダウンロードして、そのあと、アカウント登録やネット接続を一旦解除してスタンドアローンにする」というアイデアが出ていましたがなんだか面倒ですしインチキくさいですよね。

2013年4月25日木曜日

ペーパーレスと自炊(3) Kindles その2

Kindleで紙の本のように有料の本を買うのだろうか?

実は、FireHDを買うまでのKindle Keyboardで有料の本を買ったのは一度だけです。
ハーモニカの話題で、よく触れているアダム・ガッソウ(Adam Gussow)の自伝「Mr.Satan's Apprentice」(この本の話はいずれ)のみです。他は全部無料本だけでした。

Fire HDを手にしてみると、本のラインナップはまだまだでした。(今もそれほどではありません、検索や商品リストの表示方法もまだまだです)

ただ、日本語の自主発行本で100円や200円の「iPhoneアプリ値段」程度のデジタル本が沢山出ていてお試し買いには丁度いい感じです。

試しに買ってみた自主発行本のひとつに自炊のやり方の説明本がありまして、読んでみたところ意外と手間とコストがかかるということを知りました。
これは自分には無理だなと思って一旦スルーしたのですが、その後、弾みがついたように次々とKindleでデジタル本を買うようになってしまいました。

買った本は主にビジネス本や新書、ハウツー本のような、紙の本として持つほどのもの価値はないものでしてKindleで濫読するには丁度いいジャンルの本たちです。

「駄本」とは言え、読書のはしくれですから次第にデジタル読書に慣れてきまして、次第に、だんだんと、徐々に、にわかに、じわじわっと、所有本をデジタイズ(自炊)してみたくなってきたのです。 

2013年4月24日水曜日

ペーパーレスと自炊(2) Kindles

Kindleは、2代目Kindle、後に後継機と区別するために「Kindle Keyboard」呼ばれることになる機種を買ったのが最初です。
2010年の8月のことです。

Paperwhiteは
優れものですなぁ
国内では販売していませんでしたので、amazon.comから直接購入しました。
「電子ペーパー」(e-ink)は、子供のおもちゃによくある「砂でできている黒板」みたいな感じです。
絵をかいた後、ずるっと横棒をすべらして「白紙」に戻すやつ。あれの凄いやつという印象です。
ページをめくる際に、その「粉」がバサバサっと入れ替わる。入れ替わりの際の「ソラリゼーション」風の画面切り替えで結構、目が疲れます。

Kindleには、所有するだけで知的好奇心が興奮する何かがあります。ノートパソコンやiPadとはまったく異なる何かが。
手に抱えて持った時、何かある種の「本」を持った感じがするのです。こちらの勝手な心理だと思いますが。

そんなKindle Keyboardですが、結局英語の本しかありませんのでなんだかんだいってもあまり使うこともせずに2年が経ち、Fire HDとPaperwhiteが発売されることになりました。

今回は深く考えずにタブレット兼用ということでFireHDの購入に踏み切りました。
日本のアカウントを利用するためのアカウントのconsolidationやらで結構手間がかかりましたが、今回もKindle「所有」の喜びは変わりなく、なんだか初めてMacintoshを買った時のようなうれしさがあります。

2013年4月23日火曜日

ペーパーレスと自炊(1)

共同住宅の管理組合関連の書類は、長年捨てずにファイリングしてきたのですが、どうにも場所をとるので思い切ってデジタイズしてPDFファイルにすることにしました。

昔は、総会や理事会の議事録程度だったのですが、少し前に法改正があって議事録、議案に加えて重要事項説明書と大分の書類がぶわっと増えてきました。

10年前くらいにマンガ制作に使おうと衝動買いしたキャノンのフラットベッドスキャナーがあったので埃をはらって再利用することにしました。

さて、場所をとるといえば書類もそうですが、やはり本好きにとっては本です。
自分も年取ってきたし、老年の準備として物や情報を減らすのは大事な仕事と考えます。

うむ。本のデジタイズってどうだろう?
そういえば、自炊については会社の同僚も色々語っていたなぁ。
それと、ここのところ自炊業者に関して著作者やらといざこざがあって制度化なども議論されているようだなぁ、などと考え始めるようになりました。

家の片付けはもちろん重要なきっかけですが、AmazonのKindleを本格的に使い始めたというライフスタイルの変化も背中をひと押ししている感じです。

2013年4月12日金曜日

英会話修行の補足

前回の投稿に若干補足をば。

毎日、4パラグラフでして、第一回目だけは、5回終わるまでは、そのパラグラフだけ、6回目から二番目のパラグラフを加え、定常状態になると毎日連続した4つのパラグラフとなります。全部終了時には、その逆です。

これにかかる時間ですが、どんなに長くてもせいぜい7~8分です。
初めてとりかかるパラグラフは読み慣れていませんので少し時間がかかりますが、10回目くらいのものになると相当速くなります。

そして暗唱と同じで「高速で読む」ことに結構重要性があるのでは?と思っています。(証明できません(笑))
毎日の定例作業にどれくらい時間をかけられるか?どのくらいの時間だったら対応できるのか?

尾籠な話ですいませんが、あたしはこの習慣は、朝のトイレタイムに行っていました。
トイレに要する時間としてはちょっと長い?かもしれませんがまとまったバルク(塊)としては適度な量なんです。

前にも書きましたように、一日15分を瞑想にとるのは結構大変です。瞑想の場合は、ただの15分ではなくて「静かで落ち着いた環境」が必要だから職場のトイレとかは適しません。

一日7~8分。甲斐があるかどうか考えるとむなしいので(笑)



2013年4月11日木曜日

英会話修行の続報

前に「現在の英会話修行」という記事をポストしました。

『NHKラジオビジネス英会話』(高橋修三編)という分厚い教科書を使い、一日4つのパラグラフ、一つのパラグラフにつき20回音読するという作業を自ら課したという話です。

開始したのが、2011年5月10日。
で、自主課題を修了しました。
2013年4月9日。

当初の見積もりでは一年半くらいかかると書きましたが、ぐっと長期になり二年弱ということになりました。体調不良などで音読をどうしてもする気になれない日や、遠出や出張で本を持って行けなかった日などがあるのでこんなにかかってしまったということですが、とにかくやり遂げた感はあります。

「七田」の記事でも触れましたが「今日、という日を一日目にすればいつのまにか年季を積める」というのがこの歳になってようやくわかって「手遅れ」(笑)だという。でも、本当の手遅れは死ぬ瞬間だけで(笑)、「手遅れ」だと思っても、試しに今日スタートしてみれば、まだ何かできるんですよね。

さて、この次の段階ですが、このテキストの中からいくつかの章をピックアップして「まる暗記」することにしました。
今回は強制定例作業にはせず、ちょうど楽曲を耳コピーするのと同じ感覚で少しずつ前から順番に覚えていく感じですすめます。
ちょうど、ペンキを塗り重ねていくようなイメージでしょうか。

これが本当に英語能力に役立つのかどうかは証明できませんが、これも楽器の演奏と同じで指使い、指癖や舌使いのようにフレーズが自然と出てくるようになるハズと思っています。
ついつい自分が使い慣れているフレーズばかり出てきますからね。



2013年4月9日火曜日

ベンドの最新状況

追記)2015年1月
下記の記事以降、精進をしましてより正しい?感覚を得ましたのでこちらに記事をポストしました
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ベンドってなんなのでしょう?ハーモニカのベンドの話です。
ほんとうに奥が深い。

独学時代も含めますと足掛け四年目も半年過ぎました。
独学のスキルに対する「貢献度」は大したことないので実際には、三年目ということかと思います。
ベンドについては前に一度だけ記載をしました。(「ベンドの悩み」)

最近、またベンドを突き詰める感じの練習をしているところで、初心者なりの発見?がありましたので記載しておきます。

あたしの吸いベンドの状態を前提として書きますと、

・1番、2番はやりやすい。特に2番。
・3番は、2番よりも少し苦手
・4~6番は苦手

一応はどこもできるのですよ。でも自在にはほど遠い。
ステージとかで人前でやると緊張するのでもっとできなくなります。口や舌が固くなってリラックスしないからかと思います。

ハーモニカのキーでもあります。

・G:ぼちぼち
・A、Bb:大好き
・C:ふつう
・D~から上:苦手

要するに「高音」になるとダメ(笑)ということで、一般には高音のハーモニカの方がリードが柔らかくてベンドしやすいらしいですが。でも、あたしはAが最高に好きです。曲げやすい。
ってことは、Fの4~6番なんてなると最も苦手ってことになりますな。

で、苦手克服ということでここしばらく特訓を続けています。喉を開いて、リラックスして、穴の正面を捉えて・・・ベンド。と。
と続けるうちに、高音部もかなりいい感じになってきました。
ま、基礎練習ですから数多く反復しています。そのうちに、自分の舌のイメージが前と変わってきたことに気が付きました。うーむ、変わってきたというか今更イメージが作られたっていう感じかな。

おさらいも含め列挙しますと。

・喉を開いて(息を吸うとのどの奥が冷たい感じ)
・ゆっくりと
・少ない息で
・リラックスして
・穴の真正面を捉えて

舌は、ハーモニカには接しません。図のようにかなり離れているイメージ。
図の番号は穴番です。

あくまでイメージですが、舌は、奥の方が隆起して図のようなスロープというかがくがくっとした形になってまして穴の位置が高くなるほど隆起度が高く、6番に至ってはまさに段々になっているような感じです。舌の奥を立てる、って感覚です。


以前は、舌全体と「隆起」の部分がもっとハーモニカに近づいていたような感じです。それでも1、2番はそれなりにベンドできてしまうのです。

2013年4月5日金曜日

先生方の教え

以前、「先生方が本に書かれていることで無駄なことはないですね」と書いたことがあります。

あたしに限ってのことかもですが、残念なことにこうした大切なことってその時には刺さらないんですよね。だいぶ後になってから解る。

ちょうど親になってはじめて自分の親の気持ちがわかるってな感じで、もっと早くわかっていれば上達も早かったのになんて後悔します。

ま、結果的に「わかる」とこまでは習得なり上達したわけですから、わからないままよりはだいぶましかもしれません。

本に書いてあることもそうですが、ハーモニカの師匠に教わったことも後でじわっと身に染みるなんてことが多いです。

そんな一例を披露します。

あたしの基礎練習の一つに、『初心者に絶対!! ブルースハープ初歩の初歩入門 』(田中光栄 著)に掲載されているスケール練習があります。

「ドミレファ」、「ドレミド」、「ドレミファ」の三パターンを下から上までと上から下までを繰り返します。
2010年から少しずつ続けていまして、一日一回行っています。三年ですね。
低音のベンドがある程度できるまでは中音・高音のオクターブへは進まず、まずは1~4番穴での3パターンを続けて今は全オクターブをやっています。
一日、一回しかやらないからですが、いまだにきれいなレガートにならず音の粒がぶつぶつした感じです。

さて、教本には「音を間違えたら、もどってやり直すべし」と書いてあります。
この「教え」を思い出したのは実に最近です。
なぜ?だからどうだ?ってのはよく説明できないのですが、ちゃんときれいな単音がでないととにかくダメだというのがなんとなく自発的に身に染みてきたんですよね。ようやく(笑)。
ちゃんとでないと気持ち悪い。ちょっとでも隣の音が混じるといやぁ~な気持ちに(笑)。

あぁ、田中先生のおっしゃっていたことはこれなんだなぁ、と。

結局、「教え」が刺さってない間は、単音をきれいに出すことにこだわるような段階ではない?ということもあるのかもしれませんね。

このスケールを吹き吸いしていますと、自分が間違いやすい場所に特徴があることがわかってきます。
この自分のヘタな箇所、苦手な箇所についても師匠から教わりました。
他の穴の音が混じってしまう場合、自分はどうも向かって右側の穴を一緒に吹きがちだなぁとか。
人それぞれのクセがわかってくるそうです。

あたしの場合は、7番穴と8番穴あたりでついつい右側の音が混じってしまうことが多いです。
この教えも忘れていたわけではないですが、自分の確かな問題として課題にあげるということが前述の「スケール練習で音を間違えたらもどってやりなおす」という教えを実践する段階になってはじめてその価値を実感したということです。

きっとハナからそのあたりがわかる人ってのを「才能」あるっていうのだろうなぁ。