2013年12月4日水曜日

犬の話

車など運転していますと町の風景が目に入りますね。
車窓の風景でなくとも街歩きでもあたしが特に好きな人々の光景ってのがあります。

ひとつは待ち合わせしている女の子のもとに待ち人の恋人が現れた時の嬉しそうな表情。
もうひとつは、私服の中年男性二人が街角で楽しそうに会話している様子。
「私服」ってのはこちらの勝手な想像ですが、おそらく仕事や人間関係の噂話ではなくてまったく分野の違う趣味や生活の話題をしているのかな?なんて思うからです。

さて、先日久々に「末げん」の「かま定食」を食べにいきました。
隣の席に中年の男性二人。勤め人ですが初老に近い。

一人は、電通のバッジをつけてるのであたしの「私服」のルールにははずれています。
もう一人もスーツのビシッとしたダンディーだがやはり初老の男。
注文が済むとぼそぼそっと会話が始まる。

「……。で、どうなんですか?」
「えぇ。まず腫瘍マーカーを再度やって、その結果によっては医者と相談して……」
「…。大変ですね」
「でも、女って強いですね。ほんと。結構、元気な様子でやってますよ。 あ、そうそう先日、Eテレで犬の番組やってだんですよ。BBC製作だったかな。犬の能力が凄い!みたいな内容で。
嗅覚が凄いので家の人の(癌の)再発を匂いで感知したみたいな話もやってたんですよ。家族の命を救ったみたいな」

「犬、いなくなると寂しいですよね。」
「半年くらい、家に帰っても出迎えてくれないのでぽっかり穴が開いたみたいで。つらかったです」
「うちも、また飼うなら同じ犬種がいいんだけど。女房なんてたまに近所でコーギー飼ってる家に行って触らせてもらったりしてますよ」
「うちもそうですよ。ペットショップに行って飼う気もないのに抱かせてもらったりしてね」
「わかる、わかる」
「また飼いたいけど、自分たちの方が先に逝っちゃうだろうし……。うちの子供は犬の面倒なんてまったく見る気ないし……」

世の中ですよね。

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