「ハリウッド」では、ファルセット(裏声)から学ぶことを禁じています。
逆に「奇跡の」では、ファルセットを入り口にしています。また、ファルセットを「強化」することが重要とDAISKAU本はいいます。ファルセットについては日本勢は協調路線です。
「ハリウッド」付属のCDは著者の解説、合いの手、きっかけ含め全部米語です。それもかなり早口ですが、そこはボイスのトレーナー。超早口ですが非常に分かりやすいですし、難解な言い回しは一切ありません。
とにかく「合いの手」が素晴らしい。
こんな具合です。
「グググググ(歌のつもり)~~さ、
次の真ん中あたりでミドルボイス来るよ!!」
「もう一回、
ミドルボイスだよ~~~今チェストに戻った~」
実はここなんですよ。感動したのは。
一緒に歌ってみましたよ。
要するに自分が歌えたのは、まごうことなきミドルボイスだったということがこの本で判明したのです。
弓場本では、練習方法がやりやすく継続性も良いですが、ミドルボイスの仕組み出し方については一切教えてくれません。
DAISAKU本では、ミドルボイスの正体を教えてくれますが、なにがミドルボイスなのかまだわからない。
そして、この本の著者の歌を聴いて同じように歌ったところ、ロジャーが「ミドルだ!」といった発声がまさに自分が「練習の中で
工夫して作った」ものだったということです。
そしてこのミドルボイスは、ロジャーが否定するファルセットから始めたメソッドの基礎練習のおかげで出せたものです。YUBAメソッドの基礎練習のおかげですが、YUBAが否定するDAISAKU本の「ニェイニェイ鼻腔共鳴」の練習がなければ達成できなかったものです。
さらに、「ハリウッド本」の基礎練習には、まさしく「ニェイニェイ」と同じ練習が含まれていたのです。
五行の相克関係のようですが、実際は相生関係だったのです。
アマゾンの書評では弓場本の値段を「高い」と評している人がいますが、CD一枚の値段なので決して高くないと思います。
またあらゆる教則本と同じで後から先生が示した重要ポイントが浮き上がってくるものでうすっぺらい本の中にも歌い方についての重要な口伝が入っています。
ハリウッド本のCDが英語なので評価を低くつけている人も多いですが、あの楽しげなノリは英語だからよいわけでして映像DVDに日本語のサブタイトルでもつければよいのでしょうがコストはグッとあがってしまうと思います。
ローマは一夜にしてならず。いずれの本の読者評にも「ミドルボイスが、わからない!」というのが散見します。
でも、とにかく四の五のいわずにまずは継続練習しろよ、というところかと思います。