2022年11月24日木曜日

シンウルトラマン ★☆☆☆☆

しばらく前、町で話題になっていたシンウルトラマンがアマゾンプライムで公開されていたのでさっそく見ました。
良い評判の記事に接していたせいか楽しみにしていたのですが、予想に違い残念な作品でした。

以前、シンゴジラの記事でも書いたのですが、教養ぶる(なんて言葉はないと思うけど)セリフの数々が野暮ったくて。
みなさん指摘してますが、役者のセリフも説明ばかりで退屈でした。

パロディだとしても面白くなかったし。
怪獣だって「怪獣」のままでいいし、科学特捜隊だってわざわざ言い換えなくてそのままでいいでしょう。昔の暴走族じゃないんだから(笑)

ストーリー上、長澤まさみと斎藤工の信頼関係がまったく形成されてないのに、長年の付き合いがあるかのような展開になっています。
あれだけの付き合いで頬をひっぱたくぐらいの仲になってないですよね。

なぜ長澤まさみを他部門からわざわざ異動させてきて新入スタッフにしたのでしょう?
もとからいる課員(部員?)という設定にしておけば二人の信頼関係が出来上がってる状態からの展開にできたのに。

ひょっとすると登場のやりとりで長澤まさみが優秀だという場面を作りたかったのかもしれませんが、不要でしょう。だって、その後の展開で彼女が優秀である必要がまったくないし。またまたキャリアウーマン(死語)コンプレックス

斎藤工がウルトラマンに成る前と後で人格が変わっている感じも描かれていなくて、ウルトラマンに成る前から同じような変人だったかのような描かれ方をしています。

今回もディテールだけ先に考えてつなぎ合わせた映画でした。

最後に。
せっかくウルトラマンなんだから宇宙人相手の戦いじゃなくて怪獣だけにしてもらいたかった。

2022年11月6日日曜日

Happy Traum とディラン "I shall be Released"

ポール・バターフィルドのハーモニカ教本を2011年に買ってすっかり忘れていたという間抜けな話を2017年に書いたことがあります。

この教本でポールが教えてくれた数曲は、おかげさまであたしのお気に入りの持ち曲になりました。中でも「St.James Infirmary」は、最重要曲のひとつになりました。(この曲についても以前別の記事をポストしました

さて、上記のポールの教本で模範演奏の伴奏をしているのがHappy TraumというギタリストでUSでもかなり著名な方だそうです。日本語のサイトで検索するとほとんど情報が出てきませんが、来日公演もされていて、あたしが無知なだけでみなさんご存知のアーティストなのかもしれません。

このハッピーの伴奏があまりにも素晴らしいので、自分のハーモニカの伴奏にもこんなギターの音が欲しいなと調べたところ、上記のポールの教本と同じ出版社からハッピーのギター教本「Happy Traum Teaches Blues Guitar」が出ていることがわかりました。(自分で覚えて自分で伴奏音源作ろうと思ったのですができるわけありません)

ポールの教本と同じくページ数も少なくシンプルな教材で、少しずつですが最終楽曲まで進められています。

もちろん超へたくそですが、ハッピーの持つグルーヴのほんのちょっとでも自分のギターから感じられると最高の気分になります。(特に彼の専門、フィンガーピッキングのRock Me Mamaという曲は最高です。でもママとロックするって・・・)


次から次とこれでもかとテクニックやバリエーションを詰め込んだ国産の教本と違って、初心者にHappyの親切な語り口でゆっくりと少しずつ基本を順番に教えてくれる味わい深い教科書です。

日本のギター教本って、辞典みたいに「これもある、あれもある」といった羅列的な内容のものだったり、著者が自分の腕前を自慢するために書いているような(他の著者にバカにされたくないから?)本ばかりで、ちっとも生徒のためを思って作ってないような気がします。

対してハッピーの本は本当に初心者のことを考えてくれていて下手なりにステップを踏んで進んでいけます。

初心者的には教材がEキーのブルースというのも嬉しい内容です。
国産のブルース教本は、Aキーで教えることが多くていまひとつだと感じています。(Happyも本文で言っていますが、ブルースは全体の7割以上がEキーだそうですし。ブルースハープの名曲もEキーが多いような気がします)

さらに話題がずれていきます。

ギターは相変わらず下手ですが、「弾き吹き」にも挑戦したくて、ご存知ニール・ヤングの『Heart of Gold』をジャカジャカ演奏で練習していました。

少しレパートリーを増やしたくなって『I Shall be Released』はどうだろうと思い立ちました。もちろんザ・バンドのものもいいのですが、「弾き吹き」目的なのでボブのバージョンを聴くわけです。

この伴奏や途中で入る合いの手やコーラスが実にいいんですよね・・・・って、調べたらなんとハッピー・トラウムだっていうじゃないですか。

以前、ハッピーのことを書いた時、「ボブ・ディランと仕事をしたこともある」って自分で書いていてすっかり忘れているわけですよ(笑)

いい加減呆れますな。

そのハッピー本人のブログに、ボブとのレコーディングのエピソードがありましたので、いつものように拙い訳ですが引用してご紹介します。

(1971年の10月、ハッピーはボブから電話をもらい「グレイテストヒッツ、ボリューム II」を一緒にやらないかと誘われコロンビアのスタジオで合流します。スタジオについたらエンジニアをのぞけばボブと二人だけだったので驚いたと。はじめに「Only a Hobo」という曲を演ったところあまりうまくいかなかったので使わないことになったそうで。次の曲の「I Shall Be Released」にとりかかりました)

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さいわい2つめの曲「I Shall Be Released」では、リラックスして演奏ができた。

ザ・バンドの曲とちがった跳ねるリズムだったが、ぼくが得意とするブルージーなフィンガーピッキングのスタイルにぴったりだった。

ボブはAキーで弾いたので、ぼくは5フレットにカポをつけEポジションで演奏した。低音のハンマリングと高音の6度を組み合わせスライドとプリングオフでアクセントをつけた。

ぼくがコーラスで加わるとボブは、ニヤっとした。すぐに次の曲にとりかかり、どんどん楽しくなってきた。(ポール・バターフィールドの教本の方でもハッピーが合いの手や鼻歌をつけていてそれがまたいい感じです)

次の曲は、"Down in the Flood"の演奏がGブルースなのでプレイしやすかった。