2006年5月24日水曜日

簡化太極拳

日本に戻っても太極拳を続けよう、と思っていたので早速情報収集にかかると、とある団体の教室が一番盛んなことがわかりました。、スポーツクラブなどに必ずカリキュラムがあるのです。

早速見学に行ったところ、その教室で行われている太極拳はジェーンに習ったものとまったく違うのです。

似たようなポーズはあるのですが、何しろ型(套路)のステップ数が少ない。あっという間に一連の動作が終わってしまうのです。ひとつひとつも微妙に異なるのです。
この流派?は、違うと判断、他の教室をあたることにしました。

後からわかったのですが、この太極拳は「簡化太極拳」あるいは「24式」と呼ばれる国民の健康を高めるために”北京”で開発された新しい太極拳だったのです。
古い時代に作られたものは長くて覚えるのが大変なので重要な型だけを抜粋して作ったので「簡易」型というのです。

何事も半可通の自分ですが言わせてもらうなら、最大の違いは簡化太極拳が「つま先」を床から上げてしまうところでしょう。これを行うと動きが妙に楽になって地面との密着感が味噌である太極拳の醍醐味に根本的にかけるのです。

オートマティック車の運転のように物足りない(笑)。
さらに付け加えますと、日本で普及しはじめていたその「簡化太極拳」と本場の「簡化太極拳」とでもディテールがまったく異なっていることも後で知ります。全然違うのです。

そんな経緯で次にあたったのが青山にあったNHK文化センターというカルチャーセンターで開かれている中野春美先生のクラスでした。

当時のあたしは太極拳が武術だという認識はまったくなく、肩こりをとるための体操。白人がハマる神秘的なメディテーションかリラクゼーションの一種と思っていたのです。

青山の教室を見学してクラスがハネてから勇気を出して中野先生に話しかけてみました。外国で習って途中になっていること。各所にある教室のものは自分が習いたいものとは違うこと。などなど。

先生が言いました「ちょっとここでやって見せてくれる?」(つっけんどんなのです(笑))
あたしは、その場で太極拳を始めました。
(はじめは、Grasp Sparrow's Tailだな・・。)
Grasp Sparrow's Tailとは後に、攬雀尾(ランチュウウェイ)という動きの直訳と知りました。

先生は、あたしの動きをじっと見つめ、やがて言った。
「細かい部分が大分違うけど、あなたの習ったのは間違いなく楊式太極拳ね」
ジェーンの太極拳は楊式太極拳というものだったのか!

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