2012年10月2日火曜日

ブルースのこと(2)

ブルースってちょっと・・・いや、かなり落語に似てるなと思います。

懐かしいトム・ジョーンズ
も出ています
同じネタ(曲)を色々な演者が、自分の持ち味で歌いますよね。
好みの噺家(ブルースマン)のこのネタが一番だ!みたいな感じで。

埋もれていたネタを後の時代の演者が味付けをしてヒット作にするあたりも似てるなぁと。
マジックサムやそしてその後の、ブルースブラザースの「スウィートホームシカゴ」のような例ですが。

ま、この辺りはブルースに限らず普通のロック(ポップス)音楽のカバー曲の世界やクラッシック音楽でも同じようなものなのかなと思います。
でも、一番大きな特色は、ブルースの場合は描かれている歌詞の世界が実に落語に似ているのです。
特に、浮気───他のジャンルですと普通の失恋とか幸せな恋の歌は多いですが、浮気をモロに扱っているのはないと思います───特に、「間男」の歌があるのはブルースならではではないかと。
続いて、金(こちらも浮気に続いて、女との金銭トラブルの歌なんてのがあってイケてます)、自分勝手、犯罪、クスリ、博奕、裏切り、放浪、放蕩、貧乏、自慢、暴力、バカ、しくじり。

マーティン・スコセッシが総監督を務めた 「ブルースプロジェクト」という凄いDVDの映像シリーズがありますが、そのどれかで音楽監督が、

「ブルースマンの先人たちは、名人ということで尊敬されていますが、社会人としては尊敬できない人も多い。女にだらしなかったり、裏切ったり、中には実際に殺人まで犯した人もいます。でも、音楽は音楽ですから・・・」

という発言をしていました。

つまり、ブルースが描いているのは「人間の業と、その肯定」(立川談志による落語の定義)ですよね。
これが人を惹きつけてやまない魅力の根源だとおもいます。

~わかっちゃいるけどやめられない~

~それはそれ、これはこれ~

かな。

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