2016年8月18日木曜日

アニメ『僕だけがいない街』

遅まきながらNetflixでアニメの『僕だけがいない街』を観ました。

映画の方の予告編を見ていて、たぶんそんな感じのストーリーかなと想像していた通りの話でした。

この手の話、要するにタイムトラベルもの好きなんですよね。もともと。

ハナは、広瀬正の『マイナスゼロ』から『バックトゥーザフューチャー』、そしてケン・グリムウッド著『リプレイ』、そして『リプレイ』を原案とした『君といた未来のために 〜I'll be back〜』。

『君といた未来のために 〜I'll be back〜』については昔書いたことがあります。
この作品については原案の『リプレイ』との間で権利関係でもめたことがあると読んだことがあります。
権利関係についてはその後、両者で解決したようなので今では個人ブログ以外にはこの件について触れている記事はないようです。

この『僕だけがいない街』も仕組みは『リプレイ』と同じです。
ただ、人生のやり直し方が微妙に異なるので素人的感想では権利関係ではもめないと思います。

さて本編ですが、主人公をめぐる家族、友情や恋愛(?)模様に関してはとてもよくできたお話だったのですが、犯人の描き方が・・・厳しかったと思います。

犯人は少女を狙って殺人を犯すサイコパスという設定なのですが、なにかしっくりこない。サイコパスなので動機に関してはこだわる必要がないのでしょうが、なんだか無理がある。
テレビアニメなので仕方ないと思いますが、犯人の目的が殺人だけで猟奇的な部分が描かれていなかったからというのもあると思います。(濡れ衣を着せられた男性のエピソードだけちょこっとそんなニュアンスが示されますが・・・)

と、あたしのような感想を持つ視聴者って多いようでギズモードに以下のような記事がありました。

映画で描かれるサイコパス、精神科医が思う最もリアルなキャラはコレ

----------引用----------
2014年にベルギーの精神医学教授のサミュエル・ルイステッド氏が10人の友人の協力を経て3年間かけて、1915年から2010年までに公開された述べ400本の映画を調査したことろ、サイコパスは126人、そのうちの105人が男性だったそうです。その中で最もリアルなサイコパスは以下の3人。
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というくらい描くのがむずかしいのでしょう。

ちなみに、この記事によると、わがコーエン兄弟のアカデミー賞受賞作『ノーカントリー』に登場するハビエル・バルデムが演じる殺人鬼、アントン・シンガーが栄えある本物のサイコパスに近いキャラだそうです。同じく、コーエン兄弟が描いたテレビ版『ファーゴ』のローン・マルヴォーは、サイコパスじゃないかもしれませんね。好きだけど。

この二人とも監督たちの描き方が素晴らしいのは彼らの殺人には個人的なモチベーションがまったくないことです。なにしろ二人ともプロの殺し屋ですから。趣味も人殺しなので趣味と実益を兼ねた理想の人生ですな。そのあたり設定が上手いです。

切り裂きジャックのように殺すのが楽しみという殺人鬼自体が稀な存在ですので、それにしたってジャックの場合は、売春婦に対する猟奇的な目的があったようですから動機付けはあるわけです。

現実の事件では犯人が多数の殺人を犯す場合は、連続ではなくて、その場で数人殺傷し、たいてい動機がありますからね。



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