前回、ぺ・ドゥナの怒る演技について書きました。
となれば、「泣き」について書かなくてはいけない。
彼女の涙のシーンは、とにかく上手でついもらい泣きしてしまいます。
どちらかというと大した役どころではない主人公の妻役だった『トンネル 闇に鎖された男』でも彼女が涙をみせるシーンではホロっとしてしまいます。
実際に本人も涙もろいようで映画監督の砂田麻実氏が是枝監督の『空気人形』の助手をしていた時、リハーサル中にこらえきれずに泣いてしまうペ・ドゥナが本番になるとピタッと泣かずに演技ができる様子について語っています。*1
そんな彼女の涙のシーンの中で頂点だと思っているのが『秘密の森2』の最終話。
シーズン1で立てた手柄のため警察庁に派遣されたハン・ヨジンはいけすかないエリート警察官僚のやっかみで孤立、シリーズの間中居心地の悪い思いをしています。
今回も事件を解決したにも関わらず同僚に仲間を裏切ったと責められるヨジン。
そんな中、昔の現場仲間に飲み会に誘われ、会議室の壁にもたれ、歯をくいしばっても思わず涙ぐんでしまうシーンが忘れられません。
続くヨジンを気遣うチャン刑事はじめ昔の仲間たちの暖かい会話もこれまでの長い経緯あっての感動でした。
余談ですが、かつてのヨジンの席に別の刑事が異動し、ついに警察署に彼女の席はなくなります。派遣だった警察庁も、完全な異動となって情報局に身を置くことになったヨジン。果たして次のシーズンがあるのでしょうか?
*1:『是枝監督とペ・ドゥナの奇跡』(花田欣也著) より。(以下、『奇跡』と記載)この本は『空気人形』の製作に携わった方々へのインタビューで構成されています。ペ・ドゥナがリハーサルで泣くエピソードは砂田氏以外にも多くの方が語っています。
あとがきによると著者の花田氏はペ・ドゥナの1ファンだそうで、ペ・ドゥナ当人にもインタビューしている内容なのでかなり嫉妬しました(笑)
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