2006年5月15日月曜日

コンピュータ黎明期(2) ~わたしとオリベッティタイプライター~

ワープロにさかのぼること、さらに昔。

高校時代、英語会話が流行?したことがあります。
「英語」というより「留学試験」といったほうが正確かもしれません。

誰でも受けられるので英語力などからきしのあたしも同級生に誘われるままに参加しました。
落ちて当たり前なのですが、そこはそれ、試験というゲームの一種なので、次回は受かってやろうという気がおきてきます。

趣味とはいわないまでも、留学試験の勉強(普通の英語と違ってクセというかコツがあります)の一環でタイプライティングを独学しました。
両親に頼んで買ってもらったのがオリベッティ社のタイプライターです。
(MOMA(ニューヨーク近代美術館)の美術品にもなっているあれ)

タイプライターを手に入れたとはいえ、その後何年間も「タッチ・タイピング」(自分的にはブラインドタッチという用語の方がイメージ通りですが世の趨勢にて)ができませんでした。
タッチ・タイピングができるようになったのは社会人になってからようやく7年目のことです。

「ワープロは10本指で」という本を書店で偶然手に入れたおかげです。
とても薄い本で、ホームポジションを守って、ほんの数時間練習しただけで、なんと!おおむね10本指で打てるようになったのです。
自分でもそのあっけなさにびっくりしたことを鮮明に覚えています。

さて、そんなわけで「ワープロ講習会」に参加した時点ではキーボードが得意なわけではなくてもタイプライターに親しんでいたおかげでずいぶんと助かりました。
本物のタイプライターを使ったことがある経歴は後にDOSマシンからMacintoshを使うようになってさらに役に立つことになります。

今でこそ珍しくもないが、Macintoshのフォントは、当時の他のコンピュータやワープロ専用機と違って「プロポーショナル」といって文字ごとに幅が異なっていました。
アウトラインフォントが登場する前の話ですが、それでも一文字一文字幅が違っていて半角・全角という和製ワープロの理解を超えていました。

文書の体裁を整えるためにはタブやマージン、そしてインデントといった機能を使わなくてはぐだぐだになってしまうからです。

それまで一太郎くらいしか知らなかった自分が、はじめてマックのワープロに接したとき、「あぁ、これはあの「オリベッティ・タイプライター」の再現な んだ。タイプライターの紙をはさむ棒の上についていた金物というかつまみを画面で描いているだけなんだ。そういえばタブの位置を金物押しては、一個一個決 めていたよなぁ。と納得。

そうなるとしめたもので二度と日本製の「ワープロ」には戻れなくなってしまいます。

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