2009年12月29日火曜日

In Her Shoes

前回、「トランスベスティタイト」(transvestite)という言葉をはじめて学んだということを書きましたけど、「学びて時に之を習う」ってことで映画や本で、われわれは日々、いろいろなことを学べますな。


冒頭の乱れきった
生活から後半の変化が
すごいすな
イン・ハー・シューズ (In Her Shoes)」(2005年公開)では、ディスレクシア(Dyslexia)という単語を知りました。

「インハー…」は、見ている人も多いでしょうから簡単に書きますと、ディスレクシアとは「識字障害」のことだそうで、そのディスレクシア(が、原因というわけではないが)で、だらだらとした破滅型の生活をしていた主人公(キャメロン・ディアス)が、疎遠になっていた祖母(シャーリー・マクレーン)の元を訪れて自己実現をする。
といった内容で、祖母が働いている施設にいる元大学の先生が、自分は目が悪いので「詩」を代わりに読んでくれとディアスに頼むんですな―――そこから、道が開ける。

映画のクライマックスは、ディアスが姉の結婚式で、詩を朗読をするところ。

ちなみにこの本には
i carry your herat は
収録されていません
詩の作者は、e.e.cummings 。詩のタイトルは、”i carry your heart with me”。
この人の詩は、改行やインデントの切れ目が独特で、実に読みにくい―――詩集を見るとレイアウトが非常にグラフィカル。
その読みにくい詩を、読むのが苦手という設定のディアスに読ませるというところが味噌。そこが女優。うまいんだ、これが、実に。

で、このシーンをちょっと見たくなって検索すると、あるわあるわ―――そりゃね、これらはみんな”いけない”動画くんたちですが、あそこってどんなだったっけ?とか、あの詩って誰の?とか、朗読の仕方は?なんてときには、実にネットはありがたい。

このシーンをよく見ると、彼女が朗読している向こう側にゆるいフォーカスで彼女の父親が写っている。朗読をはじめたときの彼の驚きの表情がまた良い―――なんて書くとまたみんな動画サイトを利用しちゃうんですよね。

cummingsは、1962年没。+50年してみると、彼の詩は、まだパブリック・ドメインにはなっておらず、このブログに引用するわけにはいかない―――なんて書くと、またまたみんな検索で利用しちゃうんですよね。


2009年12月27日日曜日

エド・ウッド行(ぎょう)~グレンとグレンダ~

”くだらね~”というのは関根勤の最大の褒め言葉だそうです。

くだらないといえば、 「死霊の盆踊り」。これに勝るものは存在しませんな。(ただし「デビルマン」をのぞく)

エド・ウッドの映画は、「鑑賞」というよりは、「苦行」、「修練」に近いですな。全作品を見続けることで、悟りがえられるといったような。
ま、白状しますと、「…盆踊り」は、「各踊り」の度に、早送りするというマニアから言わせると邪道に陥ってしまいましたが。

ジョニー・デップ主演の「エド・ウッド」をあらかじめ見ておくとシーン毎に楽しめ(?)ますが、あたしは、「グレンとグレンダ」でいろいろ勉強させていただきました。

トランスベスタイト(transvestite)という単語もはじめて知ったし、途中で挿入される意味不明(深)なSM風のシーンとBGMとして流れる、マザーグースの歌「Puppy Dog Tail」の引用に、それはそれは感銘を受けました。
なぜ女装をするのか?少しわかったような気がしました。と

以下、ご存知ない方々に、「Puppy Dog Tails」を引用しておきます。「グレンとグレンダ」と合わせて生命の不思議を味わってください―――エドに言わせると、なにが、シュガー&スパイスだってところでしょう。

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Puppy Dog Tails

What are little boys made of?
"Snips and snails, and puppy dog tails
That's what little boys are made of!

What are little girls made of?
"Sugar and spice and all things nice
That's what little girls are made of!"
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