2011年7月13日水曜日

みみずのとむらい

今年は早く上がってしまいましたが、梅雨の時期、海が近いせいかあたしの職場周辺は、一層湿気っぽいです。

人間は苦手な、そんな気候になりますってえと、すっかり上機嫌になってうかれて踊りだしちゃうのが、ミミズたちでして。
ここしばらく、歩道のありとあらゆるところで、みみずの無残な姿が見られます。

「お!雨だ雨だ! てやんでえ、こちとら江戸前のみみずだぞ。よっし、いっそ中へくりだして彼女作っちゃお!」
「だからおめえはバカだっていわれんだよ。おめえが彼女じゃねえか」
「あ!そっか!!おれ婚活しなくていいんだ。ラッキー」

なんて調子でね。ついつい土から出てきて歩道にまで繰り出して迷子になっちゃう。

とういわけで、そこら中で、「みみずのとむらい」が行われています。
この儀式のつらいところは参列者もみなそのまま、バタバタと倒れ干からびていくところでして。なんでわざわざ土の中から出てくるのだろう。
なんて気の毒に思います。土の中でせっせと栄養つくってればよいのに。

去年はどうだったかなぁ。facebookで思わずつぶやいたところ、「朝は動いていましたよ」なんてコメントがあったので雨が降った夜の間に踊りでてきちゃうのでしょうね。
金子みすず作品集

さて、古風な言い回し「とむらい」といいますと思い出すのが、金子みすゞの「大漁」ですな。
NHKの『にほんごであそぼ』でも扱われていたのでおなじみかと思いますが、ご存じない方のために掲載しようと思ったら著作権の扱いがなんだかややこしいことになってるそうで、部分引用にとどめます。ご自分でGoogってください。

イワシ漁が大漁で喜びに湧く人々。
…、浜辺はまるでお祭りのようににぎやかだけど、方や、『海の中では何万のいわしのとむらいするだろう』

世の中ですな。


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