2016年10月14日金曜日

『呪術師の飛翔』(9)

ようやく『呪術師の飛翔』最終回です。

●18 マンフレッドの秘密

「17呪術師の管理人」では、「意図」を叫んだあと意識を失ったタイシャが目が覚めると空中に、皮製ハーネスのようなもので吊るされていました。(飛翔305)

この「空中から吊るされる」修行?は、ドン・ファン・シリーズでは『イーグルの贈り物』(贈り物pending)に登場します。

この修行法は一般的なものなのでしょうか?

木からどうにか降りてハーネスをとりはずしたタイシャは、この屋敷での三人目の教師、エミリートと出合います。(飛翔335)
エミリートは、「忍び寄り」(stalking)を教えるのだそうです。(飛翔335)

エミリートが空のひょうたんから何かを飲む動作を奇妙に思ったタイシャがたずねると、その中には「意図」が入っていると言います。(飛翔332)

犬のマンフレッドは、エミリートが高速の八号線で、アリゾナのギラ・ベンド(Gila Bend, AZ)からおよそ60マイルのところで死にかけているところを見つけたのだそうです。

メキシコではありませんが、お馴染みの地方ですね。




●20ダブルの門

「19空白の時間」では、タイシャがアリゾナの本屋で働いていたと記されています。(飛翔357)ここでいうアリゾナというのはツーソン(飛翔357)のことです。

アメリカの地方都市では書店の数は限られていますので根気があれば、そしてその書店がまだ存続していれば確認することも可能かと思います。

エミリートは、タイシャのナワールは、ドン・ファンではなく新しいナワールのグループの一員であると告げます。(飛翔360)
新しいナワールとは、カスタネダのことです。

エミリートが彼らの師弟関係について述べているので一応羅列しておきます。

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タイシャは、ネリダの跡取りである。(飛翔365)
エミリートの師匠はナワール・フリアン・グラウである。(飛翔367)
ナワール・フリアンの先生はエリアス・エイブラーといった。
エミリートにはもう一人先生がいてタリアといった(飛翔368)
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”家系”についても説明しています。
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エイブラーは忍び寄りの系列
グラウは夢見の系列(飛翔372)
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”忍び寄り”と”夢見”のスタンスの違いも述べています。
本の終わりにむかって大慌てでまとめている感満載ですな。
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「忍び寄りの人は計画を立てて、その計画から行動を起こす。(中略)夢見の人は計画も考えも持たずに進んで行く。」(飛翔373)
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「ダブル」の「目覚め」についての記述があります。
うなじにパキンという割れるような音が聞こえたら、それがダブルが目覚める音だそうです。(飛翔376)

ここは「うなじ」ですが、ドン・ファン・シリーズの『力の第二の輪』では、窮地に陥るとカルロスの首のつけ根のところがポキっとなって恐ろしいダブルが登場します

●21呪術師の飛翔

エミリートの部屋に入りますと、目の使い方についていわれます。

「部屋にあるものは何であれ、じっと見つめちゃいかん。見たいものは何でも見てもいい。でも視線は素早く動かして、ざっと見るだけに留めるんだ。」
(飛翔396)

例の「目の使い方」をすると人々が集まっている幻影?を目にします。

そこには、カスタネダ。フロリンダ(ビッグ・フロリンダ)とネリダがいて二人はうり二つだそうです。(飛翔404)ナワール以外で14人。女9人。男5人。

二人のネリダにクララとその姉妹。それと5人の見知らぬ女性。その内3人は高齢。二人は若い。男四人は年を取っていて、一人は若い。
これがカルロスですが、この本ではディラス・グラウという名前になっています。

●訳者あとがき

この本は、日本でテンセグリティの活動を行っている団体の紹介をしています。
日本に実践しているグループが見当たらないと書いている個人ブログを見たことがありますので、実践に興味のある方々には貴重な情報だと思います。

先に記事をアップしてありますが、あとがきでBBCが製作したドキュメンタリー番組について触れています。
あたしは、その存在をまったく知りませんでしたので、それを知っただけでも買ったかいがあるってもんです。

BBC Carlos Castaneda And The Shaman. Tales From The Jungle 2007
(飛翔410)

このドキュメンタリーには、カスタネダの研究者をはじめカルロス・カスタネダの元妻マーガレット・カスタネダやカスタネダの子供(嫡子)C.J.カスタネダの証言があり非常に貴重な映像です。

このブログの最重要コンテンツの著者Amy Wallceも出演しています。

この番組は2007年のオンエアですのでAmyが51歳の時のありし姿です。彼女は、この7年後に心臓病で他界します。彼女の著書を読むと体調がすぐれずけっこう薬飲んでましたからね。

そして、GabiとGregというカスタネダの「元追っかけ夫婦」の姿まで見られまして、勝手に感動しています。

GabiとGregについては、次のコンテンツ紹介でじっくりと書きたいと思います。

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