2014年5月27日火曜日

小さいおうち(日本映画と日本の小説) (三)

この作品は、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち 』がモチーフになっています。

この絵本について以前、大好きな部分を引用して書いたことがあります
再度、日本語版を記します。

----------引用----------
それから
ながいあいだ
ちいさいおうちは、
おかのうえから
まわりのけしきを ながめて、しあわせに
くらしてきました。
あさになると、お日さまが のぼります。
ゆうたがには、お日さまがしずみます。きょうがすぎると、またつぎの日が きました。
けれど、きのうと きょうとは いつでも
すこしずつ ちがいました……
ただ ちいさいおうちだけは いつも おなじでした。
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(ちいさいおうち バージニア・リー・バートン文・絵 石井桃子訳 岩波書店刊)


映画・小説「小さいおうち」でも、この、
けれど、きのうと きょうとは いつでも すこしずつ ちがいました……
という「無常観」が描かれています。

永遠に変わらない(でほしい)と思っていたものが少しずつ少しずつ変わっていく。
その渦中にいる当事者たちにはなかなかその変化は実感できない。
だから絵や写真の中に切り取って時間を止めておきたくなるのでしょうね。


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