2019年9月25日水曜日

足の大きな女ってなんだ? ~Blues and “big-legged women”~

(追記:2022/11/28 下記コメントいただきました)

ブルースの歌詞には、意味不明な言葉がたくさんでてきます。

そもそも海外の歌詞サイトを見てもサイトごとに歌詞が微妙に違っていたりしてどれが正解かがよくわかりません。

それが、違うバージョンの歌詞というのならいいのですが、どうみてもリスニングの結果が異なるようなものが多いのです。
近代に作られたシカゴブルーズの曲でも、プレーヤーが詞もどんどんアレンジしちゃうのでどれが本当の歌詞なのかわからないってのもあると思うんですよね。あちらのLPって歌詞カード入ってないし。

あたしには日常的に質問できるネイティブの知人もいないし意味不明のまま放置して歌ったりしています。
以前、カレドニアの歌詞でどうしても聞き取れなくて、たまたま職場にいたネイティブに聴いてもらったのですが彼女もわからないっていうし。

さて、たとえばそのカレドニアですが「カレドニアは足の大きな女だ」というフレーズがあります。

Walkin' with ma baby, She got great big feet

great big feet ? ってなんだ?

この歌は「ママはカレドニアと付き合うのはやめておけっていうけど、でもオレは彼女が好きなんだ」って歌です。
勝手な直解釈をしてみると「オレの彼女のカレドニアは足がでかいけど大好きさ」ということなのだろうか?――なんて風に思っていました。(今も思ってます)
つまり「足が大きい」ことが「欠点」なんだけど、でも好き!・・みたいな。

そうこうする内に、アルバート・キングの「Born Under a Bad Sign」(悪い星の下に生まれて)という曲に出会いまして、そこに――

Wine and women is all I crave
A big-legged woman is gonna carry me to my grave
(酒と女に目がない人生だった。オレが死んだら足の大きな女が墓に入れてくれるさ)

という部分があります。また「足の大きな女」かよ。

Little Walter のアルバムにも「Big Legged Mama」があるし、Mississippi John Hurtも「Big Leg Blues」というのがあります。

こうなったらもう少し調べてみるかってんで「blues big leg meaning」というキーワードでGoogleしてみました。
でひっかかったのが、とある情報交換サイトにあった「Blues and “big-legged women”」という記事。

自分のメモも兼ねて拙訳を載せておきます。
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(質問者:上記のような歌詞を踏まえて)
Straight Dopeフォーラムでの議論によると、このイメージは少なくとも1930年代または40年代のものですが、正確な起源と意味は不明とのことです。
「足の大きい」には特定の意味合いや婉曲的な意味がありますか?ブルースの歌はしばしば魅力的ではあるが良くない女性を意味しますが、ブルースの歌は多くの場合、すべての女性を魅力的だが良くないものと呼ぶので、偶然かもしれません。
この用語には特定の起源がありますか?
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(回答)
「ビッグレッグ」は、もともと女性のお尻を品よく表現するための符丁でした。大きな脚を持っていれば、太ももやお尻まで同じプロポーションだと思われるからです。「Big-Legged」という用語は、ジェリーリールイスからアルバートキングまで、多くの歌で使用されています。最終的には、Fat Bottom Girls から Baby Got Back to All About The Bassに至るまで、より露骨でひどい表現として使われるようになりました。ロックやブルースの歴史が辿ってきたのと同じ感じです。
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他にもいくつかコメントが寄せられていますが、回答っぽいのは、これくらいでした。

重箱のスミをつつきますと、先のカレドニアでは、feet。Legならわかるけどfeetじゃお尻が大きいとは限りませんよね・・・たぶん。
ま、カレドニアでは、feetの方が歌ってぴったりハマりますからね。

実際にこれらの歌を聴いてみますと、ニュアンス的に「情(なさけ)が深い女」って感じがします。男が甘えられる女ってことでしょうか。ダメですな。