2014年3月17日月曜日

自炊の果て

自分の身辺整理の一環としての本の自炊について記していますが、当初設定した対象の本が一通り終了しました。

トータル冊数は数えていませんが、なんだか終わったら肩の荷が下りたせいかバーンアウトしてしまいました。

という段階に至りまして、前にこれとこれの本は裁断しないと決めたもののデジタイズ完了した本や資料を整理整頓する作業に移ってみたら、なんだかそれらを紙の本のまま置いておくとかえって大切にしたばかりに失われてしまうのではないだろうか?と逆に思い始めました。

ということで結局、古い本は愛着のあるなしにかかわらずデジタイズすることに決めました。
今は、別の出版社から
出ているようです
追加ですね。これまたかなりありますが気を取り直して続行です。

筒井康隆のハードカバーも。『地球空洞説』をはじめとする今は無き「大陸書房」のオカルト本の数々も、貴重な太極拳の書籍もA4版でスキャンできるものはこうなったらとことんやります。

すでにデジタイズ完了した古い本をPC上で開いてみると、それらはもう紙ではありませんが懐かしい書面が次々とよみがえって自分の小さなノートパソコンの画面に現れるんです。
紙のままだったら二度と目にすることもなかったかもしれません。

つらつら考えますに「自炊」というオタクっぽい呼び方をしているのでなんとなく後ろめたい気がしますが、要するにこれは「メディア変換」なのだと気が付きました。

映像の世界でいいますとフィルムがありインチテープがありベーカムがあり、XDCAMありと次々に生まれては消えていくメディアに対してアーカイブ映像として残すために次世代のメディアに順繰りに移し替えていきます。それは膨大な量でそのための研究や費用は莫迦にならないものですが未来に映像資産を残すために辛抱強く続けていかなければいけない重要な作業です。

家庭でもベータからVHS、DVD、ブルーレイといった感じで映像資産を継承していることとおもいます。音楽も同じですよね。レコード盤からリールテープ、カセットテープへ。MDからCDへ。CDからDVD、HDへ。

書籍を愛する人たちも映像を愛する人たち同様、メディア変換をしたっていいじゃないですか。


2014年3月14日金曜日

ブルースライブ・チャレンジ以前ナイツ

ローリングストーンズのコンサートも終わったので、ミュンヘンに行きました。(どんな生活なんだ?)
ブルースをやっているというライブハウスを探して恐る恐る。

一週間の滞在で電車には大分慣れてはいるものの行ったことがない区域だったので少し不安でした。
店は「Hide Out」という名前でたまたま木曜が定例の「ジャムセッション」の日だったというのと連日の「日本人会」(笑)に疲れたのでその夜だけ放免してもらいました。

住所を頼りに暗くなった見知らぬ街に向かいStreet Viewで確認してあった店の前につくと店の前で喫煙休憩中の小粋な男性と目があいました。
挨拶して、ここはブルースの店ですよね?と聞いたらいきなり日本語で「日本の方ですか?」と返されてビックリ。
ちょうど隣がWasabiという日本料理の店でお客で駐在員だとおっしゃっていました。
現地に長いと立ち居振る舞いがあちらの感じになるので日本人に見えなくなるんですよね。

さてブルースとロックの店というのがホームページに書いてある店の触れ込みで、木曜には毎週「ブルース」のジャムセッションデーとあります。これは勇気を出して行くしかない!

開店(8時)と同時を目指したので案の定店には客あたし一人。
割と大きな店で奥にステージ。カウンターには可愛い黒人のママ。ブルースだぞ!(リンク先は、ドイツのどこかのサイトで見つけました)

チャージは3ドル(€)の前払い。飲み物は後です。ビールが4ドル弱だったので7ドル。
この3ドルはミュージシャンに入るそうです。
しめて7ドルだから現地の感覚だと700円。東京に比べるとぐっと安いですね。(この日の換算ですとなんと円が弱くて1000円以上ですが、だとしても安い)

今、店を開けたばかりなの。演奏は9時からだけどいいかしら?と言われましたが待つことにしました。

よくわからないドイツ語のホームページにある今日のスケジュールには「バンド」が「アコースティック・ギター」の誰それって書いてありました。
うーん。アコギかぁ。珍しいなぁ。いまいちだよなぁ。でも仕方ないや~。
なかなか人が来ないのでママも「変ね~。誰も現れないなんて……」

なんて言っていたら9時前にようやく一人のお兄さんがギターを背負って登場。他の客も若者中心にバラバラと。

やおらマイクをセットしたら歌いだした。
なるほど。ホストバンド(一人だけど(笑))がまずお手本で歌うのかな?と思っていたらなんだか違う。フォークソングなんですよ(笑)
三曲やったけどみな同じような調子(ブルースも同じ調子だけど(笑))。彼は三曲やったら降りて、少し前にきていた若者(女二人、男一人)と知り合いらしく声をかけて彼らが舞台に。

なんと男がアコギギターで女が各々、バイオリンとチェロ!
女の子たちがめちゃくちゃ美しかったのでそれはそれでいいのですが・・・。
でも歌がソロギターの若者とまったく同じような感じのムーディーな曲ばかり。ギターの弾き語りです。
どうみてもブルースじゃない。しかもジャムセッションでもない。グループないしは一人で完結したバンドが交代で出演する感じ。進行役もいない。

そういえばステージにはドラムセットも無いよなぁ。

客もそこそこ入ってきて。僕の隣には黒人の中年二人と白人のおじさんの三人。少し酔ってる感じ。
そのおじさんたちはチャージの値段を知らなかったので彼らも初めての客だった模様。

他は、常連っぽい若者中心。

やがてフォークで盛り上がる中、エレキを持った優しそうな若者が登場。みんなドイツ語なので何を話しているかは雰囲気でしかわからないのですが。どうやら彼も「ジャムセッション」だと思ってきたらしいんですよ。

すでに歌い終わった三重奏たちやソロのフォークシンガーから「演んなよ」攻撃。
彼はめちゃくちゃ腰がひけちゃって「だって。ぼく歌わないし」(ヴォーカルや他の楽器といっしょに合奏したかった)

するとそれをみていた隣のおやじたちからはもうパワハラまがいの「ここにきて演んなかったら男じゃね~ぞ!!やれやれ!!やれったらやれよ(笑)。ほらほら」←多分
「な?そうだろ?」とあたしにも目で同意をうながす。

耳をすますと彼がやりたかったのはジミヘンらしい。

観念した彼は三重奏のお兄さんにしぶしぶ応援をたのんでようやくギターを持って舞台にあがってジミヘンやったんですが・・・・助っ人のギターはすごく上手なのですがでも相手はアコギのフォークソングだから。ぜんぜんジミヘンって感じにならないし調子もでない。

いやぁ。これは参ったと彼の演奏が終わったところで23時近くに。這う這うの体で引き上げました。
それにしてもハーモニカでよかった。あそこでギターを持ってたらどんな目にあってるかわかったもんじゃない。ただの音楽好きの東洋人だと思われただけで済みました。

外国のライブハウスで実演までは行けなかったのは残念ですがいい思い出になりました。

ベルリンの話はこちら