2016年1月26日火曜日

スターウォーズ ~フォースの覚醒~ 第二次余計なお世話情報革命の中で(3)

さて「フォースの覚醒」の話。

なんであたしがいまひとつ盛り上がらないのだろう?ひとつ目は「悪」に理由を求めすぎている点でした。

もうひとつは、SFマニア独特の欲求に根差すものです。

スターウォーズの1作目は、映像にこれまでのSFのいろいろな要素が盛り込まれていて見ているあたしたちは、これは「デューン」だなとか「レンズマン」だなとかチャンドラーの「銀河辺境シリーズ」だなとか「銀河帝国の興亡」だなとかスペースオペラのモチーフや設定を盛り込んでいてSFファンが見たかった世界を実現してくれていました。
あたしたちも「あぁ、ルーカスという監督は本当にSFが好きで作っているんだなぁ~」と感じられました。

つまり映画が各種名作SFのオマージュだったと。

で、今回の作品はですね。映画は「スターウォーズ」のオマージュなんです。スターウォーズで完結している。
SFファンにとってみるとあまり発見がないんですね。食い足りない。
ひとつには、SFというジャンルそのものが衰退しているというのもあって映像業界が古典を食べ尽くしちゃったってのもあると思います。


あとは「フォースの覚醒」のせいではなくて、あたしたちが映像に驚かなくなっちゃってるというのもあるかもしれませんね。

(完)

2016年1月22日金曜日

スターウォーズ ~フォースの覚醒~ 第二次余計なお世話情報革命の中で(2)

とまぁ、そんなスターウォーズとの長年の付き合いもあるし「フォースの覚醒」を見ました。

あまり期待もしていなかったのでそれほど失望はしませんでしたが、なぜ自分は楽しめないのだろう?とつらつら考えたところいくつかわかりました。

要するに、スターウォーズは、三作目だったかルークが乗る船をダースベイダーが見送るときに「My son ....」とつぶやいた時にこれは始まったんだ()と。

その後、「悪」に染まったワケが延々と続くんですが、どんな悲しい過去があったってそんな悪になるかい?というのがあたしの感想でして、悪のやつは生まれつき悪って方がいいのではないのでしょうか?

「サンダカン八番娼館」の著者、山崎朋子の自伝「サンダカンまで」の中に山崎さんが若いころDVというかストーカー被害にあって顔を相手に切られるという事件の話があります。
事件を扱ってくれた刑事が山崎さんに「自分は長年犯罪者を扱ってきたが世の中には、生まれつき悪ってやつがいるんですよ」って語ります。
自分のささやかな一生でも、この刑事さんの言葉の通りだなという人に出会ったことがあります。Born Evilってことですな。

同じようなダークヒーローのレクター・ハンニバルの出生?の秘密を描いた「ハンニバル・ライジング」も同じでした。
ハンニバルは、こんな辛い目にあったから殺人&食人を行うようになったのよ、という話ですが。これがまたつまらないのなんのって。

余談ですが、ダースベイダーのスってthですよね。このthって音がとにかく合ってるというか、ステキなキャラです。


(つづく)

2016年1月21日木曜日

スターウォーズ ~フォースの覚醒~ 第二次余計なお世話情報革命の中で(1)

『スターウォーズ』の”1”(後から”3”と呼ばれる作品)を知ったのは1977年。
当時定期購読していた雑誌『SFマガジン』に掲載された野田昌宏氏の記事でした。

アメリカで公開されたロードショーを観覧した野田=宇宙大元帥の大興奮した速報を読んで胸がときめきました。

その頃の映画公開は現地と日本では超時間差があって日本の公開は翌年のことでした。
あたしは1年間、待ちに待って新聞にロードショーの広告がでるやいなや新宿のスカラ座に電話を入れて公開初日、指定席のど真ん中を予約しました。
学生にしては贅沢ですが、これだけはゆずれませんでした。

同じく初日にみた同窓のT君が「おい、観たか? あれで面白くないってやついたらごめんなさい。僕が悪いんですって言って謝るしかないよなぁ」と言ったのが印象的でした。

でものどかなものですよね。今のように情報があふれている世の中ではなかったので超話題作とはいえ、映画館に直接電話を入れて席をとれたんですから。
その意味では本当に見たい人だけが情報をしっかりおさえて楽しめるいい時代だったと思います。
美術展も芝居もコンサートもそうでした。

今は、さほど興味のない人たちもプッシュされる大量の情報に翻弄されてにわかファンにさせられ踊らされてしまいます。
思えば、このような「余計なお世話情報」が目に余るようになったのは雑誌『ぴあ』(1972年)が出てからだったと思います。

興行主の人たちには申し訳ないですが、混雑する美術展に行くたびに「『ぴあ』さえなければこんなことにならなかったのに」と思ったものです。

『ぴあ』が『エンタメ業界における第一次余計なお世話情報革命』だとすると次がインターネットでしょうな。
本当の意味でごく普通に一般人がネットを使うようになったのはi-モード(1999年)が浸透した2000年からかと思います。

この年を『エンタメ業界における第二次余計なお世話情報革命』としましょう。

エンタメ業界における
1972年 第一次余計なお世話情報革命 
2000年 第二次余計なお世話情報革命


(つづく)

2016年1月9日土曜日

老母のアカウントサポート(3)

というわけで結果的に、留め置きの郵便があるのはあたしが子供の頃から知っている本局だと判明しました。

ホームページで24時間やってることも確認したので、次は、「委任状」です。
委任状が不要という場合もあるらしいのですが手戻りはいやですからね。
これも準備しておきます。

で、まずは仕事が終わってから実家に向かいます。
ポストを確認するときっちり「不在票」が入っていました。
サポートに聞いていたのよりはるかに早く到着していてうかうかしていたら戻されてしまうところでした。

次が本局です。
あたしが向かう本局は非常にでかいところでして受け取り窓口に入ったら夜なのにまるでお祭りのように混雑していました。

いや、いくらでかい町でもこんなに混雑するか?
と他の客を観察するとほぼ全員が中国人。
「爆買い」した電化製品やらを送る手続きでごった返していたのです。

それにしても言葉も不自由な外国で日本人でさえよくわからない郵便の夜間窓口を自在に活用してるなぁと感心してしまいました。


今回のような、個人情報、個人資産管理の高齢化対応、ますます面倒になっていくのでしょうね。
いわゆる「終活」の重要さがわかります。
自分の分も早目にきちんと整理しておこうと思います。

(完)

2016年1月8日金曜日

老母のアカウントサポート(2)

無事、再発行されることになったATMカードですが、そいつが送られてくるのは「簡易書留」でしかも半空き家の実家です。

要するにハナから「不在票」になる運命なんですな。

オペレーターと書類の発送時期をきっちり相談して届いているハズの日の夜に実家に向かいます。(これ実家が遠くだったらどうなるんでしょ?想像するだけで恐ろしい)

しかしただ行くだけではありませんよ。
準備が要ります。

まず、あたしの家に到着する郵便物が不在対応になったときどの「本局」に保管されているのか?
たしかあすこだと思うのだけど?
しかしそれ大昔だしなぁ。

というので郵便局のサポートに問い合わせることにしました。

あたし「あの東京の○○区の○○町○丁目なんですが、不在の郵便ってどこに戻されるのでしょうか?」
オペレーター「あ、あのお客様のお住いの郵便番号を言っていただけますか?(住所を知らない?)」

あたしは郵便番号が3ケタの頃に実家にいたので5ケタになってからのは覚えていません。

あたし「あ、あの、そちら郵便局ですよね(笑) 住所いうので手元で調べてくれます?」
オペレーター「あ、は。はい。じゃ、住所もう一度おっしゃってくださいますか?」

あたし「東京都○○区○○町です」
オペレーター「はい。ではしばらくお待ちください」

(ホールド音がしばらく、それも結構長い間)

オペレーター「お待たせしました。あのすいません。○○区って見当たらないのですが」
あたし「は?? 東京ですよ。 東京にじゅうさんくの一つですよ(笑)」
オペレーター「ですよね~変ですね~」
あたし「郵便局でしょ?(爆笑) 一般の会社ならいざ知らすお願いしますよ~。」
オペレーター「ですよね(笑)すいません」

結局、もちろん彼女の見落としであるわけですが、ま、普通のサポート窓口ならいいですが仮にも郵便局ですからね~。
「民間」の配送業者に負けるわけだよなぁ。

(つづく)

2016年1月7日木曜日

老母のアカウントサポート(1)

たまに書きますが、あたしの母はホームにいます。

幸い97になりますがおつむはまぁまぁ大丈夫です。でも、そこはそれ年寄ですから。
まず、耳が結構悪くなってます。
それと長いこと鉛筆など持たなくなっているので字を忘れてますしきちんと字を書くことはできません。
半ば空き家になっている実家のメンテを頼まれているので年金の確認やらはじめ彼女のアカウントはあたしが管理しています。

で預かっているATMカードの磁気がいきなり壊れました。

さぁ。大変。
これ本人がやる仕事ですからね。
いまみたいに個人情報がうるさくない時代なら銀行の窓口でおたがい顔で処理できたものですが・・・。

電話で問い合わせたところ当人との電話対応で再発行が可能な場合があるとのこと。

やりましたよ。
年末だったので仕事を休む必要はありませんでしが、要するに平日の昼間、ホームにでかけます。
またお金に関する話ですのでロビーや相部屋でやるわけにいかないので事前に個室を予約して借りておきます。

銀行が当人に尋ねるのは、氏名、生年月日、家の住所(これ忘れてる)とかですので予め徹底的に練習させます。

レスポンスが男性ですと声が聞こえないので女性オペレーター必須です。
でも相手はベルシステムのお姉さんですので結構早口です。
まずあたしから相手にそのあたりをアドバイスします。

「ゆっくり。そしてでかい声でお願いします」

とここまでやっても聞き取れなかったので、こんな事態もあるかもと用意していた母用のフリップボードを出しました。
そこには相手の質問をマジックででかく書きます。「住所」とか。

でなんとか試験に合格。
再発行してもらえることになりました。

(つづく)

追記2017年5月25日この母も今年亡くなりました