2016年6月20日月曜日

ジュラシック・スケルター ★★★★★と★☆☆☆☆

あたしは、見始めた映画やDVDは、どんなにつまらなくても大抵は最後まで見る方です。

『死霊の盆踊り』は途中早回ししましたが・・・。

そんな中、『ヘルタースケルター』話題になっていたのでいまさらアマゾン・プライムで見始めたのですが・・・あまりの酷さにギブアップです。
そういえば、似たような酷い映画で途中でやめたのあったなぁと記憶をたどってみると・・・

『さくらん』。主役の大根ぶりとスジの退屈さで辞めた映画です。

キャストやスタッフには疎いあたしなので調べてみたら2作品とも同じ監督でした。
いやぁ。厳しい。有名演出家の子供の方だということですが。

そういえば洋画で似たような酷いのあったなぁと思い起こすと・・。
あった!あった!

ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』。

やはりお嬢さまかよ。これは最後まで見ましたが、辛かったです。

『スケルター』でくたびれたので口直しに遅まきながら『ジュラシック・ワールド』を同じくアマゾンで観ました。

これはゴキゲンでした。完全にパターン化されている王道のハリウッド製品。
怖さもほどほどで安心して観られるし。
次々とシーンを追わせて最後までリズミカルに観客を引っ張っていく巧みな演出。

ワンパターンだとか、ご都合主義だとか、子供がこんなのあり得ないとか、恐竜の大きさが違うとか、戦いの最中にキスするなとか批判ありますが、そこがいいんじゃないですか?

あたしは、まず導入部での音楽で泣いちゃいました。
第一作の時もジープに乗った一行がプロントザウルスに出会って見上げたところで涙でてきたんです。
あ~オレは生きている間に本物の恐竜を目にすることができたんだ。ってね。
(ちなみにホンダのアシモでも泣いたことあります)

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このシナリオは伏線が計算されつくされているのが素晴らしいですね。

1)肉片
まず、人工恐竜「インドミナス」が自分に埋め込まれた発信機を自分で食いちぎって捨ててあった肉片。これはインドミナスが頭がいいというエピソードで使われますが後半で説得力のある小道具として再登場します。

2)ラプトルと人間
ラプトルと主人公オーウォンの関係性も多重的な構成で観客を楽しませてくれます。
オーウェンになついていると思ったらそうでもない。そうでもないと思ったら・・・。
両者の関係は終盤でラプトルの首につけた発信機をオーウェンが外す場面でクライマックスに達します。

3)恋愛模様
主人公オーウェンとクレア。摩擦を繰り返しながら恐竜が暴れまくる修羅場でキスに至ります。
いわゆる「吊り橋の理論」恋愛です。
もう一組、コントロールセンターのオペレーター二人も同じ「吊り橋」状況にしておいて・・・。

4)恐竜ホログラム
前半、さまざまな場面で登場する映像コネタですが、終盤、このホログラムがひと活躍します。主人公たちを追い詰めるラプトルが映像で現れたディロフォサウルス(エリマキトカゲ)を新手の敵と勘違いして躊躇します。

ジュラシックパークへのオマージュであるとともに巧みな伏線小道具。
実に上手い!

4)海竜
そして、なんといっても海竜モササウルスでしょう。
餌やりのショーの場面で一回。
翼竜脱走の場面で一回。
そして最後の最期。という。

宣伝CMまで入れると3回伏線を張りクライマックス突入というカタルシス。
偉い!

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キャラがそこそこ立ちそうな出役があっさり死んでしまうところも狙いかと思います。
ヘリコプターを操縦する社長しかり、クレアの秘書のザラしかり。

余談ですが、この映画のシナリオは『エイリアン2』に似ています。

シリーズの1と2でアンドロイドの立ち回りが180度違うあたり今回のラプトルの立ち位置と同じです。

クライマックスでエイリアンと戦うことになる『パワーローダー』という重機が今回のモササウルスに相当。

パワーローダーが伏線としてさりげなく前半で登場しているあたりハリウッド映画の決まり手の伏線テクニックなのでしょう。

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