映画では家族関係がシンプルになっていてどちらも初婚、子供も実子です。
次に、タキが同性として主人の時子に恋をしていたのでは?という含みが描かれています。
これは時子の学生時代の友人睦子が時子の昔話を伝える場面でそれとなくにおわせています。
タキの時子への同性プラトニックラブについては原作の方が色濃く描かれていますが、あえてどちら(ヘテロ or ホモ)ともとれるような表現になっています。
映画でもでてくるタキが時子の足をマッサージする場面など絶妙です。
原作では再婚相手の夫と時子との間に夫婦関係がなかったとタキは推測しています。
タキは、その理由に平井からは他の人間から感じる「男」をまったく感じなかったからといいます。
このタキの直観力はいかにもヘテロセクシュアルです。
さて映画にだけあって原作にはない最大の謎が、「現在」のタキの住まいに飾られていたイタクラショージの手になる「小さいおうち」の絵です。
その価値をしらない遺族はタキの死後、ポイッと捨ててしまいます。
タキはいったいあの絵を板倉からいつもらったのでしょうか?
終戦後、二人は会っていたのではないか?と思わせる演出です。この伏線が張られているので終盤、タキが号泣する場面がより効いていますね。
つづく
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