2015年8月25日火曜日

イニシエーション(2)

イニシエーションを(1)として続きを書こうと思って時間があいてしまいました。
ま、実用的なトピック以外は誰も読んでくれない(笑)このブログですがま、いいじゃないですか。
ひとりごとだって。

さて、小説(?)『イニシエーション・ラブ』のイニシエーションは日本語にすると「通過儀礼」となりますが、あたしの使い方では「通過儀式」となります。

下世話な例では「肝試し」。
怖~い体験を済ませると一人前と認めてくれる。みたいな。
部族で仮に出て手柄をあげると成人として認められる。

成長のきっかけとなる、あるいはその部族社会の正式な一員として認められる儀式ですな。

昔、ある現場で業者が舞台装置を作っていました。
舞台の上にある「天井」みたいなところを「すのこ」といいまして文字通り鉄骨が簀の子状になっている。
そこからいろいろな機材を吊るわけです。
すのこ、というくらいなので間がスカスカになっている。
当たり前ですが、スカスカから下を覗くと舞台が見えます。

これがコワイわけですよ(笑)

で、業者はこのスノコも含め手がけた舞台が自慢なんですな。作品として。
で「検収」もかねて登ってみろ、と。スノコにね。

当時の上司が「オレ、やだよ。そんなの」と腰が引けた。
で、あたしももちろん、イヤだったんですが、一緒に現場やってきた連中がいうことだし滅多にスノコの上なんて登れるものでもないし上がってみたんです。

それがあたしの、というか舞台業者のあたしに対するイニシエーションだったんですね。

それから扱いがまったく変わったんです。完全に仲間扱い。
つらい工程を徹夜で助けてくれたり。
現場が終わっても、いつまでも「あの時、上がってくれたよな」って言ってくれる。

「ラブ」のイニシエーションより価値のある儀式でした。


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