2013年9月27日金曜日

My Back Pages ~歌の進化プロセス~

映画「ボブ・ディランの頭の中」の導入曲、真心ブラザースの「マイバックページ」について追記します。

サビのフレーズは、

Ah, but I was so much older then. I'm younger than that now.


真心ブラザースの訳詞は、

あ~あの頃の僕より、今の方がずっと若いさ~


ディランの原曲は、「アナザ・サイド・オブ・ボブ・ディラン」というアルバムの中に収録されているのですが、まったく異なる編曲で、真心ブラザースは、見事に換骨奪胎したなぁ。
よほどディランがすきなのだと思います。

なんてうっかり感心しちゃうところですが、実は、生物の進化のように間に、もう一曲ありまして、ザ・バーズがロック調でカバーした一品。コーラスが美しい名曲です。
ことほどさように、この曲の詩とメロディーが魅力あふれるものなのでしょう。

真心ブラザースは、このザ・バーズのバージョンを元に創られています。
3番と4番の間に入る間奏がありましてザ・バーズ版では、ギターソロでサビのフレーズで戻って4番に入るところを、真心版ではハーモニカのソロでサビのフレーズをなしで長めのソロで決めています。

ハーモニカはストレート奏法で曲のキーはEです
<2020年8月30日追記>すいません。長年間違ってました



もうひとつのバージョンがあります。
2011年公開、同名の映画で使われた奥田民生と真心ブラザースが組んで歌っている「マイ・バックページ」。

これは更に凝っていまして、1番、2番が英語。3番を真心版の日本語歌詞(真心版の1番)。4番で再び英語となっています。ただし間奏は、ザ・バーズと同じです。

このバージョンは、幸いカラオケになっていますのでカラオケボックスで練習することができます。

そこであたしは更に考えまして新たな組み合わせにしました。

1番:英語
2番:英語
3番:日本語(真心版の1番)
間奏:真心版(サビ無し)
4番:英語

これでフルバージョンです。


2013年9月25日水曜日

Mr.Bojangles ~忘れえぬ人~

ハーモニカやギターの練習に必要だったので図書館で70年代の曲を集めたCDを借りました。
目的の曲以外も懐かしいので聞き入ってしまいます。
中にはすっかり忘れていた作品もあってあらためて聴き込んだり。

その一曲が表題の「Mr.Bojangles」。
リアルタイムで聴いていたときも好きでしたが自分で所有まではいかなかったんですね。
ま、テキトーに口ずさんだりしますな。

ある日、カラオケボックスの練習の時、ふと思いついて検索してみますと「Mr.Bojangles」がちゃんとありました。好きな人が多いんですね。合わせて歌ってみると非常に歌いやすい。
これは、なんかの足し(笑)になるかもってんで覚えることにしました。

そして詞についても、意識してみました。
曲の作者(作詞・作曲)のジェフリー・ジェフ・ウォーカーの実際の体験を歌にした作品だそうです。

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昔、生活が荒れていた(down and out)時、ニューオリンズのブタ箱(cell)に入れられて。
先客だったのがこのMr.Bojangles。
人懐っこい人だったんでしょう。ジェフに自分はダンサーだといろいろ身の上話(He talked of life, talked of life)をして。
いきなり、留置場の中で踊り始めた。(he danced a lick across the cell

すごく高くジャンプして踵を鳴らして見事に着地。
思わず大笑い。(He let go a laugh, let go a laugh
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後半の犬の下りもホロっとしますが、あたしはこの「笑っちゃう」ところが一番グっときます。

なんだか、何もかもうまくいかなくて自棄気味に酔った挙句、ブタ箱にぶちこまれたら、そこにしょぼくれたダンサーがいて、彼の話を聞いて踊りをみたら、なんか自分の境遇なんて大したことないような気がしてきて。こんな場所でこんな変なオッサンに励まされるなんて、なんだか可笑しくて笑っちゃうよね。

想像ですが、荒れた生活から抜け出るきっかけ、成功の種をまいてくれたのが、このMr.Bojanglesだったのでしょう。

ジェフにとってのもっとも大切な「忘れえぬ人」なのだと思います。

2013年9月5日木曜日

Orange Blossom Special (4)

ま、そんな苦労や費用をかけながらも結局は、こつこつと練習するしかないわけです。

「トレインバンプ、3番・4番穴のフェイク、汽車の汽笛」

の三つを大きな課題と書きましたが、汽車の汽笛以外はいまだにダメダメです。
汽笛だけは、なんだか上手になりました。これはブルースで複数の穴をすってフェイクをかけて「汚い」、ジャ~~って音を出すのと同じ感覚でして、ブルースを練習している内に汽笛も上手になった感じです。

4番穴のフェイクはとにかくハナから仕舞まで登場しまくりでして速いバンプからいきなりフェイクに入ります。練習ではまぁできても本番になりますと緊張していますのでフェイクがうまくいかずにただの4番の吸い音になってしまったりします。

これはいかん、というのでそうした苦手部分だけいつものようにSlowPlayerで取り出し、「5回繰り返す」といった音声ファイルを作成してそれを練習曲として扱うようにしました。

このような短い部分的音声ファイルのいくつかを、今度はMP3を編集できるフリーウェアでひとつのファイルにまとめて「OBS練習セット」というのを作りました。
このセットは、いまでもなるべく毎日演奏するようにしています。

このように、SlowPlayerとiTunes、iPodがあるおかげで多少練習の効率性を高めることができています。
それと、Band-in-a-Boxで演奏のバッキングファイルを作りました。
あたしは音楽の基礎素養がまったくないので浅見さんの本に掲載されているコード進行表を参考に作りました。何かのお役に立てば。



歌も含めどんな楽曲でもそうなのですが、CDに合わせたシャドウイング練習だけですと、いざ本番(っていつだ?(笑))の時にすっぽり真っ白けになってしまうことがあります。
そこはやはりカラオケかメトロノームだけで暗譜演奏ができるようにしておかないと本番の事故につながってしまうようです。

とまぁかれこれ続けているので最近は大分マシになってきたと思います。
調子のいい時は、100%のスピードでもいい感じの時があります。
でも人前だとその半分くらいの力になってしまうんですよね。たぶん。

2013年9月4日水曜日

Orange Blossom Special (3)

練習はメロディーを吹けるように音をとるだけではなく、これに伴う基礎練習も行いました。
すごく速いフレーズとバンプが連続する曲なので音の吹き吸いの切りかえしが激しく腹式呼吸もふくめた基礎力がある程度つかないと到底太刀打ちできないのです。

そんなメロディー以外のあたしにとっての課題は大きくは三つでした。
トレインバンプ、3番・4番穴のフェイク、汽車の汽笛です。

練習に役立つ(もっと楽に?覚えられる)何かヒントもほしいってんでチャーリー・マッコイの教材も買ってみました。
教則本を二冊(これは結局手をつけずじまいです)とVHSのビデオで「Country Harp Techniques(カントリー・ハープ/完全テクニック)」というやつです。

ネットで見たらこのビデオの紹介に目次があって「オレンジ・ブロッサムのテクニック」ってのが書いてありまして、これはもう絶対買わねばと絶版状態のものを探しまくってとあるお店で扱っていたのを手に入れました。

でもね。もうその時点で我が家にはVHSのビデオプレーヤーが無かったんですよ。
本末転倒の極致ですがこのビデオを見たいがために安めのビデオの機械を買いました。バカですね。

ところが!このビデオ、きっとお店でも在庫で何年もおいてあったものなのでしょう。
トラッキングというか途中からノイズが出てしまってまったく見れなくなるのです。お店にクレームか?とも思ったのですが文句をいったところでもうこの世にはこのビデオないのだろうと泣き寝入りすることにしました。勉強代と割り切ったのです。

あたしが買ったビデオ再生機は、デジタルテレビチューナーとDVD録画機能がある複合機だったので、このビデオはみられるところまでなんとかDVDに移し替えてあります。
そこまでの内容だけでも勉強になるといえば負け惜しみでしょうか。

チャーリーがそのビデオで語ります。

「そりゃ、一晩では上手にならないよ。おいらがこのスピードと正確さを身に着けるのは35年かかったんだからね」(チャーリーは、気持ちいいぐらいの南部訛でして、むりやり翻訳するとこんな口調かなと思います)

2013年9月3日火曜日

Orange Blossom Special (2)

プロの方々は、さまざまなスタイルでOBSを演奏されていますが、あたしはどうせなら本家のチャーリー・マッコイのバージョンをやりたいなと思いました。

他のプロの方々のはトレインバンプの部分が多く、だんだんと速度が増して行ったりするパフォーマンスとアドリブの要素が多く、それでなくても難曲なのに、まずはオーソドックスなスタイルでなければとても覚えられないと思ったのです。

挑戦したチャーリーマッコイの曲は、『Charlie McCoy - Greatest Hits 』に収録されている「Orange Blossom Special New Version」という曲です。


使用するハープは、FとBbの二本。

基本は、Fを使って、途中、二回ある「スケール練習風速吹き」の直前のプカプカするところでハーモニカをパッパと交互に持ち替える部分があって、またFのハープ単独に戻ります。
(実は、この持ち替えのところはパフォーマンス的には見せ場なのですが演奏側からいいますと意外と楽でして休憩(笑)にあたります)

耳コピーは、いつものようにSlowPlayerというiPhoneアプリを使いますが、最もゆっくりな原曲の50%でもまだ速い(笑)ので、いったん50%に落としてからSlowPlayerの機能である「書き出し」を用いて50%減速のファイルを書き出します。
この50%減速ファイルを再びiTunesに読み込んで更に50%減速します。
つまり、最終的に原曲の25%の速度の曲を作りました。

ここから少しずつ音を探って耳コピーをし合わせて練習速度を少しずつ上げていきます。
この作業を只管。只管やります。
速いフレーズ(全部ですが(笑))を繰り返し繰り返し練習します。
ある日、あまりにも繰り返しやるので左腕がコチンコチンに固まっていたことがあります。

一年後に人前で演奏するまでこの曲以外の新曲にはまったく手を出しませんでした。

(続く)

2013年9月2日月曜日

Orange Blossom Special (1)

今回のように、「難曲」について書くこともありますが、どうせ匿名のブログですし、実際は入門者に毛が生えた程度のものだという前提でさっぴいてお読みください。

あたしは、中学校時代にフォークソングがはやったのでギターをやっていましたが、途中でなぜか?カントリーミュージックにちょこっと興味がわいたことがあります。
レスターフラットとアール・スクラッグスの「スモーキー・マウンテン・ブレイク・ダウン」という曲が好きでした。この主役の楽器がバンジョーです。

もしかしたら流行ってたのかもしれませんね。新栄堂(近所のレコード屋)の店頭に「バンジョー」が飾ってありました。売れないうちにバーゲンになったので買いました。中学生で買えたのでギターよりも安かったのだろうと思います。

それから年月がたちまして、偶然、テキサスに行くことになりました。
場所柄カントリーミュージックには親しみを覚えます。
興行的には失敗
だったそうです
滞在時期に、ちょうど『アーバン・カウボーイ』というテキサスが舞台、主役、ジョン・トラボルタの映画がかかりまして、サウンドトラックに「Orange Blossom Special」が収録されていました。

ハーモニカではなくて、本来のフィドル(バイオリン)による演奏です。おそらくフィドルは、チャーリー・ダニエルズだと思います。当時は、さらっと流していた曲でしたが、今回ハーモニカ版を聴いて、あ!あの曲だったんだ。と思い出したところです。

最初に買った浅見さんの教則本にはOrange Blossom Special(以下、長いのでOBSと書きます)が入ってましてCハーモニカ一本で持ち替えなしで やれる曲が載ってます。
浅見さんの本で欠点といったら、本のこんなはじめの部分でOBS が登場していることでしょう(笑)
くじけますわな。


さて、課題曲に決めたのが2011年の11月。
2012年1月の時点では原曲の75%で一部もたついたりたまにはうまくいったりといったレベルになり、夏には90%くらいの感じでなんとか演奏できるようになりました。

(続く)